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私たちは地域の皆様から信頼され、親しまれる病院をめざします
公立宍粟総合病院

病院の特色

1.産婦人科

 婦人科領域では良性、悪性腫瘍の診断と治療を行っている。子宮筋腫が最も多く、ホルモン治療をはじめ、内科的治療や子宮温存を目指した子宮動脈塞栓術を取り入れるなど、患者さんのニーズに合わせた治療を心がけている。
 子宮頸がんは、子宮温存を目的として、初期がんに対して治療効果の高いレーザー円錐切除術を行っているほか、卵巣腫瘍に腹腔鏡下手術を導入している。
 産科領域では、立会い分娩を勧めており、陣痛期、分娩、産褥期を過ごせるLDRを完備している。また、助産師外来、母乳外来などで、母乳育児を推進している。

「当院は内科、外科、産婦人科の専門医を取得できる施設なのですが、最も充実しているのが産婦人科です。産婦人科は常勤医師が3人いる体制で、分娩も年間400件から450件あります。この地域では飛び抜けて多いので、産婦人科を勉強したいというお問い合わせはありますね。」



2.外科

 山崎院長をはじめ、神戸大学循環動態医学講座呼吸循環器外科(旧第二外科)出身の医師が主に勤務している。消化器外科を中心に、呼吸器外科、内分泌外科、血管外科、救急外科の診療を行う。また、入院患者さんの栄養管理もサポートする。最近は内視鏡による切除術の発達により、早期の胃がん、大腸がんが減ったものの、症例としては増加傾向にある。特に大腸がんは増加している。潰瘍での胃切除がなくなってきているが、穿孔の腹膜炎症例では大網充填術を行っている。

 肝、胆、膵がんに対しても、積極的に手術を行っている。乳がんは乳房温存に加えて、放射線治療が標準術式になり、症例も増加している。胆石症も腹腔鏡下胆摘術が標準術式になってきている。虫垂炎は術前診断をしっかり行い、場合によっては抗生剤による保存治療で治癒する症例もある。ヘルニアの術式はメッシュなどによる人工物を使用した根治術が発達してきている。特に現在はダイレクトクーゲル法を第一選択で行っている。
一方で、透析患者の増加に伴って、内シャント術が増加している。

「私たちは胸部外科や腹部外科など、何でもできる第二外科の出身ですので、当院でも肺、血管、大動脈、消化器、乳腺など、何でもやっていたんですよ。でも、今の若い医師は当院に来た時点で、消化器しかできないとか、肺はしたことがないというような偏りがありますね。そういう人はそういう人なりの対応をしていますが、今は乳腺は姫路市の専門病院、肺も専門病院に送ることが多いので、当院では消化器が中心です。内視鏡に関しては外科医も担当しています。」



3.内科

 一般内科のほか、消化器疾患、肝臓疾患、糖尿病、血液透析などを行っている。消化器疾患では胃十二指腸潰瘍、胃がん、大腸がん、肝炎、肝癌、胆嚢炎、胆石症、膵炎などが多く、2012年は上部内視鏡が1455件、下部内視鏡が604件、ERCPが11件という実績だった。
 また、2010年度の血液透析回数は延べ15856回であり、糖尿病治療は2人の日本糖尿病学会専門医を中心に、糖尿病療養士、看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士、検査技師がチームを組んで、通常の外来診療や入院治療に加え、糖尿病教室や教育入院などを行っている。

「内科医師が高齢化しているのが悩みですね(笑)。しかし、内視鏡ができる医師が2人いますので、外科の医師と合わせますと、内視鏡の専門医が取れる施設になっています。内視鏡を中心にした消化器内科、糖尿病内科、透析もしていますので、腎臓の専門医もいますから腎臓内科が当院の特徴ですね。以前、総合診療科という名称にした方がいいのではというアドバイスをいただいたこともあるのですが、今は大学でも総合診療科の講座ができ始めていますので、当院が勝手に名称をつけるのはどうかと思っています(笑)。でも、実際は当院のような病院の方が総合診療科や総合内科という名前にふさわしい内容でしょうし、色々なことが学べるはずですよ。」



4.高齢者医療

 宍粟市の高齢化率は2013年で28.6%と、日本全体での24.1%と比べるとかなり高く、高齢化が進んでいる。そのため、公立宍粟総合病院では高齢者医療という観点が欠かせない。

「高齢化率は高いですね。したがって、整形外科や眼科がなくなると大きな打撃を受けてしまいます。これまでは病床利用率などを考えたこともない時代がずっと続いていましたが、整形外科や眼科がなくなると、この地域はきついです。ただ、今年2月から大阪医科大学のリハビリテーション専門医が週に1回、来てくれています。大阪医科大学の寄附講座の一環なのですが、これが安定してきたら、当院のホームページで紹介していく予定です。」

2015.04.01 掲載 (C)LinkStaff

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