ドクター転職ショートストーリー

女性医師の働き方

2004年10月01日 コンサルタントA

最近、30から40才代の女医さんにお会いする機会が圧倒的に増えている。彼女たちの悩みは、たいていの場合、仕事と生活とのバランスが上手にとれないといったことだ。
M先生もそのような女医さんの1人。卒後9年目の精神科の医師で、初めてお会いした時は関西にある某大学の医局に属し、そこからの派遣で某総合病院の医長を務めていた。第一印象としては、実にサバサバしていて、いかにも男社会の中で働いてきたというたくましさを感じる女医さんだった。しかしお話を聴くうちに、このような先生にも様々な迷いや葛藤があるのがわかってきた。先生には5年間交際している彼が東京におり、「苦悩の遠距離恋愛中!」だという。「35才までに彼と『花の結婚』をしたい。同時に、専門にしている労働者メンタルヘルス領域の仕事も続けていきたい。どうしたらよいものか……」と、将来に対しての不安が先行している様子。しかし、幸いなことにM先生は精神科指定医だけでなく、産業医の資格もお持ちだった。そこで、専門を生かす上でピッタリだと思い、企業での勤務をご提案した。

 先生のご希望にあった企業を探し始めて2週間後、ようやくK企業を見つけ出した。早速その人事担当者と面接したところ、先生は企業内におけるメンタルヘルスの重要性と役割の大きさにやりがいを感じて即決、その2ヵ月後上京することとなった。平日のみ週5日勤務で、収入は以前と同じ1000万円。決して高いわけではないが、やりがいが上回ったという。一方で、メンタルヘルスを診られる医師を希望する企業は多く、女性社員の多いK企業もその例外ではない。M先生のような理解のある女医さんは大歓迎と、大変感謝された。
様々な理由から、女医さんは男性医師と比べて一貫性のあるキャリアを作りづらく、人生の節目が訪れるたびに立ち止まり、迷うことが少なくない。そんなとき、先生の持つ強みを理解し、働き方への提案ができればと改めて感じたケースだった。

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