診療内容をお聞かせください。
整形外科と小児整形外科、スポーツ整形外科、リハビリテーション科を標榜しています。整形外科は膝、首、腰などの痛み、肩こり、腱鞘炎などの日常的な不調を診ているほか、骨折、脱臼、捻挫、肉離れ、打撲などの外傷やスポーツ障害も診ています。また、にんにく注射やプラセンタ注射なども行っています。
小児整形外科では小児の骨折、脱臼、捻挫、打撲、靭帯損傷、切り傷などの外傷に関する治療、股関節疾患、足部疾患、下肢疾患も診ます。
このあたりは中学生、高校生も多いので、部活動での怪我など、スポーツ整形外科も少なくありません。近隣の桐朋学園大学や桐朋学園芸術短期大学は楽器演奏やミュージカルなどの舞台芸術を専攻している学生さんが多く、演奏や舞台での外傷などで来院されることもあります。
リハビリテーション科は運動療法中心で、物理療法は私が最低限と考えることしか行っていません。
再生医療のPRP治療もなさっていますね。
PRPとはPlatelet Rich
Plasmaの略で、多血小板血漿療法のことです。血液中の血小板には組織修復を促進する成長因子やサイトカインなどの分子が多く含まれていますので、患者さんの血液を約50ml採取し、血小板を濃縮した血漿を作り、これを患部に注射します。これらの分子が組織再生や創傷治癒を促進させるので、痛みが軽くなるんですね。最近ではニューヨーク・ヤンキースの田中将大選手が右肘の靭帯損傷に対して、この治療を行ったことで、一般にも知られるようになってきました。テニス肘やゴルフ肘にも有用だとされています。
どういった方針のもとで、診療なさっているのですか。
常に真面目にやっていきたいと思っています。エビデンスに基づいた医療を確実に実行し、一方でできないことには無理に手を出さないことも心がけています。そして、技術が必要な診療に対してはきちんと研鑽を積みたいです。また、私は電子カルテばかり見ないことを心がけています。私どもでは紙の問診票を使わず、もう一つの診察室でメディカルクラークが入力した情報を使っています。私のいる診察室でも私が口頭で言ったことをメディカルクラークが入力しています。これは私がしたかった診療スタイルであり、開業後に実現できて良かったと思っています。
患者さんの層はいかがですか。
やはり小児の比率は高く、2割を占めています。スポーツ、芸能、音楽に携わっている若い方々も目立ちます。高齢の方も骨粗鬆症や変性疾患などでいらっしゃいますが、2割程度でしょうか。坂文種報徳會病院では90代はもちろん、100歳以上の患者さんもいらしたりしましたが、今の方が高齢の方の年齢層は低いです。
どのような内容の検診を行っていらっしゃいますか。
検診での推奨項目を作ろうという働きかけを行っているところで、二次検診の受け入れ可能な施設として医師会を通じて調布市と契約しています。
病診連携については、いかがですか。
紹介先として多いのは至誠会第二病院、東京慈恵会医科大学附属第三病院、東京都立多摩総合医療センター、東京都立小児総合医療センター、杏林大学医学部付属病院ですね。そのほかは慶應義塾大学病院、東京逓信病院、東京都済生会中央病院、野村病院、武蔵野赤十字病院、日本心臓血圧研究振興会榊原記念病院、東京都立神経病院、国立成育医療研究センター、関東中央病院、PICTORUみたかクリニックなどです。MRIの撮影では仙川脳神経外科クリニックに大変お世話になっています。
経営理念をお教えください。
必要なものをきちんと揃えつつ、リーズナブルに済むものはリーズナブルになど、設備投資を適切にと考えています。何にでも飛びついてしまって、結局は置きっぱなしということがないよう、ニーズや時代に合わせたリニューアルを行っていきたいです。
スタッフ教育はどのようにされていますか。
小児整形外科は特殊ですので、クリニック立ち上げ以前からトレーニングを始めました。スタッフへの勉強会は必須ですね。私が大学で行っていたような講義を行っており、スタッフに小児整形外科への親近感を持ってほしいと思っています。また、院内では知識と問題点の共有に努めています。朝礼の時間を使って、院内で起きている問題について話し、その進捗状況の「見える化」を行うようにしています。
増患対策について、どのようなことをなさっていますか。
ホームページぐらいです。今後は再生医療の患者さんに訴求できればと思っています。