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~とんがった病院を目指して~
伊賀市立上野総合市民病院

運営・経営方針


1.運営・経営方針


◆公的病院としては多くの診療科に対応できることを求められると思われますが、医師不足と言われる科目への対応についてはいかがでしょうか。

 小児科については常勤医師が3月から赴任していますので、入院対応もできています。産科に関しては地域に大きな産科の病院が2つありますので、そこで対応していただいて、当院では婦人科のみ対応しています。この点では麻酔科医も2名在籍しているので、充実していると考えています。



◆上野総合市民病院が地域で担う医療はどのようなものですか。

 三重県では病病連携や機能分化の仕組みがしっかりしており、それぞれの病院で担うべき役割を明確にしています。このように地域の中で連携をとり、必要なところに必要な資本の集中を行うようにしています。



◆現状において、まだ不足と感じておられる点や必要だと感じていらっしゃるものは何でしょうか。

 救急の患者さんに関しては自己完結したいですね。また、がん患者さんは高齢者の方が中心ですので、ほかの疾患を併発されている方も多くいらっしゃいます。そういった、がん以外の生活習慣病に対応できることを目指しています。例えば、糖尿病や呼吸器疾患、循環器疾患などを充実していきたいと考えています。



◆今後、さらなる充実を図るうえで、何が最も重要であると考えていらっしゃいますか。

 やはり人的なものの充実が重要ですね。実はハードの面に関しては現時点でかなり充実しているので、新たに揃えるものはあまりありません。例えばPET‐CTも2台あり、アンギオも最新のものがあります。電子カルテも完全クラウド型なので、外部からでも診療できます。将来的には遠隔医療も考えています。災害拠点病院でもあるので、災害の現場で診療ができます。



◆改革の行程はほとんど進んでいますか。

 あとはそこへ参加したいという人を集めるところですね。受け皿はできてきたので、そこへ「やりたい」という人が集まれば、「バン」とできます。去年10月ぐらいから人が集まる様になってきて、医師も5人増えました。新しいことを常に考え、柱をしっかりと建て、「これをやるんだ」というものを出すと人は集まってくると考えています。わかり易く見える形にしなければいけないと考えています。



◆医師にとって魅力ある病院とはどのような病院でしょうか。

 医師としての能力を活用できる病院、やりたいと思うことが実現できる病院ではないでしょうか。私は医師のリクルートも直接、行っているのですが、「こういうところに、こういう部門があるんだけれど、参加しませんか」と誘うと、「是非」と言う医師も増えてきました。5階のフロアに関してはこれからの部署なので、色々な可能性があります。新しいものをやりたいという意欲のある医師にとっては、やりたいことができるチャンスがあります。私が申し上げるのは恐縮ですが、やる気がある人にとっては多くのことができるチャンスのある病院です。



◆院長先生ご自身が伊賀市立上野総合市民病院に赴任を決められた理由は何ですか。

 最初に来たときは大変な状況だったのですが、ぱっと見た瞬間にポテンシャルのある病院だと思いました。例えば、検診センターにはPET-CTが2台もありましたし、設備も豊富です。当初は人員不足で、5つの病棟のうち2つしか開いていなかったのですが、徐々に人員が増えて、現在は3病棟です。来春には4つ目が開きます。頑張ったら、頑張っただけ患者さんが来る病院であると分かったので、赴任を決めました。



◆勤務されてみて、伊賀市立上野総合市民病院の誇れるところはどこだと思われましたか。

 何より可能性があるところです。また、症例が豊富なことですね。頑張れば、症例はいくらでも増えます。職員も当初は辛い状況にありましたが、環境さえ整えばものすごくできるだろうと信じていました。病院にもポテンシャルがありますが、職員にもポテンシャルがあると思っています。3年半の間に確実に良くなりました。



◆伊賀市立上野総合市民病院にとって必要とされる医師はどのような医師でしょうか。

 スペシャリストですね。もしくはスペシャリストになりたい人です。やはり向上心を持ち続けることが大事だと思います。私は外科医ということもあり、赴任した時に2人の外科医をがん研有明病院に研修に行かせました。もちろん外科だけではなくて、全ての診療科においても勉強してほしいです。チャンスは積極的に提供します。



◆医師に対してのサポート体制について、お聞かせください。

 専門医や指導医の取得を確実に行えるように環境を整えることです。2014年の秋には日本内科学会の教育管理施設になれそうなんです。そうすると、若い医師が来ても、ここで学んだことが業績で残るので、資格の取得に役立ちます。次のステップアップができる体制を整えなければならないと考えています。



◆マネージメントする立場として、重要視されていることはどんなことでしょうか。

 分かりやすくすることですね。当院の看護師の制服の色は白ではなく、紺色なんです。私は昔、イギリスの病院で働いていたのですが、イギリスの病院では紺色でした。ロイヤルブルーの国という面もあるのでしょうが、私のイメージでは紺色は知的な色です。イギリスの看護師さんはすごく威張っているというか、権威があります。自分の仕事に誇りを持っているため、医師相手でも堂々とディスカッションします。当院の看護師さんにもそのようになってほしいですね。看護師さんもイギリスに研修に行っていただけるようにしていますが、希望者は結構いますよ。帰ってくると全然、違いますね。イギリスへの研修に関しては研修医にも行っていただけるように、グラスゴー大学と提携を結んでいます。イギリスはなかなか受け入れが難しくて、「一見さんお断り」なんですが、研修を頑張ってくれたら、最後の1カ月間に行っていただけるようにしています。この海外研修は給料が出ている状態で行けるので、ものすごく経済的ですね。モチベーションを高めていただくための工夫を常に考えています。



2.今後の展開


 病棟を100%オープンすることです。そして、全ての病棟を患者さんで一杯にすることです。

2014.10.01 掲載 (C)LinkStaff

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