「医師として」 - R先生 青春の地で医師人生最後の恩返し（後）

面接当日、R先生は静かに、しかし力強く、自身の想いを語って頂きました。その言葉には、飾らない誠実さと、医師としての強い覚悟が溢れていました。事務長の懸念は、次第に薄れていきました。
「この先生なら、きっと病院に貢献してくれる。」
事務長の表情が変わりました。R先生の言葉は、理事長、院長の心にも響き、大逆転で採用が決まりました。

しかし、本当の戦いはこれからでした。
病院が募集をかけていた条件は、若い世代の医師に向けたものでした。
R先生も、年齢を考慮して条件が下がることを覚悟されていました。
「医師人生の最後に地域に恩返しをしたい」先生の想いを叶えるべく、私は事務長と力を合わせ、法人本部と何度も打合せを重ねました。
その結果、なんと！法人としては異例の定年前のドクターと同条件で契約を勝ち取りました。
さらに、社宅や帰省費用の支援もして頂けることになりました。

「まさか、こんなに良い条件で迎え入れていただけるとは…」
R先生の想定以上の条件だったため、凄く喜んで頂けました。
今回は、事務長の不安材料を面接時に払拭でき、法人本部との交渉の際に事務長が先生の味方になって頂けたことが勝因です。

「大学を卒業し、同級生はそれぞれの道を歩み、私は学生時代を過ごしたこの地でN病院に出会えたことは、運命だと感じています。成長した私で、地域に恩返ししていきます！！」
R先生から力強い言葉を頂けました。R先生の医師人生の最後になるであろう場所を見つけられたこと。それは、私にとっても大きな喜びでした。

R先生の、これからのご活躍を心からお祈りしています。