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あなたの情熱を名張へ
名張市立病院

 三重県名張市は奈良県との県境に接する、人口約8万人の都市である。市の北部を東西に近鉄大阪線が通り、名張駅から大阪を代表するターミナルの一つである難波まで58分で結ぶ。このため1960年代後半からベッドタウンとして活性化し、市立病院の設立を要望する声が高まってきた。
名張市立病院は1997年に設立され、9診療科、200床を有する中核病院として名賀地域の医療の発展に尽力している。

 今回は竹内謙二院長にお話を伺った。

◆竹内謙二院長プロフィール

  1956年に三重県伊勢市で生まれる。1982年に愛媛大学を卒業後、三重大学医学部第二外科に入局する。その後三重大学医学部附属病院、新宮市民病院に勤務する。また三重大学医学部大学院を卒業し、八千代工業嘱託医、遠山病院に勤務する。南勢町立病院、遠山病院を経て、1997年に名張市立病院に外科部長として着任する。2003年に診療部長、2006年に副院長を歴任し、2007年4月に院長に就任する。
日本外科学会外科認定医・外科専門医・指導医、日本消化器外科学会消化器外科専門医・指導医、日本大腸肛門病学会大腸肛門病専門医・指導医、東海外科学会評議員

  <病院の沿革>

 奈良県との県境に接する名張市はもともと小さな街であったが、1960年代後半から宅地の造成が進み、人口が急増していく。さらにバブル期にも人口の流入が活発になったものの名張市には公的病院がなく、高度医療に関しては上野市民病院まで足を運ばなくてはいけなかった。1979年に名張市が名張市総合計画のもと、住民にアンケートを行った結果、総合病院の建設を要望する声が第一位となった。これを受けて、名張市では市議会に市民病院調査特別委員会を設置し、さらに市、議会、医師会による総合病院問題懇談会の開催に至った。1992年には市議会で、建設地が百合が丘に決まる。
竹内院長は語る。

「建設地にあたっては名張駅の近くなど様々な候補があったようです。それぞれのメリット、デメリットを挙げ、市議会で討議した結果、この百合が丘に決まりました。こちらのメリットは見晴らしの良さと広さでしょうか。駐車スペースも約420台とゆとりがありますね。」

 開院は1997年であるが、それまでに看護専門学校、看護師宿舎、老人保健施設などの付属施設も開設した。看護師の確保が喫緊の課題となっている昨今、看護学校を開校し、安定的な人材供給を臨める体制を構築できたことは意義があろう。また全国の「ニュータウン」の例を見るまでもないが、1960年代後半に名張市に移り住んできた世代も徐々に高齢化している。その意味から老人保健施設の開設も時機を得たものであった。
竹内院長は開院の2ヶ月前に着任し、開院準備にあたる。
「コンピューターシステムや開院にあたってのマニュアル策定、手術室の器械の購入など、全てゼロからの出発でした。コメディカルスタッフも皆若く、新しい病院なんだという感じでしたね。」
  開院後、病院は順調に発展し、2000年には透析室、リハビリテーション室の改築を行った。透析室はこの機会に増床し、患者さんのニーズに応えたのみならず、経営面にもプラスになっている。今後も基本理念である「市民の皆様に親しまれ信頼される」病院として、益々の充実が期待される。

  <病院の特徴>

◆ 内科
 三重大学の旧第一内科との繋がりが強いために循環器専門医が多く、循環器疾患には強みを発揮している。特に急性心筋梗塞に対するPCI(経皮的冠動脈形成術)には良好な成績を収めている。
 「我山内科部長は消化器が専門で、胆管結石の切石術では多くの患者さんに来て頂いています。このほか内分泌・代謝、血液・膠原病、神経、腎臓などにも対応していけるよう、非常勤を含めて15人の医師がおります。今後は呼吸器内科を診られる方に来て頂ければ、磐石な体制になるでしょう。」

◆ 外科
 消化器疾患に関しては内視鏡治療の浸透で内科医のフィールドが広がっているが、名張市立病院では上部消化管を内科、下部消化管を外科といった住み分けを行っている。また外傷、熱傷などの救急疾患での来院も多い。竹内院長は日本大腸肛門病学会に所属し、特に大腸がんの化学療法などを専門にしてきた。2004年には外来化学療法センターを設置し、大腸がん、胃がん、乳がんの化学療法にあたっているが、全国でも珍しい存在として注目を集めている。
 「私の出身医局である三重大学第二外科が化学療法に積極的だったため、私どもでもセンター化して進めてきました。専任の看護師を配置し、患者さんからのご相談もお受けしています。点滴にしても、病室で受けるのとは異なり、電動リクライニングチェアや液晶テレビを設置し、ゆったりとした空間で受けることができますので、患者さんからも好評を頂いていますし、予後の向上にもつながっています。」

◆ 脳神経外科
 2001年に日本脳神経外科学会の専門医訓練施設(A項)に認定された。このA項は指導医、症例数などが高い水準を示す施設にのみ認められるものである。2002年には脳死判定・臓器提供マニュアルを作成し、臓器提供施設としての体制を整え、院内倫理委員会で臓器提供を実施することの承認を得た。
 「開院にあたり、地域の住民の方や開業医さんから要望が高かったのが脳神経外科でした。脳出血や外傷など、一定のニーズがありますからね。血管内治療に関しては奈良県立医科大学に協力をお願いしています。」
 またリハビリテーション室との関係も強く、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士とのチーム医療も充実している。

◆ 整形外科
 5人の医師が常勤し、充実した体制で外傷、慢性疾患などを扱っている。脊椎手術では三重大学との連携をとっている。このほか人工股関節手術、手の外科手術なども手がける。
 「整形外科は内科の次に患者さんが多い科です。園田部長は非常に教育熱心ですし、専門医研修施設としての症例数も十分です。5人の常勤医がいますが、本当に明るい雰囲気の科ですね。」

◆ 麻酔科
 200床程度の病院では珍しくなってきた常勤医が在籍している。このため全身麻酔下による手術が常時対応できる。
 一方、名張市立病院は伊賀地域のメディカルコントロールにおいて大きな役割を担っている。そこで地域消防からの要請で、救急救命士の実習を受け入れ、器官挿管や薬剤投与などを指導している。
 「黒渕医師はそういった教育にも積極的です。麻酔科医には優れたコミュニケーション能力が必要とされますが、非常に優しく、立派な人柄で、患者さんからも職員からも慕われています。私どもとしても黒渕医師に存分に活躍して頂くために、現在麻酔科専門医の認定施設の申請を行っているところです。」

  <運営・経営方針>

◆ 病診連携
 現在、紹介率は39%と上昇の一途をたどっている。名張市と旧青山町を含む名賀医師会の全ての開業医が登録医となって、病診連携を進めているためだ。開業医からダイレクトに外来やCT、MRI、内視鏡の予約ができるシステムも整備した。名張市立病院からは逆紹介を増やし、再来患者さんを中心に「積極的にお返しする」ことを目指す。
「私も名賀医師会の理事を務めています。月に一度、私どもで会議を開き、開業医さんからのご要望を伺うほか、開業医さんとの合同の勉強会も開催しています。今後は内科を完全紹介型にしたいと考えています。」
 名張市には夜間8時から11時までの応急診療所があるため、一次救急は応急診療所で行い、二次救急を名張市立病院で行うという役割分担ができている。
 「応急診療所は内科や小児科のみの一次救急なのですが、それでも私どもの負担の減少につながっています。今後も市民の皆さんに応急診療所の存在をさらに周知していく必要はあるでしょう。」

◆ 臨床研修病院
 名張市立病院では2005年から管理型の臨床研修病院となり、現在は5人の研修医が初期研修を行っている。これは前院長である山門先生の『研修医のいない病院に将来はない』との考えのもと、臨床研修病院の指定を受けるための整備を進めてきた結果である。三重中央医療センターや三重県立こころの医療センターに協力を依頼して、プログラムを策定した。
 「200床の病院ですので、コモンディジーズの研修が中心です。やはり研修医がいることで常勤医も活性化されますし、指導することによってスキルアップしていくので病院全体が良い雰囲気になっていきました。今後は認定施設の取得に積極的に取り組み、専門医を取得しやすい環境整備をしながら、後期研修医の確保に傾注していきたいと考えています。」

◆ 今後の展望
 地域の皆さんからの最も大きな要望が救急です。今後は伊賀市との輪番制を視野に入れながら、救急体制を維持し、受け皿としての機能を果たしていきたいです。また小児科は現在2人体制ですが、来春には3人になる予定です。今後は5人まで増員し、発達障害などに関わる「小児療育センター」の設立を構想中です。名張市立看護学校から来春14人の新卒者を迎えますので、7:1看護が実現します。これにより労働環境が改善され、医療サービスの充実にもさらに力を入れていけるでしょう。

  <メッセージ>

 院内託児所を設けており、女性医師の復職支援にも積極的に取り組んでいます。公的病院ならではの働きやすさが保障されており、時間外手当などもきちんと付きますので、私より年収の高い医師がたくさんいます(笑)。患者さんやコメディカルスタッフに優しく話ができて、明るく元気な方に是非おいで頂きたいと思っています。

  <病院理念>
名張市立病院の理念
基本理念
市民の皆様に親しまれ信頼される病院を目指します
  <運営方針>
・ 患者さまの権利を尊重し、理解と納得に基づく良質で安心できる医療を行います
・ 地域の診療所、病院と連携して、地域医療、救急医療の充実に努めます
・ 地域に開かれた病院を目指し、ボランティア、学生等を進んで受け入れ、市民との交流を深めます
・ 公共性と経済性を考慮した健全な病院経営に努めます
・ 初心を忘れず、日々研鑽し、働きがいのある明るい病院を創造するよう努めます
  <病院概要>

創立

平成9年4月21日

敷地面積

24,946㎡

建物面積

18,068.96㎡

病床数

200床

診療科目

内科・循環器科、小児科、外科、整形外科、脳神経外科、眼科、 放射線科、麻酔科

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  <アクセス補足>

近鉄大阪線 名張駅(東口)下車

2007.10.01 掲載 (C)LinkStaff

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