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島原半島の二次救急病院
愛野記念病院

病院の特色


1.整形内科

 愛野記念病院の大きな特色の一つが整形外科である。長崎県内でも有数の整形外科の病院として知られており、手術件数は2000例を超えている。その中で貝田理事長が専門としている手の外科はこの25年間で扱った手の外科手術は約20000例、最近5年間は年間1000例以上の手術件数を誇り、全国2位の実績を挙げている。また、脊髄の専門医も2人に増員したため、脊髄手術も年間200例を超えるようになった。
 手の外科では骨折や脱臼、腱、靭帯、神経断裂などの外傷のほか、手指の痺れや運動障害を来たす末梢神経障害、切断された手指の再接着術、移植による機能再建などマイクロサージャリーを駆使した専門的な治療を行っている。
 マイクロサージャリーを駆使した切断指に対する再接着術は800例となり、生着率90%以上を有する。

 「手術が成功しても手の機能が回復しなければ意味がないので、術後のリハビリがとても重要です。現在、手のリハビリに携わるハンドセラピストという作業療法士が6人在籍し、高いレベルでの治療を行っています。」

 手術からリハビリまで一貫した治療を行うため、新病棟では手外科及びマイクロサージャリーセンターを開設した。

 「専門性を活かした病院としては非常に特色があるかなと思っています。手の症例だけでも、私の限界になるほどの症例が集まっています。手の外科の症例が1000を超えている病院は全国に6病院しかないのですが、私ども以外の5病院は全て大都市圏にあるんです。地方であっても確かな特色があれば、患者さんはいらしてくださるんですね。お蔭様で全国から注目され、取材などもよくお受けしています。」

 貝田理事長が手の外科を専門に打ち出したのはお父様の助言があったからだという。

 「父は早い時期に亡くなりましたが、地方でも特色のある医療をしないといけないと言っていました。私は大学病院に合計12年いたのですが、そのときの手術件数は150例足らずだったんです。それでも当時としては多い方だったんですよ。それから医療センターに手の外科センターを作り、年間250例から300例ぐらいの手術をしていました。そして、40歳でこの病院に帰り、特色として手の外科を打ち出したんです。学会発表にも積極的に取り組んでいます。」

 後期研修医や専門医を目指す医師の研修の受け入れも行っている。

 「徳島大学や京都大学といった大学からもいらっしゃいましたし、福岡からも非常勤という形で勤務した医師もいました。専門医を目指すにはいい施設ではないかと思います。これからも若い先生方のお役に立てればと願っています。」



2.内科

 風邪、腹痛などをはじめ、全ての内科的疾患に対応しているほか、血液、内分泌の病気にも対応している。

 呼吸器内科では、肺がん、肺炎、喘息、肺気腫などの慢性閉塞性肺疾患(COPD)、特発性間質性肺炎(肺線維症)、自然気胸、肺膜炎、肺血栓塞栓症などの疾患が多い。また、睡眠時無呼吸症候群の診断や在宅治療も行っている。

 循環器内科では心電図、心エコー、心臓CT、心臓カテーテル検査を用いて、一般的な循環器疾患のほか、一般虚血性心疾患の診断、治療を行う。

 消化器内科は上部、下部内視鏡をはじめ、カプセル内視鏡、経鼻内視鏡など、充実した医療を展開している。

 糖尿病内科では全体の9割が2型糖尿病であり、1割が1型糖尿病であるが、ほかの原因による糖尿病や糖尿病予備群の診療を行う。

 「糖尿病合併症の早期診断、治療を他科との併診で行っています。診断には頸動脈エコー、血圧脈波検査、脳MRI、MRA、CTなども活用しています。また、患者さまへの教育や自己管理のサポートも行っています。」

 リウマチ・膠原病内科では関節リウマチ、膠原病などの免疫系の異常で起こる病気の診療を行う。関節リウマチの診断、抗リウマチ剤での治療に加え、最新の生物学的製剤治療までカバーしている。整形外科と連携して、手術やリハビリまで、幅広い治療に取り組んでいる。

 「このほか、心療内科も開設しています。心身症が主な対象で、病気を身体だけでなく、心理面、社会面をも含めての関係性を総合的、統合的にみて診療しています。」



3.外科

 消化器外科疾患に対して、開腹、腹腔鏡手術を行っており、虫垂炎や胆石症に対しては新たに単孔式腹腔鏡手術も取り入れた。また、専用治療室での抗がん剤加療、漢方で治療する痔外来、マンモグラフィーを配備した乳腺外来も行う。

 「検診にも力を入れていますが、予防から看取りまでという意味では緩和ケアも行っています。私どもの緩和ケアチームは歴史もありますし、とてもしっかりしていて、患者さんも多いんですよ。地方は労働人口が少ないうえに、働き手が在宅介護に取られてしまうと、家業との両立が大変な状況になってしまいます。在宅医療への今の政策は働き手の少ない時代にマッチしているのか疑問ですね。」

2014.12.01 掲載 (C)LinkStaff

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