一度失敗した眼科クリニック院長職に、もう一度挑戦できた理由

2026年4月5日 眼科医Y

突然の業務縮小――最初の転職は不本意なものだった

突然の業務縮小――最初の転職は不本意なものだった
眼科医として長くキャリアを積んできた私が、初めてイードクターにお世話になったのは数年前のことでした。当時は週1回の非常勤勤務をしながら、別のクリニックで常勤として働いていたのですが、そのクリニックが突然の業務縮小を決定。勤務を続けることが難しくなり、急いで転職先を探さなければなりませんでした。イードクターの担当コンサルタントにも相談しましたが、その時は私の希望に合う求人が見つからず、結局は別の紹介会社を通じて新しい職場を見つけました。それが、新規開設の眼科クリニックの院長職。「自分の理想の診療ができる」と期待に胸を膨らませての入職でした。しかし、そこで待っていたのは想像を超える厳しい現実だったのです。

院長なのに何もできない――孤立無援の日々

院長なのに何もできない――孤立無援の日々
新しいクリニックでの日々は、当初のイメージとは真逆でした。まずスタッフが定着しない。採用しても次々と辞めていき、私は診療の合間に受付や雑務までこなす羽目になりました。それだけではありません。開院から半年が経っても、患者さんは1日5人程度。地域に認知されていないのだから当然です。私は法人にホームページの作成や地域の医療機関との連携を何度も訴えましたが、一向に動いてもらえませんでした。そして追い打ちをかけるように、法人側から「半年経っても患者が増えないのは院長の力不足だ」と厳しく指摘されるようになったのです。ときには「責任を取れ」とまで迫られました。院長とはいえ雇われの身。集患やマーケティングは法人の責任範囲のはずで、入職時にも医業に専念する約束でした。しかし法人はすべてを私のせいにする。信頼関係は完全に崩壊していました。

奇跡のタイミングで届いた一本の電話

奇跡のタイミングで届いた一本の電話
ちょうどその頃、もう限界だと感じていた私のもとに、思いがけない電話がかかってきました。数年前にお世話になったイードクターのコンサルタントからでした。「近況伺いも兼ねて」と紹介してくれたのが、なんとまた眼科クリニックの院長職。あまりのタイミングの良さに、正直怪しみました。「どうして今このタイミングで連絡をくれたんですか?私が転職を考えているのを知っていたんですか?」と詰め寄ると、コンサルタントは笑いながら「先生のことはずっと見ていますから」と。思わず笑ってしまいました。「神様が助け船を出してくれたのかもしれない。大船に乗ったつもりでいていいですか?」。久しぶりの会話なのに、一気に距離が縮まりました。そして私は、現職での苦しみをすべて打ち明けたのです。

同じ失敗は絶対にしない――徹底的に確認した転職先の実態

同じ失敗は絶対にしない――徹底的に確認した転職先の実態
しかし、提案された求人は「新規開設の眼科クリニック院長職」。現職とほぼ同じ条件です。正直、二の舞になるのではないかと恐怖しかありませんでした。「少し考えさせてください」と一度は保留にし、それから矢継ぎ早に質問をぶつけました。法人の経営方針は?理事長の人柄は?新規開設の実績はあるのか?診療圏調査は?ホームページは作ってくれるのか?スタッフの採用・育成は誰がやるのか?集患施策は?前回確認しなかったことを、今回はすべて洗い出しました。コンサルタントは嫌な顔ひとつせず、一つひとつ丁寧に、私が完全に納得するまで何度でも回答してくれました。前職での辛い経験が私を疑心暗鬼にしていたのは自覚しています。それでも、その疑問の一つひとつが晴れていくたびに、心の重荷が少しずつ下りていきました。

失敗を経験した私だからこそ、次はうまくいく

失敗を経験した私だからこそ、次はうまくいく
すべての不安が解消されたとき、私の中に残ったのは「もう一度挑戦したい」という純粋な気持ちでした。前回の経験は確かに辛いものでしたが、おかげで「院長職として成功するために何が必要か」が明確にわかるようになりました。法人との役割分担、集患体制の確認、スタッフ採用の仕組み。これらを事前に確認できるのは、一度失敗した私だからこそです。新しいクリニックでは、前回とはまるで違う環境が待っていました。法人はホームページの作成から地域連携まで主体的に動いてくれ、スタッフの採用・研修体制も整っていました。何より、理事長が「先生は診療に専念してください」と言葉だけでなく行動で示してくれたのです。同じ「院長職」でも、環境が変われば結果はまったく違う。あのとき奇跡のようなタイミングで電話をくれたコンサルタントには、本当に感謝しています。一度の失敗で夢を諦める必要はありません。大切なのは、失敗から何を学び、次にどう活かすか。そして、信頼できるパートナーと出会えるかどうかです。