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革新に満ちた医療への挑戦と新たなる組織価値の創造
社会医療法人北斗 北斗病院

 帯広市は北海道東部の十勝地方のほぼ中央に位置する人口約17万人の都市である。明治16年(1883年)に本格的に開拓が始まり、碁盤目状の道路網など計画的な市街地形成を行ってきた。また、農業を主要産業とする十勝地方(約35万人、1市16町2村)の中心地であり、農産物集積地、商業都市としての役割を担う。
  医療法人北斗 北斗病院は北海道帯広市に1993年に開設され、23診療科406床の病床数を持つ。またPETセンターを完備し、アジア太平洋地域では初めてトモセラピーを導入するなど、日本でも有数の医療機器設備を誇っている。
今回は鎌田一会長にお話を伺った。

◆鎌田一 会長 プロフィール

 1976年に札幌医科大学を卒業後、札幌市の中村記念病院に勤務する。1981年に群馬大学第一病理学教室(石田陽一教授)で脳腫瘍病理の研究を行う。
1982年に日本脳神経外科学会専門医を取得する。
1987年にアメリカ、カリフォルニア大学サンフランシスコ分校に留学し、脳腫瘍の分子生物学的研究を行う。
1993年に帯広市に 北斗病院を開設する。

 <病院の沿革>

 北斗病院は1993年 1月に155床で開設された。1995年には252床に増床し、機能回復センターカイラスが竣工される。さらに1997年には循環器病棟が増築され、病床数も274床になった。
 2000年に介護保険制度が始まったが、北斗病院でもその流れを受け、介護保険サービス事業所の開設に踏み切った。また2001年にあおぞら病院を合併し、現在は介護療養型老人保健施設あおぞら、あおぞらクリニックへと転換している。
 2003年には新館も開設し、合計で406床の病床を有するに至った。また、PETセンターも開設されるなど、北斗病院の歴史の節目となった年である。PETセンターではPET-CT2台、PET単独機1台が稼働している。
 「PETを導入したことで、予防医療センターが格段にレベルアップしましたね。検診の目的はがん、脳卒中、心筋梗塞などの疾患を無症状のうちに早期に発見し、治療に結びつけることですが、PETによって高度な検診が可能となりました。がんドックについては旅行会社さんと提携して検診ツアーを行っており、全国各地から検診にいらっしゃっています。」
 北斗病院は成長を続け、1日平均500人を超える外来患者さんを迎えるに至った。外来スペースも手狭になり、長い待ち時間も発生するようになった。そこで、そういった課題を解消するために2005年3月に北斗クリニックを開設し、外来機能を移管した。
 「クリニックでは2008年に標榜科目を14科目から20科目に大幅に増設しました。14室の診察室をご用意し、北斗病院同様の最新鋭の診断機器を配しました。待ち時間の短縮、アメニティの充実、患者さんのプライバシー保護、職員の接遇にも細心の注意を払っています。」

 2005年9月にはトモセラピーを導入し、治療を開始した。トモセラピーはCT内部に治療装置を組み込むことに成功した初の装置であるが、精度や高品質を保つために治療従事者にも高い専門性が必要で、治療開始までの準備が約1週間かかり、治療時間も1名あたり20~30分程度が必要となる。早期がんであればピンポイントの大量放射線により完治を目指すが、かなりの進行がんであっても生活の質を落とさないように必要量の放射線照射が可能である。がんの種類によっては手術や抗がん剤治療と組み合わせることでさらに強い効果が得られることもあるという。
 「2007年5月現在で既に300例以上の治療を行っています。症例は多岐に渡るため、現在は治療結果を蓄積している段階ですが、肺や、肺から転移した脳のがん組織が消滅するなど、良好な結果も得られています。」

 さらに2008年には北斗クリニックの整形外科・リウマチ科内に北斗関節センターを開設するなど、地域医療の充実に力を注いでいる。

 <病院の特徴>

1. 頭頸部腫瘍センター

 2009年4月から始動するのが頭頸部腫瘍センターである。これまで課題となっていたステージⅢ以降の頭頸部腫瘍の予後の改善に有効なのが前述のトモセラピーであり、視覚や嚥下機能の温存が可能になったという。
 「私どもは活動を開始してから16年が経ちますが、2007年度以降の方向性として人や設備をある程度システマチックにしたセンター化構想の実現に向けて動いています。脳卒中センターや心血管センターなどですが、がんに対しては全ての臓器に対応するというのは不可能なので、ある程度特化する形にならざるをえないですね。頭頸部腫瘍センターでは耳鼻科、眼科、脳外科、消化器外科、形成外科、放射線科、歯科口腔外科の7つの科が集ったチーム医療が実現します。将来的には消化器センターや関節センターと繋げ、緩和医療の展開を考えています。」

 

2. 北斗関節センター

 2008年7月に北海道道東では初となる北斗関節センターを開設した。急速な高齢化が進むとともに、変形性膝関節症や変形性股関節症といった関節疾患の患者さんも年々増加している。北斗関節センターではこのような膝・股関節治療の道東拠点としての役割が期待されている。
 医師は6人体制で、全員が関節疾患専門医である。人工関節、リウマチ外科、スポーツ整形、関節鏡視下手術など、下肢の関節疾患を主に治療してきた経験豊富な医師が集結している。各医師の専門性を生かし、人工関節手術やリウマチ外科、半月板損傷、靭帯再建術など、高度な手術にも対応可能である。
 微細に骨の状況を撮影できるフラットパネル型デジタルディレクタ(FPD)搭載の最新のレントゲン装置を導入し、精度の高い医療を提供するハード面の整備も行っている。
 また北斗病院にはリハビリスタッフが約70名と充実しており、術後のフォロー体制も整う。
 「手術時およびその前後においては、脳神経外科、循環器科、麻酔科との連携により、ご高齢の患者さんでも安全に手術を行えるよう万全を期しています。関節疾患は今後ますます需要が高くなることが予想されますが、専門的かつ最適な医療を提供していきます。」

  
 <運営・経営方針>

1. ユニット組織

 北斗病院には職種を横断的に組織した「ユニット組織」がある。この特徴は病院全体の組織を縦、横の双方向に組み替えるマトリックス組織である。
 「専門分野の遂行に関しては、多くの病院と同じようにタテ組織の運営で十分ですが、病院全体としての課題や多職種に渡る課題などについてはより発展的に対応する仕組みが必要と考えたんですね。」
 ユニットは、ユニットリーダーもユニットに参加するスタッフも全て立候補制を採っている。ユニットリーダーは事業の責任者として事業骨格をプレゼンし、一緒に活動するメンバーを募る。そして趣旨に賛同したスタッフが活動に立候補して、ユニットが成立し、ユニットメンバー全員で事業計画を立案、実行する。
 「ユニット組織は人材育成の土壌の一部を役割として担っています。また職種横断的なチームですから、普段の業務で関わりが希薄な職種とも協同できることもメリットです。1997年から始めまして、既に第11次ユニットが稼働しています。年を重ねるごとに職員の期待や関心も高まっていますね。」

 

2. 北斗コールセンター

 北斗コールセンターは患者さんや患者さんの家族、地域の方々と北斗病院をつなぐ総合受付窓口として機能している。また周辺医療機関と密にコミュニケーションをとり、より充実した連携体制構築を目指している。
 北斗病院が掲げる「患者様に満足していただける病院」の窓口として、コールセンター業務のほか、検診の案内や申し込み、予約の受付、資料などの発送なども行っている。

 

3. 予防医療センター

 予防医療センターは、保険師2人、看護師2人、クラーク4人の体制で業務にあたっている。リラックスして受診してもらえるよう、スタッフは全員、白衣ではなく事務服を着て、受診者を迎えている。
 予防医療センターの大きな特徴としてはPET-CTを用いたがんドックが挙げられる。PET-CTをMRIやエコーと組み合わせることにより、従来の数倍の精度で1㎝前後の大きさからがんを早期発見できる。そのほか脳ドック、心臓ドックも最新鋭の検査機器を導入し、地域の健康増進に有効に活用されている。

 <今後の展開>

 医療=コストという考えに立ち向かって行くには、やはり医療やヘルスケアをサービス産業として捉え、それを大きく飛躍させるような方向性が重要になってくるでしょう。個々の医療機関はそれぞれが持つ機能を分化して深く掘り下げていかないといけません。ポストゲノムの時代に入って、ゲノム医療が生み出す数多くのブレイクスルーの積み重ねはすごいものがあります。環境のみならずヘルスケア自体のコンテンツも変わってきているために、今までの総合病院的な発想で広く浅く取り組むのは難しいのではないでしょうか。
 また21世紀の大きな柱の一つになるのはリハビリです。私どもでは回復期リハビリ病棟、そして超急性期のリハビリまで含めた急性期、亜急性期、慢性期それぞれのステージに合わせたリハビリを提供していきたいですね。
 北海道の特徴ではありますが、特に道東一円では脳性まひの患者さんを含めて小児のディスアビリティに対する医療が不十分です。私どもでできるかぎりの対応をしていますが、今後も私どもの資源を生かした地域貢献をしていきます。そして私どもの資源を合わせてセンター化し、他の医療機関と連携した地域ケアミックスを構想しています。

 <病院の理念>

◆理念
「革新に満ちた医療への挑戦と新たなる組織価値の創造」

◆基本方針
・患者様に満足していただける医療を提供
患者の権利と尊厳を守り、安心・納得して満足いただける医療に努める。
・革新的先進医療の実現
ポストゲノム時代への突入、再生医療の急展開、診断・治療機器のイノベ-ション等を基礎に数多くの成果が生み出される現在、革新に満ちた先進医療を実現する。
・新たな在宅医療の展開
医療と介護を包摂した新たな在宅医療を展開する。
・第二次予防医療の推進
脳・心・癌疾患を中心とする第二次予防医療の展開を更に推し進める。
・新たな医療資源価値の創造
地域完結的視点を軸に新たな医療資源としての価値を創造する。
・意識改革の追及
冷徹な時代認識に裏付けられた医療人としての意識改革を追求する。

 <病院概要>

会長

鎌田 一

理事長

橋本 郁郎

院長

井出 渉

所在地

北海道帯広市稲田町基線7番地5

設立年

1993年1月18日

病床数

400床

診療科

脳神経外科、脳神経内科、神経内科、頭頚部外科、循環器内科、消化器外科、消化器内科、乳腺外科、腫瘍外科、整形外科、リウマチ科、内科、心療内科、漢方内科、外科、形成外科、麻酔科、リハビリテーション科、放射線科、放射線診断科、放射線治療科、歯科、歯科口腔外科

敷地面積

42,398平方メートル

本館

延床面積:8,835.51平方メートル(鉄筋コンクリート造4階建)

カイラス棟

延床面積:7,140.19平方メートル(鉄筋コンクリート造4階建)

新館

延床面積:8,505.86平方メートル(鉄筋コンクリート造5階建)

全館合計

24,481.56平方メートル

病院HP

http://www.hokuto7.or.jp

 <アクセス補足>

JR根室本線 帯広駅より 車で15分
十勝バス
1.循環線東廻り:北高・北斗病院前下車
2.循環線西廻り:北高・北斗病院前下車
3.大空団地線:北斗病院前下車

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2009.04.01 掲載 (C)LinkStaff

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