ドクター転職ショートストーリー

コンサルタントに必要なもの(下)

2008年05月01日 コンサルタントK

 2日後、少々キツイ言い方をしてしまったかと反省しながらM先生に電話をかけ、一つ一つM先生の希望を明確にしていった。一般病院で外来を中心にやりたい事、当直は無いほうが良い、また北九州の自宅より車で1時間以内のところ、給与については二の次でとの事だったので、なんとか条件の合う病院を探し、ご提案した。

 「このB病院がお勧めです。ちょっと遠くにはなりますが、先生の希望が一番叶えられる病院ですよ!こちらの病院の消化器内科の先生がまだ若い先生なので、内視鏡検査の指導もして頂きたいとの事です。面接してみなければわかりませんが、最低でも当直無しで年俸1,500万円は出せるのではないか、と聞いております。M先生、面接に行ってみましょう!」と話をして、面接する日を決めた。

 面接当日は、病院近くのJRの駅で待ち合わせをしたが、病院との約束の時間まで少し間があったので雑談をした。私が「M先生に会いに行くのは平気だと言いましたが、やっぱり遠いですよ。週末に自宅に帰られるのは大変ですよね。」と言うと、「今日面接する病院が決まればそのようなこともなくなるね。」とまだ決まってはいないが楽しそうに話された。

 面接は思ったより、早く終了した。医局は違うが理事長と同じ大学であり、また共通の知人の件で話しも弾み、是非来て欲しいとの理事長の言葉があった。条件面では交渉して、当直無しで年俸1,600万円まで上げてもらった。M先生は即答を避けられたが、おおむね満足なご様子であった。

 面接翌日、M先生の気持ちを聞くべく電話をした。「B病院へ行きますが、今すぐ病院を辞めるわけにはいかないので、あと3ヵ月後になります。当分は4時間ドライブが続きます。」との返事であった。

M先生はその後このような話をされた。「Kさん、あなたが最初にお会いしたときに私に指摘された事は、図星だっただけに堪えましたよ。確かに安易に病院を決めたのは自分なので。それで今度は自分のプライオリティをはっきりさせて、病院を選ぼうと思いました。」

決してM先生を非難するつもりではなかったことをお詫びしたが、「それがよかったんですよ!」と明るく話された。
5月よりM先生はB病院にご入職される。すでに引越しもされ、大切なご家族の元に戻ることが出来、大変満足げなご様子だ。

この一連の事で、コンサルタントは、先生の病院への転職を応援することだが、アドバイスだけではなく、時には先生に対して毅然とした態度で臨むことも必要だと思った。
今後のM先生のご活躍を祈念するばかりである。

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