医師の仕事・働き方・キャリアプランについて

開業する?しない?決断を控えた医師が知っておくべきこと

このまま勤務医として働くか、それとも独立して開業医になるか、医師にとって非常に大きな選択です。開業するきっかけは医師によってそれぞれですが、これから独立しようと考えている医師にとって開業医がどういうきっかけで踏み切ったかを知ることは参考になります。ここでは、開業のメリットやデメリットなども踏まえ、医師が独立しようと考えるきっかけについてご紹介します。

医師が開業を決意する主なきっかけは?

医師が開業を決意する主なきっかけは?

同じ医師であっても、勤務医と開業医ではさまざまな側面で違いがあります。勤務医として活動を続ける場合、勤めている病院の方針に従わなければなりません。そのため、希望通りの職務が叶わない場合があるでしょう。また、ときには病院のオーナーとそりが合わないこともあるでしょう。病院のオーナーだけでなく、勤務医は多くの上司や同僚、部下とも関わっていかなければならず、人間関係の悩みを持つことも少なくありません。開業医になればこれらの悩みから解放されると考えて、開業を志す医師もいます。これ以外にも開業医を目指すきっかけは医師によってさまざまですが、上記のような「自分の診療スタイルを実現したい」「病院の人間関係が煩わしくなった」など、勤務医として活動するうえで抱える悩みが開業を考えるきっかけになることが多いようです。

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開業のメリット

開業医の一番のメリットといえば、やはり収入面で大きな利益が見込めるということでしょう。経営がうまくいきさえすれば、開業医は年収を大幅にアップさせることが可能です。頑張ったら頑張った分だけ収入として反映されるため、医師を続けるうえでの大きなモチベーションを培えるでしょう。また、たとえ勤務医と収入の額面が同じだったとしても、開業医はさまざまなことが経費で落とせるようになります。自家用車を往診に使うのであれば、購入費や維持費の何割かを経費に回すこともできます。そのため、相対的に見ても開業医は収入面で優位に立てるといえます。
もちろん、収入だけでなく、自分の好きなように診療できるという点も開業医の大きなメリットです。例えば診療時間は、自分の希望するライフスタイルや地域のニーズに合わせて自由に設定することができます。勤務医に比べてフレキシブルに診察を行っていくことで、地域の医療に貢献できるなど、やりがいの面でも魅力があります。

開業のデメリット

経営がうまくいけば大幅な収入アップを期待できる開業医ですが、病院経営はただ医師としての腕が高ければ成功できるわけではありません。そこにはマネジメント能力やクリニックの宣伝能力など、経営者としてのノウハウが必要になってきます。そのため、むしろ勤務医時代の方が収入的に恵まれていたということも珍しくないのです。患者からの訴訟や医療事故の責任もすべて自分で背負わねばならず、さらに一度開業したら簡単に移転や廃業することもできません。これらは大きなデメリットといえるでしょう。
また、資金の負担が大きいというところも見逃せません。開業医として長く続けていくためには、設備投資にお金をかける必要があります。医療機器の買い替えや建物の修理・修繕などにも費用を捻出しなければなりません。こうしたさまざまな雑務も、自分で処理しなければならないのが開業医です。こうしたデメリットにも考慮して開業を考えるようにしましょう。

開業成功は事前準備と慎重さがカギ

開業を成功させるためには、将来を見据えて計画と準備をきちんと整えることです。たとえ勤務医としての現状に不満があって独立したいと考えていても、安易に開業に踏み切るのは得策とはいえません。開業医には定年がない一方、独立すれば老後も見据えた計画が重要になります。何歳まで働きたいのか、開業したらどのような方針で診療をするのか、ひいては閉院や跡継ぎなど、実際に開業をする前にしっかりと考えておきたいところです。また、独立すればマネジメントやクリニックの宣伝も自分で行うことになります。そのため、自身の経営能力も成功するためには必要です。急いては事を仕損じます。安易に事を決めるのではなく、開業に向けて慎重に準備を進めていきましょう。

2017.12.20 掲載
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まとめ

勤務医として働くうえで抱える悩みが、開業を考えるきっかけになることが多い

開業は収入面で大きな利益が見込めるが、入念な準備が必要

マネジメント能力や宣伝能力など、経営者としてのノウハウも必要になる