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「可能性を信じ、新たなものに挑戦していく」~ビフォーアフター~
医療法人社団創造会 メディカルプラザ

 医療法人社団創造会メディカルプラザは、千葉県我孫子市東部、利根川にほど近い静かな田園の中に建っている医療複合施設の総称である。平和台病院を中核に、介護老人保健施設、グループホーム、リハビリセンター、予防医療センター、訪問看護ステーションそして病児保育室が融合した、急性期から慢性期・看取りまでを有機的にネットワーク化した医療施設群で、地域の活性化にも貢献している。
 医療法人社団創造会の土井紀弘理事長にお話を伺った。

◆土井紀弘理事長プロフィール

1951年、広島県出身。鳥取大学医学部を卒業後、京都大学麻酔科へ入局。
大阪厚生年金病院、関西電力病院等で勤務した後、1986年に平和台病院を開院し、院長に就任する。
1996年に理事長に就任し、現在に至る。

  <病院の沿革>

 平和台病院は、1986年7月に土井理事長が大学時代に知り合った医師達と「新しい病院を創ろう」というコンセプトのもとにJR成田線布佐駅から徒歩3分の場所に110床で開院した。不動産会社が団地や分譲住宅を建設しはじめた地域だったが、医療機関の必要性が高まる中での開院となった。24時間救急をスローガンとしたため、外来・入院患者数ともに予想を超え、1日の外来患者数200人を早々とクリアする。その後、増床して130床となり、1997年には法人認可を受けた。そして2002年4月、現在の場所に新病院を建設、移転した。一緒に病院立ち上げに携わった医師達は現在近隣で開業し、厚い病診連携で今なお関係は続いている。

 「一時期は400人を越えていましたが、現在は1日の外来患者数は350人前後です。
  昨年は開業20周年を迎え、市内のホテルで記念パーティーを催し、我孫子市長をはじめとして多くの方からお祝いの言葉を頂戴いたしました。」

  <病院の特徴>

(1)救急医療センター
 医療法人社団創造会は平和台病院を中核に介護老人保健施設「エスペーロ」「クレオ」、グループホーム「柴崎」「寿」、リハビリセンター、予防医療センター(脳検診・人間ドック)、訪問看護ステーション「ふさ」、病児保育室こどもデイルーム「みらい」を擁する。
 中核である平和台病院は地上5階・地下1階建てであるが、2003年に130床の病床の一部を回復期リハビリテーション病棟に転換して、一般84床・回復期リハ46床となっている。

 開業当初から続けてきた24時間救急であるが、今転機を迎えている。

 「現在、我孫子市で問題化しつつあるのは救急体制です。この問題は市議会でも取り上げられています。市内の5病院で輪番制をとっているのですが、当院が開業した時の1986年に救急車の出動回数が1,500件だったのに対して、昨年度は4,300件とほぼ3倍にまで達しています。我孫子市自体の人口も増加しているとはいえ、市内の輪番制の病院だけでは対処できずに、全体の6割は市外へと患者を搬送しなければならなくなり、今度はその近隣の救急病院から悲鳴が上がり始めたのです。」

 敷地内の国道沿いに来春3月には着工の予定で、延べ面積3,000㎡の3階建てになる予定です。1階が救急医療センターと訪問看護ステーション、2階に急性期病床40床、3階に予防医療センターが入ることになります。
 現在の救急車は月100件ですが、これができることで月200件を目指します」

 「医療のコンビニ化」という言葉が新聞紙上に現れるようになり、救急車の出動件数も増加している中での救急医療センター建設ではリスクマネジメントも重要になる。

 「トリアージも重要ですが、それよりもタクシー代わりのように安易に救急車の出動要請をしないよう地域住民に対して啓蒙していくことがこれからの課題になっていくと思います。ただ、それには時間がかかります。しかし時間はありません。どう折り合いをつけるかが課題でしょうね。
 同時に現実問題として医師や看護師の確保も進めなければいけません。脳外科や内科、特に循環器系の医師の充足は優先事項ですね。立派なハードがあってもソフト自体が充実しなければ、本当の意味での機能は発揮されませんから。」

(2)海外交流
 医療法人社団創造会は、毎年夏にJICA(国際協力機構)の国際交流の一環として、海外から研修でくる看護師を10名ほど受け入れている。

 「病院のスローガンである『可能性を信じ、新たなものに挑戦していく』ため、視野を広げるという観点から外国人看護師の受け入れを続けています。どうしても日本人は外国人に対して身構えてしまうことが多く、しかも外国の看護師と接する機会もありませんので、海外の医療情報を提供していただけることもあって、非常に刺激を受けています。」

 一方、受け入れるだけでなく、こちらからも海外に行こうという動きも活発だ。

 「平和台病院では、看護師3名を1ヶ月間インドネシアに派遣して、主にリハビリテーションに関する情報収集と新しい技術の習得を行ってもらっています。それ以外にも、海外の地震被害にあった地域に医師・看護師・理学療法士のチームを派遣して現地住民の治療に参加したこともあります。
 海外に目を向けることによって、日本国内で小さくまとまることのないような、大きなスケールをもったスタッフを育てることが狙いです。」


  <運営・経営方針>

 新病院への移転以降、「上からの指示待ちでなく、個々の職員が自発的に考えて業務をしてもらいたい」という願いから委員会制度を開始した。当初は12以上の委員会があったが、現在は「サービス向上」「教育研修」などの基幹をなす6つの委員会に統廃合され、より機能性を高めた。
 職員数も240名から400名を超える大所帯になり、毎年開催している「健康まつり」も人気のイベントに成長した。講演会、医療相談にはじまり、血圧測定や体脂肪測定、骨密度測定などの健康チェックを行って地域住民との交流も好評だ。

 「開院20周年の際も千葉テレビの取材が来ていましたが、マスコミが医療関係特集を組むようになって関心を持たれる方が多くなりました。特に地域住民の高齢化が進んだことで、骨密度測定には行列ができるようになりました。健康に対する関心は高まっていますね。フリーマーケット目当ての方が多いのも事実ですけど(笑)。」

 急性期から慢性期までを支える上では高度な医療機器の導入も重要であろう。

 「当院にはすでにCT、MRI、ヘリカルCTを導入済みですが、このたび新しく1.5ステラのMRIを導入しました。もちろん救急医療センターを視野に入れての導入です。」

 病院の重要なファクターであるスタッフの募集にも力を入れている。

 「救急医療センターの件もありますが、やはり医師、看護師だけではなく、どの職種でも優秀なスタッフは確保しないといけません。その一方で、一人にかかる負担が増えるので、それを少しでも軽減するよう検討しているものもあります。例えば、医療クラークです。医師一人が1日に書く量は膨大なので、事務処理に関してはかなりの部分をそちらに任せることができれば相当楽になると思います。」

 最近、新聞上でも取りあげられる女性医師についても考えがある。

 「女性医師は男性医師に比べてどうしてもハンディキャップがあります。結婚、出産、子育てでキャリアアップを図るのが難しい点もその一つでしょう。
 今後の医師確保についてはこの女性医師の取りこみが重要になってくると考えていますので、彼女達が快適と思ってくれる職場をつくらなければなりません。幸い当院には育児所もありますので、あとはどういう受け入れ体制をとれるか検討したいと思います。」

  <ビジョン>

可能性を信じ、新たなものに挑戦していく

  <病院理念>
(1)私たちは、患者さまと地域の方々に求められ、望まれる医療と福祉を真摯に行います。
(2)私たちは、医療と福祉を通じて、人のために尽くすということが、私たち自身の喜びとなるような創造会にします
(3)私たちは、常に、私たちの可能性を信じ、新たなものに挑戦していきます。
  <運営方針>
 当院は、「一人でも多くの患者さんに、安全・安心・良質の医療を提供する」ことを運営理念に掲げ、都立病院改革マスタープラン及び都立病院改革実行プログラムの方針に沿って着実に病院改革を進めている。
  <病院概要>

創立

1986年7月1日

敷地面積

9,990㎡

建物面積

6,300㎡

病床数

医療法許可病床130(一般84、回復期リハ46)

診療科目

一般内科、消化器内科、循環器内科、呼吸器内科、心療内科、外科、整形外科、
小児科、脳神経外科、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、泌尿器科、形成外科、放射線科、精神科、麻酔科

2007.12.01 掲載 (C)LinkStaff

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