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北里博士の「実学の精神」を生かし、地域医療の中核を担う
北里大学北里研究所メディカルセンター病院

 埼玉県のほぼ中央に位置する北本市はJR高崎線沿線にあり、湘南新宿ラインも乗り入れるため新宿まで約1時間とアクセスが良好で、ベッドタウンとしての発展をみせている街である。武蔵野の面影を残す豊かな緑をたたえる北本自然観察公園に隣接しているのが北里大学北里研究所メディカルセンター病院である。
 破傷風菌の純粋培養の成功に続いて破傷風免疫体の発見で知られる北里柴三郎博士が創立した北里研究所に始まり、北里研究所付属病院、大学、専門学校など「北里グループ」として、北里博士の「実学の精神」に基づく研究や臨床によって広く社会貢献してきた。その集大成として北里大学北里研究所メディカルセンター病院が北本の地に開院したのは1989年のことである。
 北里大学北里研究所メディカルセンター病院は2棟11病棟で病床数440床を数え、標榜する科目も14科という総合病院である。敷地内にはバイオメディカル研究所、看護専門学校なども備えている。
 今回は「北本を中心とした地域の中核病院として、プライマリケアから高度専門医療までを担いながら、地域文化の発信拠点となりたい」という近藤啓文病院長にお話を伺った。


◆ 近藤啓文 病院長 プロフィール

1940年に生まれる。1966年に慶應義塾大学医学部を卒業する。1969年に東京歯科大学市川病院に出向を経て、1971年に慶應義塾大学医学部助手に復学する。1975年にアメリカピッツバーグ大学医学部に留学を行う。1977年に北里大学医学部内科学講師を経て、1987年に北里大学医学部助教授に就任する。1990年に北里大学病院膠原病感染内科長を経て、1999年に北里大学医学部診療教授に就任する。2005年に北里大学医学部膠原病・感染内科学教授に就任する。2005年10月に北里研究所メディカルセンター病院院長兼務となり、2006年3月に北里大学医学部膠原病・感染内科教授を退官する。2006年4月に北里研究所メディカルセンター病院院長に就任する。
医学博士、日本内科学会認定医、日本リウマチ学会専門医、日本感染症学会専門医。

  <病院の沿革>

 1914年に北里柴三郎博士が創立したのが北里研究所である。北里研究所付属病院は既に開設されていたが、1917年に結核サナトリウム「土筆ヶ丘養生園」を合併する。この土筆ヶ丘養生園は福沢諭吉が慶応義塾幼稚舎裏の私有地を北里博士に提供して設立されたものであったという。後に赤痢菌を発見した志賀潔も北里研究所付属病院で研鑽を積んだという歴史ある施設である。
 北里研究所付属病院は1945年に戦争で焼失したが、1954年に再建を果たす。現在は病院名が北里研究所病院に変更され、幅広い医療を展開している。
 1962年には北里研究所創立50周年を記念して、学校法人北里学園を創立し、6学部、2つの大学病院、専門学校などを擁する理科系総合学府となった。
 1989年、北里研究所創立75周年にあたり、地域医療の中核となり高度で先進的な医療を行うことのできる施設として、埼玉県北本市の約8万坪の土地に北里メディカルセンターを200床で開院する。
 その後、地域からのニーズに応える形で増床を続け、2002年には北館がオープンし、440床となる。このとき救急センターとICUも開設される。2003年には地域医療支援病院の承認を受け、臨床研修病院にも指定された。2004年にはLDR室1室を含む産科病棟が開棟し、既に多くの分娩を扱っている。
 2008年4月1日、北里学園と北里研究所を統合して社団法人から学校法人となり、「北里大学北里研究所メディカルセンター病院」と改称された。現在、本部は東京都港区白金にあり、大学・大学院を中心に4研究所・4病院で構成されている。
 人と人との交わりに求められる「真心」を疎かにせず、一世紀を超える歴史に培われた「真心の医療」を実践し、地域の医師とネットワークを構築して、近隣の住民に良質な医療を提供している。

  <病院の特徴>

◆ 地域医療支援病院

 病院の基本となるのは埼玉県北本市を中心とした地域の基幹病院としての位置づけであり、地域医療の中核として機能している。
 病診連携では相互に高い紹介率となっていることからも分かるとおり、かかりつけの診療所での日常的な健康管理と病院での高度医療、予後の管理はまたかかりつけ医で行うという連携がうまくいっている。
 また特徴的なのは6床のオープンベッドがあり、地域の開業医と病院のスタッフが一緒に診る体制を取っていることである。このため入院を行っていない医院でも自分の手で診療を継続でき、またそれぞれの医院では備えられない検査機器を利用できるといったメリットを享受できる。
 「自分の体のことをよく知っているかかりつけ医と病院の充分な施設や看護体制などの安心の両方が得られることで、患者さんにとっても望ましいことに違いありません。病院と診療所で紹介したり、戻したりというだけではカバーできない、継続的な診療も可能です。」

 

◆ 高度医療

 ライナック、MRI、ヘリカルCT、ESWLといった高度医療機器を備え、専門的な知識と技術をもった医療スタッフによって、力を併せた総合的なチーム医療を展開し、良質、かつ安全で信頼される医療を提供すべく、地域の高度先端医療を実施している。
 たとえば放射線部ではデジタル化及びフィルムレス化が完了し、撮影後のデータは画像処理後すぐに画像サーバーへ転送、電子保存される。その検査結果を診察室の各端末(モニター)で観察でき、迅速な読影や診断に活用されている。
 エックス線撮影装置(FPD・CR)、マンモグラフィー(FCR)、エックス線透視装置(DR)、エックス線CT装置(64列・2列マルチスライス)、MRI装置(1.5T)、血管造影撮影装置(DSA)、核医学診断装置(RIガンマカメラシステム)などを有しており、病気の診断に必要な画像検査、腫瘍などへの放射線治療、血管造影撮影装置を用いて心冠状動脈などの狭窄した血管の拡張術や腫瘍への動注療法、塞栓術などの血管内手術を実施し、地域の患者さんに最先端の医療を施すことにより安心感を与え、患者さんからの信頼を得ている。

 「専門医の研修施設としても心臓外科、精神科以外のほぼ全科で認定されているので、より専門的な診療を経験し、専門医を取得する機会にも恵まれています。多様な一次、二次救急患者がおり、指導医も腕のよい臨床家が揃っています。大学附属病院の使命の一つに若手医師、看護師、薬剤師などの育成がありますが、臨床研修病院として研修プログラムをますます充実させたいと考えています。
 またバイオメディカル研究所を併設し、臨床研究も積極的に行っています。専門性の高い高度な医療や治験が活発ですし、研修医の宿舎も完備しており、臨床研修には理想的な環境が整っていると思っています。」

 

◆ 大学との連携

 北里大学が神奈川県相模原市にあり、北里大学北里研究所メディカルセンター病院のある埼玉県北本市と離れているため、学生や大学院生が北里大学北里研究所メディカルセンター病院へ実習に来ることは頻繁にあるが、医師の就職が進んでいないのが現状である。そのため大学の付属病院でありながら、北里大学出身の医師の割合が少ないのが特徴だ。しかし、医療衛生学部からはリハビリスタッフなどのコメディカル、薬学部からは薬剤師が数多く就職している。また看護師に関しては敷地内に看護専門学校があるため、入職者を確保することが比較的できている。
 「医師の絶対数が少なくて、私どもでもご多分に漏れず困っている状況ですが、それだけに医師とコメディカルの相互連携は充分に取れていると思います。医師とコメディカルが補完関係を保つには人間関係も良好に保たれていなければなりませんので、その点でもうまくいっています。薬学部の6年制化に伴って、2年間卒業生が出ない空白期間がありますが、その点は大学の付属病院ということで有利に働くでしょう。」

 

◆ 絵画と緑の病院

 北里大学北里研究所メディカルセンター病院は湿地や雑木林などの広がる北本自然観察公園に隣接し、病院自体も約8万坪というゆったりした敷地に、病棟をはじめバイオメディカル棟や看護専門学校、レストランなどが配置されている。
 また、ロビーに入ると美術館と見紛うばかりの絵画が展示されているのをはじめ、いたるところにある絵画作品に心を癒される。
 「以前の所長が絵画に造詣が深く、ここで展覧会を主催するなどの文化活動を行って、増やしていった絵画です。自然豊かな環境とともに、患者さんばかりでなく病院のスタッフにとってもやすらぎとなっています。」

 <今後の課題と取り組み>

◆ 医師不足について

 医師不足が社会的に問題となっているが、絶対数が少ないことに加え、地域的に偏っていることが大きな問題である。医師も人口分布に合った数がいないと、足りなくなってしまう。
 「その対策として、地方の私大では地元の学生の授業料を国立大学並みにし、他地域からの学生はかさ上げするなど、地元学生が有利になるような仕組みを考えることも必要でしょう。」

 北里大学北里研究所メディカルセンター病院では今後、北里大学からの研修医を数多く受け入れていくようにしていくとともに、積極的に医師の募集もしていく予定である。
 「相模原の北里大学との間に便利な交通手段ができれば、大学からも期待できますが、今のところはなかなかそれが望めそうにありません。現在は元から北里関係にいたスタッフが7割ほどを占めていますが、今後は外から多くの医師をはじめとしたスタッフが入ってくると思います。単身者ならワンルームタイプの宿舎が用意されていますし、優秀な指導医もいますので、満足いく仕事をしながら能力を高め、生活も充実させていくことができるはずです。
 また女性医師も積極的に迎えたいですね。病院には保育施設もありますので、出産や子育てのために休職している人も安心して勤務できます。看護師では既に柔軟な勤務体制を取っていますが、女性医師の場合にも常勤でなく、非常勤でもいいと考えています。」

  <求職ドクターへのメッセージ>

 「私どもは自然環境にしろ、施設の充実度にしろ、絵画の飾られた広々とした廊下に代表されるゆとりある環境も、仕事をする場として本当に恵まれています。ここではプライマリケアも専門性の高い医療もともに行われていて、意思さえあれば幅広い勉強ができます。医療スタッフのレベルも高いので、充実した指導も受けることができます。専門医、認定医を目指している医師の期待にも応えていけますので、連絡をいただければと思います。」

  <病院概要>

名 称    学校法人 北里研究所 北里大学北里研究所メディカルセンター病院
所 在    〒364-8501 埼玉県北本市荒井6丁目100番地
TEL     048-593-1212(大代表)/ FAX 048-593-1239
病床数    440床(一般)
診療科目   内科、神経内科、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、脳神経外科、皮膚科、
      泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、麻酔科
各種指定   臨床研修病院
研修施設認定多数  日本内科学会認定制度教育病院、日本神経学会専門医教育関連施設、
          日本プライマリ・ケア学会認定医研修施設、日本循環器学会認定循環器専門医研修施設、
          日本小児科学会専門医制度研修施設、日本外科学会専門医制度修練施設、
          日本外科学会認定医制度修練施設、日本消化器外科学会専門医修練施設、
          日本整形外科学会専門医制度研修施設、日本形成外科学会教育関連施設、
          日本脳神経外科学会専門医認定医制度指定訓練病院、
          日本皮膚科学会認定専門医研修施設、日本泌尿器科学会泌尿器科専門医教育施設、
          日本産婦人科学会認定医制度卒後研修指導施設、日本眼科学会専門医制度研修施設、
          日本核医学学会専門医研修施設、日本放射線腫瘍学会認定施設、
          日本医学放射線学会放射線科専門医修練機関、日本麻酔科学会麻酔指導病院、
          日本救急医学会救急科専門医指定施設、日本リウマチ学会教育施設、
          日本脳卒中学会研修教育病院、日本感染症学会専門医研修施設、
          日本呼吸器学会関連施設
外来患者数 約1000人/日

  <アクセス>


北本駅西口下車
駅前ロータリーより「北里研究所メディカルセンター病院」行きバスで15分

桶川駅西口下車
駅前ロータリーより「北里研究所メディカルセンター病院」行きバスで30分

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2008.10.01 掲載 (C)LinkStaff

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