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地域の未来を拓く
地方独立行政法人 さんむ医療センター

運営・経営方針

1.運営・経営方針

 さんむ医療センターとして独法化してから、5年目を迎えた。地方独立行政法人では自治体が策定した中期目標に対し、法人が中期計画を作成する。自治体は中期目標の最低限のラインを担保し、法人はその出資に応えなくてはならないが、さんむ医療センターは新設型の独立行政法人であるゆえに、新たな体制でスタートできた。

「地域の未来を拓くという理念のもとに、患者さんを治して帰すことよりも、患者さんの生活を支えることを第一に考えてきました。当院は大病院のように全ての疾患を治療できるわけではありませんから、患者さんとのコミュニケーションを大切に、患者さんの日常をサポートすることを心がけています。」

 職員が働きやすい環境作りにも打ち込んでいる。院内託児所のほか、山武市が開設する幼保連携型のなるとうこども園が病院の隣地にあり、職員が利用できた場合にはとても便利である。山武市は都心からのアクセスが良く、都心から通勤している医師もいるが、交通費は全て病院負担となっている。

「女性職員が働きやすい病院でありたいですね。子育て中の女性医師もいますよ。病棟のみの勤務、日勤のみの勤務もご相談に応じています。また、山武市の奨学金制度を利用して医学部に通っている学生も3人いますし、看護学生の支援も行っています。」



2.地域医療連携室

 急性期病院は地域の病院との連携が欠かせないが、さんむ医療センターでは特に相談業務に積極的に取り組んでいる。

「地域の開業医さんとの連携はもちろんですが、当院の場合は拠点病院からの患者さんの受け入れも多いですね。脳卒中などで拠点病院で治療を終え、当院に来られた患者さんをいかにスムーズに在宅にお帰りいただくのか、地域医療連携室を中心に考えています。心臓病や悪性疾患などの当院では完結できない疾患は他院にご紹介しますが、そのあとで在宅に帰すためには患者さんやご家族の悩みごとをお聞きしなくてはいけません。そういった相談業務は大切ですね。ただ、当院の施設の中で様々なものが動くようなシステムを作り、オールインワンを目指したいと思っています。今後は地域医療連携室の機能を高め、訪問看護ステーションも強化型の指定を取りたいですし、地域包括ケアを充実させていきます。」



3.臨床研修病院

 さんむ医療センターは協力型の臨床研修病院である。現在、千葉大学医学部附属病院と千葉メディカルセンター(旧 JFE健康保険組合川鉄千葉病院)の初期研修プログラムの「地域医療」を担い、10人もの初期研修医を受け入れている。

「郡部型の緩和ケアモデルを学びたい方には最適ですね。ぎょっとなるような茅葺き屋根のお宅にお邪魔することもありますので、勉強になりますよ(笑)。在宅での看取りなどをしっかり学んでいただいています。」

 また、さんむ医療センターは日本プライマリ・ケア連合学会認定家庭医療後期研修プログラムの認定を受けた「さんむ医療センター家庭医・病院総合診療医研修プログラム」を有している。さらに、亀田ファミリークリニック館山、安房地域医療センター、亀田総合病院の協力を得ており、千葉県内の地域医療事情に則した研修プログラムとなっている。

「当院は医療圏内で唯一のがん診療協力病院です。一般病棟はもちろん、緩和ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟を持ち、訪問看護ステーションを併設していますので、急性期から在宅までのシームレスな医療やケアを実践していただけます。」



4.今後の展開

 我々がしたい医療をするのではなく、地域のニーズに合った医療を行っていきます。ただ、ニーズと言われても規模の問題がありますから、シンデレラ城のような病院は無理ですね(笑)。地域の方が安心して来られる施設として、特に高齢者対策に力を入れる所存です。この地域は人口減で、医療ニーズは横ばい状態なのですが、介護ニーズが高まっています。当院には既に緩和ケア病棟と回復期リハビリテーション病棟がありますが、まもなく地域包括ケア病棟がオープンします。城西国際大学との提携で看護師の確保もしていきますので、訪問看護ステーションも強化型を目指します。
 病院の建て替えも検討中です。建替え後は急性期病棟のみならず、療養病棟も開設し、ケアミックスの病院に生まれ変わる予定です。

2015.05.01 掲載 (C)LinkStaff

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