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愛を原理とし、秩序を基礎とし、進歩を目的とする
社会医療法人 きつこう会 多根総合病院

病院の特色

1. 日帰り手術センター

 特に日帰りでは難しいと言われる胆石や鼠径ヘルニア、下肢静脈瘤など、多根総合病院ならではの取り組み。鼠径ヘルニアではクーゲル法も。また、最近は乳がんも日帰り手術が可能です。
 今の日本の医療下では、DPC導入後はじめから入院日数を決めてしまっている病院がほとんどで、健康な若い人でも、合併症のあるお年寄りでも同じ入院日数に設定しています。
 日帰り手術センターでは、基本的に食事ができる方には痛み止めの薬を持って帰ってもらって、病院で安静にする代わりに自宅で自己管理をしていただくので、日帰りでの手術治療が可能なのです。
 ですから、入院の煩わしさもなく、日常生活のリズムを変えることなく治療ができることが最大のメリットです。また、入院費用も発生しませんので医療費も安価で済みます。 当院丹羽院長は日本短期滞在外科手術研究会において、常任幹事を務めております。
 日帰り手術専門のDSコーディネーターが、患者様への説明はもちろん、安心して手術を受けていただけるようサポートいたします。DSコーディネーターとは、術前から術後まで患者さまとそのご家族が安心、かつ安全に短期滞在手術を受けていただくためのキーパーソンとなる看護師です。
 日帰り手術センターにおける2011年3月までの主な手術実績は、外科における日帰り手術実績(6,663件)泌尿器科における日帰り手術実績(2,047件)整形外科における日帰り手術実績(737件)内科・婦人科・耳鼻いんこう科・形成外科における日帰り手術実績(251件)です。

 

2. 急性腹症科の新設

 2011年3月2日より新病院に移転するとともに全国に先駆けて「急性腹症科」を立ち上げ、可能な限り低侵襲にて急患の腹痛に対応していく。
 2010年手術症例数1092例のうち急性腹症疾患手術は184例におよび、割合としては17%にのぼる。また、大阪大学消化器外科教室関連病院としては、2009年度892例から、2010年度には1068例と増加してきている。そうした背景もあり、当科では、患者にメリットの大きい低侵襲手術である鏡視下手術を待機・緊急手術に問わず、積極的に導入している。
 現在、大学病院や国公立病院などの外科では悪性疾患手術がメインであり、救急で取り扱われることの多い急性腹症疾患は片手間に行われている現状がある。一方さ急性腹症疾患に対し、「とりあえず救命だけできれば良し!」と考えている外科医が多いこともあり、今回「急性腹症科」を新設した。
 開腹手術症例の半数以上に対し、鏡視下手術を施行。手術が難しい急性腹症疾患にも低侵襲手術として導入が可能で、特に夜間においても鏡視下手術を行える病院は少ないのが現状である。全国的にも有名な「多根総合病院 日帰り手術センター」のノウハウを活かし、早期退院にも対応していく。
 スタッフは、外科・消化器科 総勢14名と豊富であり夜間の緊急にも十分対応可能である。

 

3. 高精度放射線治療センター

 大阪市西部地区に不足しておりましたがん治療の充実をはかり、更なる地域医療に貢献したいという思いから多根総合病院では新たに放射線治療科を開設しました。2011年夏頃、始動の予定です。
 当センターは、充実したスタッフ(常勤放射線治療認定医2名、医学物理士、放射線治療品質管理士、第一種放射線取扱主任者などの資格を有する放射線治療専門技師、専従の看護師)を揃え最新の放射線治療装置「ノバリス‐Tx」を導入し、正確で副作用の少ない放射線治療を目指します。
 ノバリス-Txは回転IMRT(強度変調放射線治療)をはじめとし脳定位放射線治療、体幹部(肺がん、肝臓がん)定位放射線治療照射から、従来行ってきました通常照射まで行うことが可能。特に脳腫瘍では専用固定具システムと位置精度照合システムの併用で痛みを伴わない定位照射が可能です。
 平成22年度の改定にてIMRTの保険適応は「限局性の固形悪性腫瘍の患者」とすべての種類のがんが対象となりました。当院では、脳腫瘍・頭頸部腫瘍・前立腺などをはじめとして、全身の病気に対して個々の患者さんの状態に応じてIMRTの適応を考えていきます。

 

4. 内視鏡センター

 内視鏡検査は受けたくない・・・でも多根病院なら受けてみるか!と評価して頂けるよう努力しております。内視鏡検査は、多少ならずとも苦痛を伴う検査ですから、患者さまの気持ちに寄り添い、技術的かつ精神的にも支援し、苦痛と不安を少しでも和らげることを心掛けています。
 大腸内視鏡検査への不安を少なくまた、苦痛を少なくするため、内視鏡挿入形状観測装置(UPD)を導入し、ループを作らない挿入を心がけています。ご希望の方には意識下鎮静法(conscious sedation)を用いた、さらに苦痛の少ない内視鏡検査も行なっています。上部消化管(胃カメラ)では、苦痛の少ない経鼻内視鏡も始めました。
 日本消化器内視鏡学会認定専門医と消化器内視鏡技師による検査ですので患者さまも安心して受診していただけます。

 

5. 救急科(ER)

 2011年3月、新病院開院となり、ER部門のスペースは放射線部門(CT、X線撮影室)を含め、約570㎡(床面積の約35%、旧病院ERの約8倍)となり、2次救急医療機関としては大阪府下最大級の規模となった。ストレッチャーは常時同時6台(うち1台は外傷センター)収容可能、保護観察ベッドは6床に対し、救急診察室は2室(うち1室は隔離室兼用)と比較的少なく、2次以上の救急に特化したセンターとして設計された。新病院の3階部分は隣接する京セラドーム大阪のデッキ(海抜約10m)へ接続されており、災害時には同じく隣接する、大阪市消防局、交通局と連動して、被災民の避難、救助、応急処置、トリアージの場としての運用が可能である。大阪市西部ブロックには災害拠点病院がこれまでなかったが、当院は2011年5月30日、大阪府下で初めて私立の災害拠点病院として認可された。
 各科横断的に適切なプライマリケア(初期診療)をすべての医師が提供できるように、また24時間365日、救急患者を断らないことを目標に掲げ、独自のERシステム(ホットライン脳卒中、循環器、救急MC、救急事務4系統)が稼働している。外来1時間以内のdispositionと専門各科、SCU(脳卒中集中治療センター)、CCU(冠血管集中治療センター)、GICU(一般集中治療センター)への即時連携を目指す。理想的な救急医療体制の実現に向け、中央検査部門、放射線部門も24時間体制で対応。今回新設された急性腹症科では、積極的に鏡視下手術を導入し適応があれば安全かつ低侵襲な緊急手術で市民の恩恵にあずかりたいと考えている(平成20年度医療資源実態調査で当院外科の救急応需件数は1位)。2004年から日本救急医学会専門医指定施設として更新認定されている。→臨床研修の話も伺ってみてください。また、メディカルコントロール体制発足来、MC参画病院として大阪市地域病院前救護体制の充実にも内外で貢献している。
 2008年度実績は次の通り。ER外来患者数16,779名、救急搬送件数5,184件、救急入院患者数3,572名、虚血性脳卒中357例(うちr-tPA)22例、全身麻酔緊急手術は、外科182例、脳外科73例、整外科62例、その他16例、緊急PCIは65例、OHCA88例(低体温療法年間5例前後、社会復帰例3例)。

 

6. 緩和ケア病棟

 高精度放射線治療センターも今夏には稼働を始め、緩和治療に必要な放射線治療も含めた幅広い症状コントロール、精神的、社会的サポートを目的とした病棟を目的とする緩和ケア病棟を新設しました。
 増加する悪性疾患に対する診断、治療とともに、残念ながら治癒を目的とした治療が有効でなくなった患者さまに対する全人的ケアの必要性が再認識されておりますが、まだまだ大阪市内での緩和ケア病棟の数は十分ではありません。
 当院の緩和ケアでは緩和治療に必要な放射線治療も含めた幅広い症状コントロール、精神的、社会的サポートを目的とした病棟を目的としております。救急病院の利便性を生かした緩和ケアを地域の在宅医の先生方とも協力し展開してまいります。

2011.6.1.掲載 (C)LinkStaff

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