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健康と福祉のまちを目指して
奈井江町立国民健康保険病院

 空知郡奈井江町は道央に広がる石狩平野のやや北に位置し、東は夕張山系で芦別市と、 西は石狩川で浦臼町、新十津川町に接し、南は美唄市、北は砂川市と接している。
交通はJR函館本線と国道12号線が町の中央を、東側山手には道央自動車道が南北に走り、札幌市、旭川市まで共に約70kmの距離で結ばれている。特に国道12号線は29.2kmの長さを誇る日本最長の直線道路として有名である。
奈井江町は開拓以来、産炭地としての繁栄を享受したが、閉山後は衰退の道をたどらざるをえない面もあった。しかし町の基幹産業として歩み続けた農業に加え、大阪から電気系の企業が進出し、空知地区全体の人口は減少しているが、奈井江町の人口は何とか留まっている。分村から50年にあたる1994年を町では「福祉元年」とし、「おもいやり明日へ」をテーマに保健・医療・福祉に重点を置いた「健康と福祉のまち」として、この年から福祉の先進国フィンランドのハウスヤルビ町と友好都市を提携し、相互派遣を行っている。
医療と福祉の先進地となるべく、町立病院では地元開業医師との連携により、開放型共同利用病院として運営し、他に老人保健施設や高齢者福祉センターなどとも連携を図り運営を行っている。また介護保険の広域連合としては全国初の「空知中部広域連合」の本拠地として、豊かで文化的な暮らしやすいまちとして着実に発展している。
今回は奈井江町立国民健康保険病院を支える小西裕彦院長にお話を伺った。

◆ 小西 裕彦 院長プロフィール

1986年に岩手医科大学を卒業後、北海道大学医学部第一内科に入局する。道内にある関連病院を回り、1989年に大学病院に戻る。その後、1991年4月に奈井江町立国民健康保険病院に赴任し、現在17年目である。
「北大第一内科の専門は呼吸器内科なので、肺がん、喘息などの呼吸器を中心に診てきましたが、現在は地方での勤務ですので、呼吸器だけではなく消化器等内科系など、特に専門とはせずに一般内科として内科系全般の診療を行っています」と話す。

  <病院の沿革>

 奈井江町立国民健康保険病院は1935年に奈井江産業組合厚生福利施設奈井江協済病院として開設された古い歴史を持つ。現在の病院は1962年5月1日に設立された。その後、1986年に就任した北良治町長を先頭に「健康と福祉のまち」づくりが始まり、病院の方向性が定まっていく。近隣自治体病院との病病連携、町内の診療所との病診連携といった医療連携体制を整え、1988年に町立病院の敷地内に老人保健施設、他町有地に特別養護老人ホームなどの開設を行った。
病院自体も1994年9月に改築し、現在96床を有する。その内一般病床が46床、介護療養病床が30床、医療療養病床が20床である。
1994年11月に開放型共同利用病院としてスタートした。このシステムは町内にいる4人の開業医師が奈井江町立国民健康保険病院に完備しているCTなどの高度医療機器や検査機器をはじめ、病床数96床のうち12床を開放型病床として使用しているものだ。現在では医療連携の成功事例として全国から注目されている。
「診療所に来た患者さんで肺炎であるとか入院が必要であると判断した患者さんを町立病院のベッドを利用し、入院後も開業医の先生が診療するというシステムです。超えてしまってももちろん構わないのですが、開放型病床として12床用意しています。現在の利用率は70~80%です。平日は開業の先生に診療してもらい、夜間や休日に患者さんが急変した場合は私どものスタッフが対応しています。患者さんにとっても主治医は今までと変わらず開業医の先生のままで、夜間・休日は町立病院が対応するというので、安心して頂けるシステムだと思います。」

  <病院の特徴>

 現在の診療科目は内科・整形外科・眼科・小児科の4科となっている。整形外科の医師は旭川医大出身で、内科の2名の医師は北大の呼吸器科出身である。常勤医師は内科2名、整形外科1名の計3名となっている。眼科は北大からの非常勤医師が毎日午前中だけ診療を行っている。小児科は木曜日の午後だけだが、砂川市立病院の小児科から1名が非常勤で診療を行っている。
2005年10月、砂川市立病院との間で北海道初である「医療連携協定」を締結し、8項目に渡る医療連携を積極的に展開している。砂川市立病院は診療科目が多い総合病院であるため、心疾患や脳疾患の場合には砂川市立病院に搬送して手術などを行う。その後、病状が安定してきたら、奈井江町立国民健康保険病院に戻ってきてもらうというシステムを採用している。奈井江町立国民健康保険病院には充実したリハビリ施設と療養型施設が整備されている。このように急性期治療と慢性期治療で両病院が機能を分担し、両病院共通の地域連携パスを用いた診療計画を行う。
臨床研修に関しても、2007年から砂川市立病院の協力型の施設として、訪問診療、老人保健施設、特別養護老人ホーム入所者への診療などの研修を受け持っている。
「患者さんのやり取りだけでなく医師同士の交流も積極的に行っています。町立国保病院や砂川市立病院で月に1回か2ヶ月に1回は道内の医大から講師を招いて勉強会を開いており、若い先生が同年代のドクターと交流する機会や研修する機会が少ないと心配する必要も無く、来て頂けます。」

 <今後の課題とその対策>

小西院長は最大の課題は医師不足であるとしている。
「数年前に半年間ほど内科の医師が私だけになったことがあり、医局からの派遣に頼っているだけでは医師の確保が難しい状況です。もちろん現在でも数名の医師を大学から非常勤で派遣してもらっている状況ですが、やはり常勤医の確保が最大の悩みであり、すぐにでも解決をしなければならない問題です。周辺地域にも医師不足で病棟の閉鎖をせざるを得ない状況に追い込まれている病院があります。地理的には奈井江町は札幌と旭川のちょうど中間地点にあり、電車の本数も十分あるのでアクセスしやすく、他の僻地といわれている地域よりも少しは便利な場所ではないかと思っています。」

また介護療養病床の今後のあり方も課題であるという。
「全国的にも問題になっていることですが、これからどのようにしていくか、非常に悩まされています。現在、空知管内はベッド数が多い状況ですので、全体的に削減をしていかなければならないという方針で進められているところです。奈井江町立国民健康保険病院では今後、療養病床を介護療養型老人保健施設に転換することが妥当かどうか考えています。一般病床については削減せざるを得ない状況です。空知管内の方針ももちろんですが、私どもでも医師数が足りずに標欠になると、診療報酬がカットされ、経営が成り立たなくなりますので、そちらの面でもダウンサイジングというのは避けられない状況になっています。」

  <転職先を探している医師へのメッセージ>

 北海道勤務といえば札幌以外は僻地勤務という認識が全国的にあるとは思いますが、奈井江町は札幌・旭川どちらからもそれほど離れていないので、不便に感じることは少なく、勤務面においてもバックアップ体制は万全です。医療連携においては成功のモデルケースとして全国の医療機関や自治体から視察が来るほどです。
若い先生が一番心配される勉強の面においても、砂川市立病院との交流を盛んに行っており、しっかり勉強することができます。
北海道の中心都市からも近く、大自然に囲まれた奈井江町立国民健康保険病院で勤務してみませんか。

  <病院概要>
施設名 奈井江町立国民健康保険病院
所在地 〒079-0313  北海道空知郡奈井江町字奈井江12番地
代表電話 0125-65-2221
FAX 0125-65-2727
代表者 奈井江町長 北 良治
管理者 病院長 小西 裕彦
開設日 昭和37年5月1日
併設施設 奈井江町老人保健施設「健寿苑」
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2008.07.01 掲載 (C)LinkStaff

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