医師の仕事・働き方・キャリアプランについて

皮膚科開業にかかる費用はどれくらい?

皮膚科の医師として働くことを考えたときに、病院などに勤める以外に開業を視野に入れることもあります。開業にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか。皮膚科は主に外来の患者を迎えますので、入院体制を整える必要はほぼありません。経営をうまくやっていければ稼げる確率は高いと言われています。また、開業した場合は自らが経営者となりますので管理能力も必要です。まずは開業するための費用を把握しましょう。

物件費用と設備費

物件費用と設備費

皮膚科を開業するにあたり、物件費用と設備費用がどのくらいかかるのかを予め調べておきます。まずは開業する場所を決めましょう。患者が病院を選ぶとき、その病院が通いやすいかどうかを気にすることが多いです。皮膚科の患者は老若男女問わずと幅広いですから、人通りが多く交通の便が良いところを狙ったほうが良いでしょう。ただ、アクセスがよくて誰もが通いやすい場所となればそれだけ土地代も高く、念入りに場所についての詳しい情報を集めて検討する必要があります。車を使わない患者も多いため、駐車場をどうするかも判断材料に加えます。土地や建物代はどこに建てるかによって異なりますが、約1500万円~2000万円は物件費用としてみておいたほうがよいでしょう。
開業するにあたり内装の工事費用について以外に、内装工事はいつから開始してどれくらいの期間がかかるのかも確認しておきます。通常であれば、家賃は開始したその月の日割り代と次の月の分まで請求されるものですが、内装工事が始まった日から日割りのカウントがされ、皮膚科が開院されてなくても工事の関係で家賃が発生するからです。オーナーへ支払う保証金については、何も問題なければ最終的に返金されますが、契約時に月々の家賃のおよそ半年分、もしくは1年分の金額を請求されることがあります。後日返金されるとはいえ多めに資金を準備しておくほうがよいでしょう。
設備費については、もし美容皮膚科などを診療内容にとりいれたい場合には高額な資金が必要です。レーザー治療の機器代などは単体で約1000万円以上かかります。美容皮膚科を売りにしていくのなら、内装も美容系に見合った作りやデザインにするでしょうから、美容皮膚科を取り入れる場合は設備費も通常のプラス3000万円以上はかかるとみておいたほうが、計画性があってよいのではないでしょうか。

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スタッフの人件費

皮膚科をうまく経営するために、優秀なスタッフを集めて勤務を続けてほしいと経営者は願うものです。個人クリニックを開業する場合、スタッフの人件費は約100万円~200万円必要です。開始直後は訪れる患者の人数の見込みがわからないなど先行きが不明であるため、開院時から全てのスタッフを常勤で雇ってしまうと、患者が万が一増えなかった場合に人件費がかかりすぎるという事態が発生します。初めの頃はパート勤務でスタッフを雇い、様子をみながら徐々に優秀なスタッフを常勤で雇用していくなどの工夫をしていけば問題ありません。患者の人数の様子を見つつ、同時にスタッフの能力も把握しておくなどして段々と経営をうまく発展させていきましょう。

費用管理がクリアできれば成功は近い!?

開業した医師が責任を持って経営を続けていく必要があるため、費用管理は徹底して行います。開業費用やその後の経営については、初めて開業に挑戦する人にとっては知識がないと難しく感じるでしょう。収支を日々記録して、今後の発展のためのバランスを考えて計画や修正をしていきます。念入りに勉強や下調べをしたものの、開業後に経営が安定せず続けていけなくなった例も中にはみられます。建物を建てる前に決めた土地は実際にどうだったかは、建てた後に開院してからわかるものです。詳しく調べたつもりでも、その周辺に実は病院が意外と多くあり、中には皮膚科もすでにあったという見落としもあるかもしれません。また、費用管理がクリアできているからといって油断は禁物です。経営状態がその後どのように変わっていくかなどわからない点がありますので、開業当時から機器代金に多くのお金をかけすぎないようにしたいところです。徐々に経営の様子をみながら、その時々に相応しい対応ができるように工夫をしていくようにすればよいでしょう。

2018.1.24 掲載
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まとめ

まずは物件費用と設備費用。立地や駐車場をどうするかも考慮したい

患者数の見えない初めの頃はパート勤務などでスタッフの確保を

開業当時から機器代金に多くのお金をかけすぎず、その時にふさわしい対応を