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都心に隣接し、活性化を続ける地域に求められる医療
船橋市立リハビリテーション病院

 船橋市は人口約60万人を誇り、近年さらに著しい増加が見られる首都圏でも指折りの都市である。JR総武本線をはじめ、東京メトロ東西線、京成本線、東武野田線などの交通網が発達し、東京のビジネス中心地へのアクセスに恵まれている。近年は大型店の出店も相次ぐなど、都心に隣接する住宅地として活性化している地域の一つであろう。
 市民の約6万人が65歳以上の高齢者であり、各地域同様に今後、着実に高齢化が進むことが予想されるため、市民および医師会からリハビリテーション病院の必要性や充実化が叫ばれるようになった。そこで1999年に市立リハビリテーションの設立が決定し、2006年3月に医療法人社団輝生会が指定管理者となった。
 医療法人社団輝生会は東京都渋谷区に初台リハビリテーション病院を開設し、先進的なリハビリテーションの提供を行っているだけに、その経験とノウハウに大きな期待が寄せられている。
 今回は「地域におけるリハビリテーションの中核施設として機能できるように、スタッフ一同、チームアプローチを基盤に最大限の努力をする」とおっしゃる石川誠理事長にお話を伺った。

◆石川誠理事長プロフィール

1973年に群馬大学医学部卒業後、同大学脳神経外科教室に入局する。1975年に厚生連佐久総合病院脳神経外科医員、1977年に群馬大学医学部脳神経外科助手を経て、1978年に国家公務員共済組合連合会虎の門病院脳神経外科医員、同分院リハビリテーション担当医員となる。1985年にリハビリテーション専門医を取得し、1986年に医療法人近森会近森病院にリハビリテーション科を開設、リハビリテーション科科長に就任する。1989年に医療法人近森会近森リハビリテーション病院を開設、院長に就任する。1997年に近森病院リハビリテーション科科長、医療法人近森会リハビリテーション担当常務理事に就任する。2002年に医療法人社団輝生会初台リハビリテーション病院を開設し、理事長、院長に就任する。

所属学会
脳神経外科学会、日本神経学会、日本脳卒中学会、日本リハビリテーション医学会など

専門域
脳神経外科、リハビリテーション専門医

 <病院の沿革>

 医療法人社団輝生会は2002年に東京都渋谷区に初台リハビリテーション病院を開設し、東京都23区の西南部における脳卒中、頭部外傷、脊髄損傷、廃用症候群の回復期リハビリテーションや外来通院や訪問による維持期のリハビリテーションなどの提供を行ってきた。
 一方、船橋市では1999年に市民および医師会からの提案を受けて、リハビリテーション病院の設立を決定した。公募の結果、2006年3月に医療法人社団輝生会が指定管理者となる。このような経緯で設立された船橋市立リハビリテーション病院は全国的にも珍しい公設民営のリハビリテーション専門病院として、2008年4月21日に開院した。
「海外を見渡しても日本はリハビリ先進国と言えるのではないでしょうか。私どもも相当に充実した設備と内容であると自負しています。」

 鉄筋コンクリート造4階建、一部鉄骨造の堂々とした外観だ。個室は40室、4人室は40室で、総合病床数 200床のうち開院時34床、初年度68床で医療サービスを実施している。
 開院以来、常に満床状態となっている。
「真向かいにある船橋市立医療センターは急性期医療を担っています。医療センターと密接な関係を保ちながら、外来、訪問、入院に対応し、船橋市の皆様のご要望に応えるために2010年度には200床の全床オープンを目指しています。」

 <病院の特徴>

1. リハビリに専念できるこだわりの環境

「病からの離脱」を図るための施設にしようと、石川理事長は設計段階から企画に参加した。具体的にはピアノの生演奏が奏でられる喫茶室や、食欲を促進させ、自分自身で食事を摂れるよう各病棟に厨房を設けたり、また病室にもキッチンを完備するなど、病院というイメージを与えない工夫をしている。各病棟の厨房には管理栄養士が常駐し、常に温かく、一人一人の患者さんに適した食事の提供を実現している。自立の喜びを実感してもらうために、トイレ、浴室、洗面台もこだわりの設計であるという。
「リハビリテーションの本来の意味は、困難な日常生活を送っている方が再び元の生活を送れるように生きる、人間らしさを取り戻すということです。今までできなかった日常動作がリハビリによってできるようになることもあるんです。身体に麻痺があり、手足の動きが回復しているように見えなくても、生活の中でできることが確実に増えていけば、少しずつでも生活の質が豊かになってきます。諦めれば回復を望めなくなってしまいますので、生活の中でのリハビリは大変重要です。入院しているという気持ちを取り除いて、生活の中でリハビリに専念できるように心を砕いています。」

 

2. 医師のあり方

 船橋市立リハビリテーション病院での大胆な取り組みの一つに「医師が白衣を着ない」ことも挙げられる。白衣の医師を前にすると、患者さんはどうしても病気を連想しがちであり、そういう意識を払拭するための試みである。さらに医師を含めたスタッフを「先生」とは言わずに「さん」付けで呼ぶことも義務付けている。
「リハビリテーション医療は多職種参加の医療です。だからこそチームアプローチが重要になってくるんですね。スタッフが共通の理念を持ち、それぞれの専門技術を生かして、障害を抱えた人々の支えとならなくてはいけません。全職種を病棟配属にし、カンファレンスも病棟に全員集まって、ディスカッションを行っています。医師を含めた職員全員が同じユニフォームを着用していることも壁のないチーム医療を実現し、チームアプローチを推進するための取り組みです。同じ時間と空間を活用すれば、自然とコミュニケーションが生まれ、相互の情報共有が可能となります。今後も壁のないチーム医療を実践していきたいですね。」

 

3. チームマネージャー制

 船橋市立リハビリテーション病院はチームマネージャー制を導入している。病院の組織はいわゆる「たて割り」で専門職種により区分けされているケースが多いが、船橋市立リハビリテーション病院では34床からなる1病棟を1チームとしている。各チームに医師、看護師、ケースワーカー、ソーシャルワーカー、理学療法士、作業療法士、言語療法士、管理栄養士、薬剤師が配置され、全職種から選任されたチームマネージャーのもとで一つのチームとなって連携を取り合って、多角的できめ細かなサービスを実施している。
「現在122名の専門スタッフが上下のない、一つの輪のような人間関係の中で活動しています。お互い自由にディスカッションを交わし、患者さんに最適なサービスを模索し、目標の達成に向かって努めていますが、やはり個人のモチベーションやヒューマンスキルの向上が課題です。そのため当院では人材教育に特化した専門の部署を設けて、一人一人のスタッフを支えています。」

 <運営・経営方針、今後の目標>

 病院を公的に運営するとコストがかかるため、船橋市立リハビリテーション病院は公設民営という形態を実現させた。経営の安定化を図るための中期的目標の一つに200床全てを満床とすることが挙げられる。現在は68床で運営しているが、2009年4月に更に68床を稼働させ、2010年までに目標を達成する予定だ。
「船橋市は3~4年後を目途に短期、通所、訪問リハビリを支援する在宅リハビリセンターの設立を構想しています。私どもがその役割を担う存在であると期待されていますので、122名のスタッフを更に充実させていかなければならないということが短期的な目標ですね。」

 現代の4大疾病である脳疾患という患者さんの比率が約80%を占めており、そのほかが脊髄損傷、頭部外傷、骨折などによるものとなっているが、それだけに地域の専門医との連携も必要不可欠なテーマになっている。

 船橋市は高齢社会への対策に積極的であり、船橋市立リハビリテーション病院も行政の協力と支援を受けながら、急性期病院やかかりつけ医、維持期施設などとの連携を深め、急性期から維持期に至る切れ目のないリハビリサービス提供体制を構築するという包括的なビジョンを持つ。
「保険制度の有効活用に加えて周辺市町村との共同事業により、理想的な地域医療の一翼を目指すことができるように経営の体制をさらに安定させていきたいと思っています。」

 <病院の理念>

 船橋リハビリテーション病院は「病人ではなく、人として診たい」、「輝く人生を応援したい」というポリシーを持っている。そして患者さん本人の自発的な意欲を支えるリハビリテーションによって障害を改善し、病院ではなく、介助施設などの居宅施設へ、さらに家庭に帰すことを目標にしている。
「つまり、寝たきり介護から脱出するということです。それは紛れもなく、人としての尊厳を最重視しようという理念の実現にほかならないんですね。私どもはそれを謳った基本理念に基づいて、ヒューマニティあふれる意欲的な取り組みを目指しています。」

 <医療法人の基本理念>

「人間の尊厳」の保持
「主体性・自己決定権」の尊重
「地域リハビリテーション」の推進
「ノーマライゼーション」の実現
「情報」の開示

 <患者の権利>

人権を尊重される権利
自らの意思で選択・決定する権利
最善の医療を受ける権利
自分の診療の情報や記録を知り、求める権利
プライバシーの保護を求める権利

 <求職ドクターへのメッセージ>

 患者さんを家に帰せないのはリハビリを担うものの敗北であると受け止めています。しかし将来的には在宅リハビリテーションこそが大きなテーマになるでしょう。総合医として全身管理がある程度できる能力と、病気でなく人をしっかり診ようという意識を持つことが必要でしょう。そうした能力と意識を持っている方ならば、しっかり教育していきたいですね。相手の立場や気持ちを思いやり、その人に合った本質的な介助、介護、リハビリテーションとは何かを考えながら、最新の取り組みを学びたいという意欲ある方をお待ちしています。

 <病院概要>

名 称

医療法人社団輝生会 船橋市立リハビリテーション病院

所 在

〒273-0866 
千葉県船橋市夏見台4-26-1

TEL

047-439-1200

FAX

047-439-1386

創立

2008年4月21日

病床数

200床(個室40室・4人室40室)

診療科目

リハビリテーション科

病院HP

http://www.funabashi-reha.com/

 <アクセス補足>

JR船橋駅 北口 バスターミナル(5)(6)よりバス 医療センター経由 「医療センター前」下車
金杉台団地、鎌ヶ谷大仏、三咲駅、御滝不動よりバス 医療センター経由 「医療センター前」下車

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2009.02.01 掲載 (C)LinkStaff

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