クリニックの窓

出井 知子院長

Dr.Sakamoto & Associatesともこレディースクリニック表参道

No, 1

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東京都渋谷区神宮前は原宿や表参道と呼ばれるエリアであり、中でも神宮前4丁目は表参道ヒルズや東急プラザ表参道原宿が建ち並ぶファッションの街となっている。年末年始はケヤキ並木のイルミネーションが美しく、多くの人が訪れている。東京メトロの表参道駅は銀座線、半蔵門線、千代田線が通り、各方面からのアクセスも良好だ。

Dr.Sakamoto & Associatesともこレディースクリニック表参道はその神宮前4丁目、表参道ヒルズの隣地に2008年に開業したクリニックである。Dr.Sakamoto & Associatesともこレディースクリニック表参道は産婦人科全般をカバーし、妊婦健診、更年期症状などを改善するアンチエイジングにも力を入れているほか、子宮頸がん、卵巣がんといったがん診療などにも幅広く対応している。また、英語を使えるクリニックとして、外国人の患者さんから信頼を集めている。

今月はDr.Sakamoto & Associatesともこレディースクリニック表参道の出井知子院長にお話を伺った。

出井 知子 院長プロフィール

出井 知子 院長

東京都中野区に生まれる。日本大学を卒業後、日本大学医学部産婦人科教室に入局し、日本大学医学部附属板橋病院で研修を行う。春日部市民病院、日本大学医学部附属板橋病院に勤務を経て、日本大学大学院に入学する。大学院と並行して、日本大学医学部附属板橋病院、駿河台日本大学病院(現 日本大学病院)、日本大学医学部付属練馬光が丘病院に勤務する。

大学院修了後に、厚生中央病院に勤務する。2008年に東京都渋谷区にDr.Sakamoto & Associatesともこレディースクリニック表参道を開業する。

日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医など。日本産婦人科医会、日本婦人科腫瘍学会、 日本癌治療学会、日本産科婦人科内視鏡学会、日本臨床細胞学会、日本人類遺伝学会、日本周産期・新生児医学、米国癌治療学会(ASCO)にも所属する。

開業に至るまで

医師を目指された経緯をお聞かせください。

母が病気がちだったこともあり、姉弟4人のうちの誰かが医師になってほしいと言われたことがきっかけです。私は3番目でしたが、成績が良かったからか、特に目をつけられていたようです(笑)。私としてもお母さんが大好きでしたから、家族を助けたい思いで医師を目指しました。残念ながら、母は若くして亡くなりましたが、遺志を継ぐことができたと思っています。

大学時代はどのような学生でしたか。

剣道を頑張っていました。中学に入った頃に何となく武道をしたくて、剣道部に入ったのですが、それからずっと剣道を続けています。大学生になったときはさすがに女子大生らしくということで、テニスや乗馬も考えましたが、やはり剣道を選びました。日大医学部では、範士八段の剣道家を指導者に招いていました。その素晴らしい先生のもとで、週に3回の練習に励み、大学在学中に四段を取得しました。アットホームな部活動でしたが、女子は私のほか、先輩が一人いるだけだったんです。女子の団体戦は3人制なので、2人で出るとなると、1人が負けたら、チームの勝ちはなくなります。ところが私と先輩は2人で勝ちまくり、大会で優勝したこともありました(笑)。

大学時代はどんなご趣味をお持ちでしたか。

剣道のほか、勉強もかなりしましたが、趣味は読書でしたね。小説を読むのが好きでした。また、飲み会でお酒を飲むのも楽しかったです。

専攻を産婦人科に決められたのはいつですか。

大学6年生のときです。5年生までは「心臓こそ医学の要」と考えており、循環器内科を目指していたのですが、産婦人科にポリクリに行ったときにビビビッと来たんです(笑)。産婦人科に呼ばれたような気がしました。産婦人科の内容は分娩のみならず、ホルモン治療や外科手術など、体力もある私に合っていると感じましたね。アカデミックな面からも惹かれましたし、がんの患者さんも多いことから、ゆりかごから墓場まで診られる科だと思いました。そこで友人にリサーチしたところ、「いい科を見つけたね。出井ちゃんに合ってるよ」という貴重な意見ももらったんです。ポリクリ後の追加の授業も循環器内科を選択していたので、心苦しいところもありましたが、産婦人科に決めました。でも循環器内科には大勢の同級生が入局しましたが、産婦人科には同期が3人しかいなかったんです。レッドカーペットが敷かれているようでしたね(笑)。同期が少ない分、分娩も手術も症例を稼ぐことができました。

日本大学の医局に入局されたのですね。

高校も日大系列でしたし、医学部にも高校からの同級生が多くいて、居心地が良かったんです。私は両親が医師ではありませんでしたから、コネクションもなかったですし、日大に入局し、附属の板橋病院でキャリアを積むことで、人脈ができていったように思います。

春日部市民病院にも勤務されています。

春日部市民病院は地域の基幹病院ですので、患者さんの数が非常に多く、外来がなかなか終わらないんです。子宮や卵巣の手術も多かったですね。すぐ上の先生でも10学年ぐらい離れていましたから、私はおマメのような存在で、丁寧にご指導いただきました。勉強になった2年間でしたね。

大学院ではどのような研究をなさったのですか。

卵巣がんの遺伝子研究です。がむしゃらに研究を進め、学会発表なども頑張っていました。このときについていた指導医の先生が今、私どものクリニックで理事長をなさっている坂元秀樹先生だったんです。学生時代の副担任も坂元先生でしたから、ご縁があったのでしょうね。

厚生中央病院にも勤務なさったのですね。

大学院修了後に6年ほど勤務し、医長になりました。厚生中央病院では分娩、手術、外来と目まぐるしく働きましたが、最も力を入れたのが腹腔鏡の手術です。ここで何千症例と経験しました。ほぼ病院に住んでいるような毎日でした(笑)。

勤務医時代を振り返って、いかがですか。

とにかく働き、勉強していました。最高で24回の当直をした月もあります。非常に充実した勤務医時代でした。

開業の契機・理由

開業の動機をお聞かせください。

厚生中央病院に勤務していたとき、姉が出産したんです。姪っ子がとてもかわいくて、生まれて初めて人を愛する気持ちになりました。私も子どもが欲しいと思うようになったときに、夫と出会って結婚し、出産したんです。子どもを産んでみると、やはりかわいいですし、医師を辞めようかと考えていたときに、坂元先生からクリニックを一緒に開業しようというお話をいただきました。坂元先生は別の場所でインターナショナルクリニックをなさっているので、こちらは私に任せてくださるということでした。そのようなタイミングで尊敬する坂元先生からお話をいただけたのは有り難かったですね。こちらでもインターナショナルクリニックを開業したいとのことでしたが、私は英語も話せますし、これまでの知識や経験を活かしていきたいと思いました。

では、ご自身で開業地を探されたわけではないのですね。

この場所は坂元先生がお決めになりました。新築のメディカルモールができるということで、坂元先生にご紹介があったようです。

開業地の第一印象はいかがでしたか。

いい場所だと思いましたよ。表参道は理由をつけてでも来たい街ですし、ここを嫌いな女性はいないでしょう(笑)。駅に近く、自宅から通いやすいのも良かったですね。メディカルモールのメリットは他科の先生方が近くにいらっしゃることにありますので、それも心強かったです。

開業までに、ご苦労された点はどんなことですか。

スタッフ集めに関しても、坂元先生の元同僚に来てもらったりしましたので、特にありませんでした。そのうちの2人が今も働いてくれているんですよ。

開業にあたり、マーケティングをなさいましたか。

していません。厚生中央病院は恵比寿にあり、近いですから、患者さんはそのまま私どもにいらしてくださると分かっていました。厚生中央病院は3時間待ちですが、私どもは長くて15分待ちなので、とても喜ばれましたね。最初から患者さんの数には困りませんでした。

医師会には入りましたか。

渋谷区医師会に入りました。産婦人科は人工中絶手術の指定施設になったり、区の子宮がん検診や妊婦健診などがありますから、医師会に入った方がいいですね。

開業当初はどのようなスタッフ構成でしたか。

常勤の助産師が3人、常勤の事務スタッフが1人です。坂元先生が以前から外国人の妊婦さんを診ておられたので、そこで同僚だったスタッフは英語ができました。その後もバイリンガルの助産師が入りましたし、非常勤の事務スタッフにしても、採用にあたっては英語必須と言っています。

医療設備については、いかがでしょうか。

手術室、検査室、回復室を作りました。設備はLEEP、超音波、心電図、酸素モニター、肺活量測定ぐらいでしょうか。内診台にカーテンがないのは外国人の妊婦さんの好みです。日本人の方にはカーテンのようなものを使いますが、カーテンがない方がいいとおっしゃる方も少なくありません。

設計や内装のこだわりについて、お聞かせください。

全くこだわりはありません(笑)。診察室は患者さんとお話をするので、少し暗めの照明にしたり、壁は白を基調にという程度ですね。

クリニックについて

診療内容をお聞かせください。

産婦人科、妊婦検診、アンチエイジング、HPVワクチンなどです。産婦人科領域は子宮内膜症や子宮筋腫、ピル処方、がんなど、何でも診ています。私は子宮頸がんの前段階である子宮頸部異形成を専門にしてきましたので、そうした患者さんも多いです。アンチエイジングは更年期のホルモン治療や漢方治療がメインですね。排卵誘発剤による不妊治療も行っています。また、助産師による助産師外来も開いています。

どういった方針のもとで、診療なさっているのですか。

患者さんのマイドクターでありたいということです。患者さんに寄り添う姿勢を常に持っています。患者さんがよく「婦人科に行くタイミングが分からない」とおっしゃるのですが、「これって、病気かな」と思う前に定期的に通院してチェックを受けるのがいいのです。風邪を引いたら、生理がおかしくなることもありますし、そういう世代の方々が気軽に相談できるクリニックでありたいと思っています。

患者さんの層はいかがですか。

20代から40代が中心です。場所柄、この近くでお勤めされている方が多いですね。お友達からの口コミもありますし、私どもで診察して、産婦人科の疾患でなければ、ほかの医療機関をご紹介しています。

どのような内容の検診を行っていらっしゃいますか。

アニバーサリー検診、子宮がん検診、卵巣がん検診、渋谷区のがん一次検診などです。アニバーサリー検診というのは子どもさんの誕生月などに、子宮頸がんと卵巣がんのセットで検診を受けていただくものです。直近の検診でも、いつ受けたか分からなくなる方が少なくないので、忘れにくい月を設定していただいています。そうした記念の月に身体を見つめ直してほしいという願いを込めています。

病診連携については、いかがですか。

セミオープンシステムに参加していますので、妊婦さんは日赤医療センター、愛育病院、東京都立広尾病院などに分娩予約ができ、出産ぎりぎりまでは私どもに通院していただいています。一方、がんの患者さんには日本大学医学部附属板橋病院、良性腫瘍の場合は日本大学病院、良性疾患は四谷メディカルキューブをご紹介して、腹腔鏡の手術をお願いすることが多いです。日大の系列の病院は知り合いの先生方ばかりですので、患者さんにもメリットが大きいですね。病院での治療が終わった患者さんはまた私どもに戻していただけるので、良い病診連携ができています。

経営理念をお教えください。

患者さんの利益を最優先して、患者さんの症状が良くなるように、色々なアドバイスをすることを心がけています。患者さんの利益を追求することが経営面での利益に繋がると思っています。

スタッフ教育はどのようにされていますか。

私どものスタッフは勉強熱心で、真面目で、優しい人ばかりなんです。私自身も患者さんに優しく接することをモットーにしていますから、全員が優しい気持ちで診療に携わっています。患者さんと一緒に泣いているスタッフを見ると、何て優しいのかと思いますね。新しいスタッフが入ってきたときにもとにかく優しい気持ちを持ってほしいと話しています。勉強会に関しては昼休みにミーティングを行い、新しい機械の説明やピルなどについて、レクチャーしています。患者さんからの相談に応えられるようになることが目的の勉強会です。

増患対策について、どのようなことをなさっていますか。

ほぼ口コミで、有料広告などもしていません。ホームページもこだわってはいないです。英語が使えるクリニックとして、予約も英語でできますから、外国人の方々の口コミが大きいですね。私どもでは保険会社のクレームフォームをその場で渡すのですが、これが好評のようで、旅行会社からのご紹介でいらっしゃる患者さんも多いです。

開業に向けてのアドバイス

私は開業初日に妊娠検査薬を買い忘れていたことに気がつきました(笑)。幸い、その日は必要ありませんでしたが、開業準備には細心の注意を払っていたつもりでも、こういうことはあるものだなと思いましたね。

開業してみないと、どういった患者さんが来られるのかが分かりません。開業前にあれやろうこれやろうと考えて、フル装備の設備投資をしても、使う機会がないこともありえます。専門を押し出すやり方もありますが、患者さんを診られないと意味がないので、大きく構えて開業することはありません。地域性を探りつつ、超音波一つから気軽に開業することをお勧めします。私がLEEPを購入したのは開業して3年後です。忙しい患者さんには日帰り手術は喜ばれますから、今は主流になっています。これには酸素設備や静脈麻酔が必要なのですが、勤務医時代に麻酔科で研修したことが役に立っています。

日常生活について

プライベートの過ごし方(開業後)

勤務医時代からすれば健康的な生活になりました(笑)。趣味は格闘技観戦で、中でも相撲とキックボクシングによく行っています。力士は全員好きですが、キックボクシングは那須川天心選手が好きですね。剣道も母校の道場で続けています。


タイムスケジュール

  • 勤務医時代
  • 現在

クリニックについて

概要

クリニック名Dr.Sakamoto & Associates ともこレディースクリニック表参道
院長出井 知子
住所〒150-0001
東京都渋谷区神宮前4-11-6
表参道千代田ビル地下2階
医療設備超音波、LEEP、酸素モニター、心電図、肺活量測定機、NST、電子カルテなど。
スタッフ8人(院長、理事長、常勤助産師3人、非常勤看護師1人、常勤事務1人、非常勤事務1人)
物件形態ビル診
延べ面積約14坪
敷地面積約14坪
開業資金不明
外来患者/日の変遷開業当初10人 → 3カ月後30人 → 6カ月後40人 → 現在40~60人
公式サイトhttps://tomokoclinic.com/

クリニック平面図

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