「良い求人があれば」の一言が、予想を超えた転職に繋がった話
きっかけは、たった1通のメール
転職を本気で考えていたわけではありませんでした。イードクターから届いた求人メールに、なんとなく返信したのが始まりです。電話でのヒアリングでも「現職に大きな不満はないので、良い案件があれば見てみたい程度です」と正直に伝えました。コンサルタントの方は、そんな温度感の低い私に対しても押し付けがましくなく、「何かあればいつでもご連絡ください」というスタンスで接してくれました。それから数ヶ月、定期的に連絡をくれる中で少しずつ信頼感が生まれ、ようやく対面での面談が実現しました。面談の場では、コンサルタントの方が私のこれまでのキャリアや日々の診療で感じていることを丁寧に聞いてくれて、自分でも気づいていなかった不満や希望が言語化されていくのを感じました。
現職への「なんとなくの不満」を言葉にして
面談で改めて自分の状況を整理してみると、実は気になっていることがいくつかありました。現職は自宅から近く、年俸1,500万円と条件面では恵まれています。ただ、症例数が少なく、指導医も不在で、内科医として学べる環境とは言えませんでした。日々の診療はルーティンワークに近く、「このまま5年、10年と同じことを繰り返していいのだろうか」という焦りが少しずつ膨らんでいました。専門医の取得も頭の片隅にはありましたが、今の環境では現実的ではないと感じていました。専門医を取るなら指導医のもとで一定の症例を経験する必要がありますが、そのためには環境を変えるしかありません。とはいえ、「条件は悪くないし、わざわざ動く必要があるのか」という迷いもあり、積極的に転職先を探しているわけではなかったのです。いわゆる「ぬるま湯」の状態で、危機感はあるのに行動に移せない。そんな自分にもどかしさを感じていました。
条件ではなく「環境」で提案された病院
コンサルタントの方が探してくれたのは、市内にある中規模のケアミックス病院でした。各内科の指導医・専門医が多数在籍していて、症例数も指導体制も抜群だという説明を受けました。事前にコンサルタントの方が直接病院を訪問し、事務長から症例数や教育体制の詳細を確認した上での提案でした。医師やスタッフの離職率が低く、見学時にはスタッフの爽やかな挨拶が印象的だったとも教えてくれました。ただ、年俸は1,400万円。現職より100万円のダウンです。正直、その数字を見た瞬間は迷いました。「経験が積める環境としては素晴らしいと思います。でも、今より減俸してまで動く意味があるのか。そもそも専門医資格を持っていない自分を受け入れてくれるのだろうか」――そんな不安を率直にコンサルタントの方にぶつけました。すると、こう聞かれたんです。「資格を取得した後、どんな病院で働きたいですか?」考えてみれば、資格を取り終える頃には50代。体力面を考えると、急性期病院ではなく、ケアミックスや療養型で腰を据えて働きたい。そう答えた瞬間、自分の中で迷いが整理されていくのを感じました。5年後、10年後を見据えたとき、今この環境に飛び込むことの意味が、はっきり見えてきたのです。
面接で感じた「ここで働きたい」という直感
面接は、院長や常勤医師の方々と和やかな雰囲気で進みました。形式張った質疑応答ではなく、雑談も交えながら互いの考えを率直に話し合えるような場でした。印象的だったのは、院長からの一言です。「資格ではなく、患者さんやスタッフを大事にしてくれる先生を求めています。内科の症例は豊富ですし、各専門医がフォローしますので、幅広い経験が積めますよ」その言葉を聞いて、胸のつかえが一気に取れました。資格がないことへの引け目や、年齢的な焦りを抱えていた自分に、「まずは目の前の患者さんに真摯に向き合えばいい」と言ってもらえた気がしたのです。同席していた常勤医師の方々も、「うちは教え合う文化があるので、遠慮なく何でも聞いてほしい」と温かく迎えてくれました。面接を終えた後は、本当に晴れやかな気持ちでした。迷いが払拭され、「ここで働きたい」という気持ちが自然と固まっていました。建物を出たとき、空がいつもより明るく感じたのを今でも覚えています。
誰もが驚いた、面接翌日の提示額
翌日、病院から正式なオファーが届きました。提示された年俸を見て、目を疑いました。1,750万円。当初の提示額から350万円以上のアップです。コンサルタントの方も驚いていましたし、病院の事務長さえも予想外だったそうです。院長が面接での印象をもとに、条件を大幅に引き上げる判断をしてくれたとのことでした。後から聞いた話では、院長は面接後に「ああいう先生こそ、うちの病院に必要な人材だ」とおっしゃっていたそうです。資格やスキルだけでなく、患者さんやスタッフに対する姿勢を評価していただけたことが、何より嬉しかったです。「そのように迎え入れてくださり、本当に嬉しいです」――そう伝えて、正式に入職を決めました。振り返ると、最初は「良い求人があれば」という軽い気持ちでした。しかし、コンサルタントの方が根気強く繋がりを保ってくれたこと、条件だけでなくキャリアの将来設計から一緒に考えてくれたこと、そして面接で直接病院の方々とお会いできたことで、想像もしていなかった結果に繋がりました。もしあの時、メールを返信していなかったら。面談に行っていなかったら。面接に踏み出していなかったら。どれか一つでも欠けていたら、今の自分はいなかったと思います。「まず会ってみる」。その一歩が、人生を大きく変えることもあるのだと実感しています。