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患者中心の地域完結型医療を
済生会神奈川県病院

 済生会神奈川県病院は神奈川県横浜市の中心部で、JR東神奈川駅から徒歩5分と交通の便に恵まれた場所に位置している。一般病床37床、回復期リハビリテーション病床113床を有し、施設やスタッフの質、量を高めることで総合的に管理された回復期リハビリテーションを可能とし、早期在宅復帰、社会復帰を支援している。また維持透析を行う透析センターも42床に拡張し、最新の透析機器や個室を整備し、入院医療を備えた選択肢のある医療を地域に提供している。
 急性期を担う済生会横浜市東部病院をはじめ、地域の病院、診療所との病診連携をはかり、そのネットワークの中で、いつでもどこでも良質な医療が受けられる「患者中心の地域完結型医療」の構築を目指し、地域住民からは済生会の理想である「優しい医療」を提供する病院として認知され、信頼を得ている。
今回は神奈川県病院協会の理事でもある吉井宏院長にお話を伺った。

◆ 吉井 宏 院長プロフィール

1974年に慶應義塾大学を卒業し、慶應義塾大学医学部放射線教室へ入局する。外科学教室を経て、1982年より済生会神奈川県病院へ勤務する。1990年に渡米し、ベイラー大学メディカルセンターに勤務する。1991年11月より済生会神奈川県病院外科部長に就任し、1997年4月より同病院副院長、2002年4月より同病院院長に就任する。
日本外傷学会理事・評議員、日本救急医学会評議員、日本腹部救急医学会評議員、日本救命医療学会評議員、日本臨床救急医学会評議員、日本外科学会指導医、日本消化器学会指導医、日本救急医学会指導医、神奈川県病院協会理事、横浜市病院協会副会長、慶應義塾大学医学部客員教授(外科学)

  <病院の沿革>

 済生会神奈川県病院の歴史は古く、1911年(明治44年)5月に御下賜金を基金とし、恩賜財団済生会創設と同時に神奈川県済生会が支部として発足する。そして社団法人横浜婦人慈善会に済生業務を委託し、1913年9月に全国済生会第一号の病院として「恵まれない人々のために施薬救療し、済生の道を弘める」という済生勅語の精神に則り、直接救療事業を開始した。その後、関東大震災や戦災の影響により、1924年に横浜市西区、1946年に横浜市金沢区(現在の済生会若草病院の前身となる)へ移転した。

 1949年3月より現在地に病床数65床の病院を建設移転し、診療8科で開院、目標でもある「患者中心の地域完結型医療」の礎を築き、地域住民に対していわゆるかかりつけの機能を果たすこととなる。1965年8月に増改築により、現在(本館)の4階建鉄筋コンクリート造り300床、それと併せて神奈川県からの委託により神奈川県交通救急センター50床を併設し、350床の総合病院としての機能を備える。横浜市の地域の患者さんに対して急性期から慢性期及び在宅までの総合医療を提供し、地域に密着した公的医療機関としての役割を担うようになった。その後横浜市の住宅開発による住民増加、医療ニーズの増加に伴い交通救急センターを50床増床する。また日本有数のベットタウンにふさわしい地上8階地下1階建ての新館を設立することとなり、1985年に完成した。
 2007年から急性期は同列の済生会横浜市東部病院が担い、済生会神奈川県病院は回復期リハビリテーション・透析センターを中心とした150床(回復期リハビリテーション113床、一般病床37床)の病院へ機能転換をしている。診療所も含めて、地域医療における機能分担と連携に重点を置き、90パーセント以上の病気の治療は生活医療圏の中で完結していくという構想のもと、地域住民に医療を提供している。

  <病院の特徴>

◆回復期リハビリテーション



 リハビリテーション専門医、整形外科専門医が在職している。理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の陣容も充実しており、看護師、ソーシャルワーカー、管理栄養士も含めて、患者さんの自立度などの情報を共有するとともに各スタッフが連携したチーム医療を実践している。「食事は口から」「排泄はトイレで」「ベッド上清拭から入浴へ」をチーム全員の合言葉とし、患者さんが日常の生活に限りなく近づけるように、一人一人の状態に応じた自立支援のためのプログラムをオーダーメイドしている。

◆透析センター

 24時間常時対応可能であり、変化があったときにはいつでも救急対応な体制を整えている。長期血液透析による合併症(透析アミロイドーシス、持続的低血圧症、心不全、掻痒症など)には血液透析濾過法(HDF)、血液濾過法(HF)の施行も可能である。透析療法そのものが目的ではなく、日常生活の延長上の透析を目指し、社会復帰をしていただくことが目的としている。透析室内のアメニティーにも配慮をしており、透析中にBGM、テレビ鑑賞、インターネット接続で仕事ができる環境を整えており、ベッドかチェアの選択もできるようになっている。なお透析液の管理・感染防止も徹底する。

◆内視鏡センター

 済生会横浜市東部病院をはじめ、地域の病院や診療所と連携した専門外来の機能があり、その一環として「苦痛のない内視鏡」をモットーとして内視鏡センターを立ち上げている。年間約7,000件の検査を実地しており、上部・下部内視鏡の依頼にも迅速に応えている。

◆地域医療福祉課

 済生会神奈川県病院では地域の病院、診療所との円滑な連携を図るために、病診連携の窓口として地域医療福祉課を設けている。スタッフには副院長をはじめとして、看護師長、ソーシャルワーカー、事務員を配置している。
 「患者様というのは症状を持ってくるものです。その症状から診断をして診断名が確定すると、そこから治療が始まります。その診断部分は本来は外来でもできますし、そして入院して治療もあれば、外来に通院して治療か、もしくは在宅で治療するといった過程があるわけです。
 症状がない人に対して潜在的な病気を見つけるのが予防医療になるのです。診断の過程では症状があるかないかに関わらず、同じ項目で検査をします。そういった外来でのドック・健診を含めた総合診断センターのようなものを新しい機能として目指しています。」

 <運営・経営方針>

 病院のテーマとして済生会神奈川県病院では「患者さまが満足して受けられる病院医療」と「理想的な地域医療システム」を掲げている。

◆「患者さまが満足して受けられる病院医療」について

 「病気の治療、闘病は決して楽なものではなく、辛いことばかりのことが多いですね。高いレベルの医療技術を提供することは勿論のことですが、患者様の“心”の面でも苦しみを共有しつつ、その苦しみを乗り越え病気が治った時の喜びもちょっぴり共有させていただく、そういった病院医療を目指しています。“心”の面のケアにスタッフ全員が力を注いでいますね。」

◆「理想的な地域医療システム」について

 「テーマとして病診連携を掲げておりますが、病診連携を単なる患者様の受け渡しシステムとして終わらせたくないんですね。それには患者様からみて十分にメリットのある、患者様中心の連携でなくてはならず、患者様にとってこの横浜地域でどの医療機関にかかろうと高い医療を安心して受けていただけるシステムの構築を目指しています。私は外科医として患者様に携わってきましたが、外科のみではなく医療全般に患者様と接していきたいと思っています。私自身も外来も病棟のラウンドを時間の許すかぎり行い、「雲の上(病院)の空気」のような存在でありたいと考えています。」

  <地域完結型の医療とは>

 「地域完結型の医療というのは、この神奈川県病院と近隣の診療所の先生の有志の方々との間で出てきた言葉なんです。病気のうちの90%以上は地域で完結できるだろうという考えなんですね。特殊な病気、例えば移植であったり、再生医療であったりといった高度先進医療が必要な病気は10%もないんですよ。つまり90%以上の病気は地域のなかでうまく工夫すれば完結できるというのが地域完結医療の概念なんです。」

  <今後の目標>

 まずは私どもに来ていただき、ここでトリアージをやっていければと考えています。私どもに入院して治療するのか、特殊な治療が必要であればもっと大きい病院に受け入れてもらうようコーディネイトする、あるいは通院でよければ診療所の先生に治療してもらうといったトリアージができる総合診断センターを作っていきたいのです。
 将来的にはこの病院自体でオープン化を目指しています。診療所の先生にもここにアテンダントとして治療にも参加してもらう、あるいは診断も行ってもらうといったシステムを作りたいと考えています。

  <求人ドクターへのメッセージ>

患者さんを大事に思う心を持って参加して下さい。
みんなで責任を共有して患者さんに医療を提供していきましょう。
患者さんと人が好きな先生は大歓迎です。
みんなでいい医療を提供したいと思います。
これからの病院の理念としては、「患者さんを好きな病院」みんなで患者さんを好きになって、いい医療を提供したい、それに尽きますね。

  <病院概要>

名 称

社会福祉法人 恩賜財団 済生会神奈川県病院

所 在

〒221-8601 神奈川県横浜市神奈川区富家町6-6
TEL 045-432-1111(代表)/FAX 045-432-1119

病床数

150床(回復期リハビリテーション113床、一般病床37床)

診療科目

内科、精神科、小児科、外科、脳神経外科、整形外科、皮膚科、泌尿器科、
眼科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、 麻酔科

各種指定

保険医療機関、労災保険指定病院 等

外来患者数

1,017人/日 (平成17年度)

入院患者数

371人/日  (平成17年度)

2008.04.01 掲載 (C)LinkStaff

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