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やさしく良質な医療を
医療法人社団 葵会 千葉・柏たなか病院

運営・経営方針

1. 運営・経営方針

 千葉・柏たなか病院の強みは葵会グループの傘下にあることで、経営面をグループに任せ、医師が診療に専念できることにある。それでも、谷山院長はプレイングマネージャーとして、リーダーシップを発揮している。

 「どういう病院づくりをしたいのかという理念を常に念頭に置いています。私は患者さんに優しい病院が理想です。ほかの仕事もそうですが、医療はやはりサービス業なんですね。千葉・柏たなか病院に行くと和むとか、行きやすいと言っていただけると、嬉しいです。確かに、今の建物は古いですが、新しければいいというものでもありません。優しさのうえに良質な医療を行っていきたいです。ほかの病院に負けない強みを追求するよりも、一人一人の患者さんに対して、ベストな医療を行う努力をしています。」

 千葉・柏たなか病院では職員教育にも力を注ぎ、安全対策委員会や感染対策委員会では年に数回の講習会を実施している。


2. 医療連携

 千葉・柏たなか病院では柏市の二次救急を応需しており、地域の医師と顔の見える連携を築いている。また、救急災害対策も行っている。

 「私はがんセンターの東病院から移ってきましたので、もともと地域の開業医の先生方を存じ上げていたんです。がんセンターでは一方的に紹介を受けるだけでしたが、当院に来てからも『がんセンターにいた先生だ』と覚えてくださっているようですね。お蔭様で、消化器外科分野では80%ほどの紹介率がありますし、がんの患者さんはほぼ100%となっています。」

 しかし、他科に関しては地域連携は十分ではない。

 「私どもは東葛地域にある葵会グループの医療施設の急性期患者さんを診ることが使命です。急性期医療を行う病院が存在することは慢性期の病院や施設にとっては知らない病院に転院させるよりも安心感をもたらします。地域医療連携室がうまく機能しており、柔軟に融通できますので、アットホームな関係なんですね。真夜中の急変を『院長、お願いします』と言われることもありますよ(笑)。基本的にはお断りはしない方針です。ただし、地域連携については改善の余地があります。新病院になって規模が大きくなれば、キャパシティも広がりますので、地域医療にも邁進していきたいです。」

 また、柏市医師会での活動も重視している。このほど、柏の葉キャンパスの中にある東京大学高齢社会総合研究機構が柏市、UR都市機構と連携して、柏市豊四季台地域高齢社会総合研究会を立ち上げた。これは進行する急激な都市高齢化に対応し、誰もが安心して元気に暮らすことができる街づくりのあり方を検討し、その具現化を推進する研究会である。UR豊四季台団地の建て替えや訪問介護や遠隔医療といった医療問題などについて研究活動を行っているが、千葉・柏たなか病院もその研究会のメンバーとなっている。

 「柏市内の10病院が揃って参加しています。在宅医療を始めた場合の急性期の患者さんの受け入れ先となるための研究をしていますが、私どもとしては研究会の理念には大賛成ですね。会議で、ほかの病院の院長先生方にお会いし、いい関係を築けていることも有り難いです。様々な意見が出ますが、まとまりの良いチームですよ。」


3. 今後の展開

  現在の病院は築40年を超え、耐震構造の面でも老朽化していますので、新築移転を行うことになりました。新病院は166床に加え、千葉県からの増床許可による100床がありますので、最低でも266床でオープンしますが、私どもとしては300床を見込んでいます。新病院では救急医療を充実させます。脳神経外科での脳出血や脳梗塞治療、循環器科での心筋梗塞治療を行っていくため、ICUを完備させます。今後の超高齢化社会に備えるために、老健施設も併設します。さらに、看護師育成のため、看護大学か看護学校の開校を検討中です。

2013.09.01掲載 (C)LinkStaff

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