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やさしい医療・うそをつかない医療の提供で地域社会へ貢献
新葛飾病院

病院の特色

1. 内科・循環器科

 糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病、慢性腎臓病、慢性腎不全の診療を中心に行っている診療科である。
 心エコー、24時間心電図、運動負荷テスト、動脈硬化の判定のための脈波、血管エコーなどの検査も非常に多い。
 人工透析器、人工呼吸器などの諸機器が充実し、24時間対応を行っている。
 「クリニックを併設していますので、患者さんは多いですね。非常勤医師も活躍しており、糖尿病などに幅広く対応しています。多疾患を合併していることが多い高齢の患者さんが少なくありませんので、慢性心不全などの循環器疾患も、泌尿器科、消化器内科、整形外科、心臓血管外科といった他科との協力のもと、経験の深いスタッフが最新の医療が行っています。」


2. 消化器内科

 採血、検尿、X線検査などの一般検査のほか、上下部内視鏡検査、腹部超音波検査など数多くの検査を手がけている。
 ヘリコバクター関連萎縮性胃炎の除菌療法には事前の内視鏡検査が必須であるが、新葛飾病院では診断基準を満たしたヘリコバクター感染症に対し、セットに除菌療法を行っている。
 また、慢性ウィルス性肝疾患に対し、インターフェロンや核酸アナログ製剤を駆使した治療を行っている。MRCPを導入し、胆管拡張症、膵管拡張症、胆石、総胆管結石、胆管がん、膵臓がんなどの早期発見のほか、肝細胞がんの早期発見、治療にも取り組む。
 「オリンパス製のEVIS LUCERA290シリーズを導入しました。通常観察に加え、拡大検査、NBI検査ともに大幅に画質が向上し、より正確な診断が可能となりました。他院に修行に出ていた吉野信哉部長が帰任し、内視鏡治療が活発になっています。地域の医療機関との連携が厚い診療科です。」


3. 外科

 消化器内科が充実してきたため、消化器外科の手術数も増加している。対象疾患は幅広く、良性疾患であれば急性虫垂炎、鼠径ヘルニア、肛門疾患、胆石症、臍炎、腸閉塞、皮下腫瘤、自然気胸など、悪性疾患は食道がん、胃がん、大腸がん、膵胆道系腫瘍、消化管GIST(間葉系腫瘍)、後腹膜悪性腫瘍などとなっている。
 「腹腔鏡手術は低侵襲で、患者さんにとって負担が少ないので、私どもでは積極的に取り入れ、患者さんの早期の社会復帰を目指しています。私どもでは胆嚢摘出術、虫垂切除術、胃部分切除術、鼠径ヘルニア、人工肛門造設術などを単孔式腹腔鏡下手術で行っています。現在は月に15例程度ですが、IMS(イムス)グループの板橋中央総合病院から全面的なバックアップを受けています。医師同士の交流も盛んですよ。」
 外科では後期研修医の受け入れも行っている。日本外科学会のほか、日本消化器外科学会、日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会の関連施設(親施設は板橋中央総合病院)として認定を受けているので、新葛飾病院での診療実績が専門医の取得のためのカウントとなる。


4. 心臓血管外科

 吉田院長が着任以来、部長を務めてきた診療科である。2008年にイムス葛飾ハートセンターが開設したため、心臓外科をハートセンター、血管外科を新葛飾病院で診るようになり、線引きがすっきりとしてきた。
 「私はハートセンターの総院長でもあり、両方の病院で診ています。分離後は医師の行き来もスムーズになり、それぞれの役割が明確になりましたね。」
 新葛飾病院の心臓血管外科で中心となっているのは下肢静脈瘤の治療、閉塞性動脈硬化症、重症下肢虚血肢に対する総合的な治療、透析用シャント増設やシャント不全に対するシャントPTA(経皮的血管拡張術)などである。患者さんの負担にならないよう、小切開低侵襲手術を心がけ、下肢静脈瘤の治療はレーザー治療、静脈瘤切除、静脈瘤抜去術を行う。
 閉塞性動脈硬化症に対する手術は、技術的に困難と言われている膝下の末梢動脈に対しても自己静脈を用いたバイパス手術を積極的に行っている。血管内治療はイムス葛飾ハートセンターと密接な連携のもとで行う。
 「2012年の手術実績は456例、このうち下肢静脈瘤が224例、ASOが82例、このうち膝下のバイパスが21例、シャントが48例という件数でした。これは全国でもトップクラスの数字であり、新葛飾病院は新体制発足直後の1年間で、静脈・リンパ管疾患手術症例数では全国4位・都内1位、閉塞性動脈疾患の外科的手術症例数は、小倉記念病院、旭川医大につぎ全国3位、都内1位(DPC(診断群分類包括評価制度)対象病院実績 2012年4月~2013年3月退院患者の統計)という成果を挙げています。来年度は日帰り手術センターも設立予定です。」
 また、糖尿病の患者さんや透析患者さんの増加に伴い、急増しているのが重症下肢虚血肢であるが、新葛飾病院では血管内治療から専門看護師によるフットケアまでを行う。肢切断が必要な場合には整形外科とのカンファレンスを行い、常に患者さんにとって最善の治療を目指している。


5. 整形外科

 1日の外来患者数は60人から130人、1日の平均入院患者数が50人と、規模の大きい診療科である。2012年12月に新葛飾人工関節センターを開設し、人工膝関節置換術、人工股関節置換術、人工骨頭置換術などを行っている。
 「近年、特に人工関節置換術の件数が増加傾向にあります。さらに信頼性の高い膝や股関節の治療を提供させていただくために、人工関節センターを設立したのです。リハビリテーションや患者さんの術後サポートにも力を入れています。理学療法士、作業療法士が合わせて22人在籍していますが、コメディカルスタッフとのコミュニケーションも良好です。他院の医師の見学も増えています。」
 整形外科では、主に股関節、膝関節、足関節、足部といった下肢の手術に重点を置いて治療しているが、骨折などの外傷や神経、腱の手術は上肢、下肢の区別なく行う。2012年度の手術実績は623例で、このうち人工関節置換術が62例、大腿骨人工骨頭置換術が70例、観血的整復固定術が232例、関節鏡視下手術が39例などとなっている。
 「2003年に板橋中央総合病院から濱裕副院長が着任し、現在は5人体制で診ています。信州大学出身者が多いですが、学閥などではありません(笑)。整形外科に限らず、どの診療科の医師もフレンドリーですし、大学の垣根はないですよ。整形外科治療の基本姿勢は一つの疾患に対して、個人個人の症状、年齢、生活様式、患者さんの希望にできるだけ即した治療を選択して加療するということにあります。できるだけ多くの治療方法を患者さんとともに検討しています。」

2013.12.01掲載 (C)LinkStaff

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