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健やかで明るい日々を、輝かしく栄えある人生を
福岡輝栄会病院

福岡輝栄会病院は、福岡市の東部に位置し、JR博多駅から鹿児島本線で4駅目の香椎駅より徒歩約5分の、福岡市の副都心として栄えた香椎にある。このあたりは3校の大学の存在ゆえに、多くの学生で賑わっている一方、万葉集でも「香椎潟」と詠まれ、また神宮皇后が建立したといわれる官幣大社の「香椎宮」があるなど、いにしえの歴史が色濃く残っている街でもある。

今回は中村吉孝院長にお話を伺った。

◆中村吉孝院長 プロフィール

 中村吉孝院長は、同病院を設立した理事長中村孝秀氏のご子息である。中村院長は1960年の生まれで、1985年に福岡大学医学部を卒業後、第2外科に入局し、1986年に九州大学附属生体防御医学研究所、1987年に国立病院機構九州がんセンターの消化器部外科に配属となる。その後奈良県天理市の天理よろづ相談所病院で3年3ヶ月間外科医として研鑽を積んだ後、1991年9月に中村病院に戻り、副院長を経て昨年1月に院長に就任する。

  <病院の沿革>

 福岡輝栄会病院は、1961年1月に中村小児科医院として、現理事長の中村孝秀氏が33歳のときに、この地に設立された。中村理事長は佐賀県鳥栖市の出身であるが、祖父が炭鉱の鉱山技師だったため、日本の石炭産業の中心地であった福岡県の筑豊地区に長年住んでいた。その後、祖父が技師を辞めて福岡市に住みたいという希望があったのと、中村理事長が久留米医専(現久留米大学医学部)を卒業していたこともあり、福岡市内で土地を探していた。当時よりこの地は賑わっており、土地購入価格は非常に高かったというが、将来性を予感して決定した。無床の診療所ではあったが、当時は子どもも多かったので、1日に200人から300人の外来があったそうだ。
 1968年に、ベッド数50床の中村病院に改称し、1981年には脳神経外科に特化した病院を目指すため、当時著名な脳神経外科医であった秋田県立脳血管研究センター所長の故伊藤善太郎先生に指導を仰いだ。非常に大きな投資であったが、新病院建設に踏み切り、210床の病院が完成した。しかし病院が完成しても、脳神経外科の医師が足りなかったため、単科では経営が難しく、他に診療科目も増やすことになった。そこで1986年に73床を増床して283床とし、一般診療はもとより救急、労災病院として地域社会の信頼とニーズに応えられるようにした。
 また1992年には、283床の病棟区分を150床の一般病棟と133床の療養型病棟とし、ケアミックスの充実と看護スタッフの強化によるきめ細やかな看護体制を敷いた。その間も脳神経外科医師の不足に悩まされていたが、縁あって当時徳島大学医学部で活躍していた上田晋先生ほか3名の医師を招聘し、1997年に最新医療機器や診断機器を設置した脳神経疾患治療センターを開設し、専門医による高度な救急救命医療が可能となった。その際、名称を福岡輝栄会病院と変更する。名称の変更の主な理由は、中村病院の名称だと個人病院の域を抜け出せないような感覚となるし、また院長が作った病院理念の『穏やかで明るい日々をかしくある人生を』の二文字を取って、職員ならびに患者さんにアピールしたい思いがあったそうだ。さらに1997年に増改築を行い、2001年には南館新病棟が完成するなど、診療機能の高度化と療養環境を一新させた。
現在は、一日平均外来患者数は約250人、一日平均救急外来患者数は約30人という、地域に根ざした総合病院であり、福岡市東部地域の中核病院として、患者さんの治療・回復に心血を注いでいる。

  <病院の特徴>

◆ 脳梗塞超急性期の病診連携

・ストロークケアユニット(SCU)の立ち上げ-
 脳神経外科では、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などの脳卒中や脳腫瘍、頭部外傷、老人性痴呆、頭痛、めまいなどの診療をおこなっているが、特に脳卒中の超急性期治療に力を注いでいる。院長は、「脳出血やくも膜下出血などの出血性疾患の治療は発症後の時間との勝負になります。脳梗塞では、以前は発症3時間以内では病巣部位が分かりませんでしたが、最新式のMR診断装置等を使うと、3時間以内でも正確に診断し、直ちに適切な治療を開始できるようになり、予後が非常によくなっています。ですから地域住民に対して、脳卒中の予防はもちろんのことですが、発症した場合の早期受診の重要性を啓蒙しています」と語る。それを裏付けるように、福岡輝栄会病院は1990年代にヨーロッパで行われるようになった医療・看護・リハビリテーションが一体となって脳卒中を治療しておこなうStroke Care Unit(脳卒中集中治療室)をいち早く設置し、ヘリカルCTや、超高速撮影が可能な最新鋭のMRI機器、DSAなどを駆使し、脳卒中の種類や重症度を正確に診断し、治療にあたっている。看護については、脳卒中の術後管理のほか、神経症状の変化、呼吸や循環状態の観察をしっかり行っていないと、生命の危険に直結する場合も多いので、万全の体制をとっている。リハビリについては、急性期より行い、その後も脳卒中の後遺症があれば亜急性期、慢性期のリハビリテーションへと続く。また専門医が同乗して患者さんのところへ出向いて診断と治療を開始するドクターズカーを24時間配備して、迅速な処置・治療体制を整えている。

◆ 頚動脈内膜剥離術 全国トップレベルの治療

 頚動脈の狭窄症に対して、全国トップレベルの診断と治療がなされている。脳神経疾患治療センターのセンター長 上田医師によるところが大きいが、症例数は1000例にのぼる。頚動脈狭窄症はアテローム血栓症脳梗塞の原因として知られ、食生活の欧米化や、高齢化社会の到来で近年急増している疾患である。「頚動脈に狭窄が認められれば、ほとんどの場合、冠動脈にも狭窄病変があると考えていい。冠動脈病変を見落とすと、頚動脈剥離術中あるいは術後に心臓発作を起こすことがあります。我々は、一過性で症状が軽いTIA(一過性脳虚血発作)のように時間的な余裕がある場合、冠動脈病変を治療してから頚動脈内膜剥離術を行っています。一方、緊急で頚動脈内膜剥離術を行った場合でも、必ず循環器の専門医に冠動脈病変のフォローアップをお願いしています」と中村院長が話すように、質の高い医療が行われている。

◆ 地域とともに歩む病院を目指す。

 近くに九州大学医学部附属病院があるため、福岡市東区は病診連携にいち早く取り組んだ地域である。したがって東区内の病院・診療所の連携で、地域住民の医療を担うという地域完結型医療システムが完結されている。そして福岡輝栄会病院は特に脳卒中の超急性期病院として活躍している。また東区脳神経懇話会(福岡市医師会主催)の代表世話人は同院の上田医師が務めており、医師・コメディカルを対象に定期的に勉強会を開催し、また地域住民に対しても定期的に講演会を行い、脳卒中の予防の重要性を強調している。脳卒中の予防から治療、リハビリそして日頃からの啓蒙活動と、東区の住民にとってはなくてはならない病院だ。

  <運営・経営方針>

◆ 組織の活性化

 去年の1月に、中村理事長から中村院長へと病院経営全般を受け継がれたが、「マネージメントについては2つのポイントがありました」と中村院長は語る。
  「1つ目は経営理念をはっきりさせること。経営理念とはその病院のあるべき姿で、これをもとに長期、中期、短期計画を策定し、また日々の行動の中でもそれを意識して実践し、またアイデアを出していかねばなりません。『すこやかで明るい日々を、輝かしく栄えある人生を』という当院の理念を、医師、職員には日頃から言い聞かせています。無論、その延長上には患者さん、また取り引きさせて頂いている業者の方が全て幸せになるようにという願いがあります。
2つ目は、医師、看護師、コメディカル、事務部と複数の部門を横断的にみる部門である企画室設置し、縦割り部門の弊害をなくし、患者さんに最上のサービスを提供するように努めています。」
  1年が経過したところであるが、院長の熱い思いと、医師、職員の努力で病院が大きく変わったという。

◆ 地域における脳卒中予防対策の連携システム更なる強化

脳卒中予防には基礎疾患のコントロールが重要である。近年は高血圧だけでなく、糖尿病や高脂血症、メタボリック症候群などの一連の代謝症候群が注目されており、これらのリスクを多く持つ人が脳卒中の危険性が高いと言われている。一次・二次予防の対策を地域の医院・クリニックと連携して効果を上げていくにあたり、以下の2点を考えていきたいという。

1.「死の四重奏」と言われる疾患を有する者が脳卒中発生率が高いことについて、住民の皆様に啓蒙する。
2.脳卒中発症後の管理について、主治医との連携により薬物治療管理、食事療法、運動療法の継続実施などの指導・助言を行っていく。

「一見非常に簡単な内容に思えるかもしれませんが、まず脳卒中になる前にいかに早く発見するか、また不幸にしてなった場合、いかに有効なリハビリをして、普通の生活に戻してあげられるか、それが当院の使命です」と院長は目を輝かせて語った。


◆ 療養型病床の大幅削減に対する対策

一般病床

186床

療養型病床

97床(医療型 73床・介護型 24床)

 療養型病床のうち介護療養型が24床で、これは老人健康保健施設に転換する方向で考えている。場所は併設している駐車場を予定している。「ただ厚生労働省は、突然方針を変えるのが得意なので、方針を十分見極めてやらないと大変なことになりますから、慎重に計画を進めていきたいですね(笑)。」
  また医療療養型のうち28床は、既に回復期リハビリテーション病棟に変わっており、残りの45病床は重篤な患者さん(医療区分2.3)のために残す予定である。

  <メッセージ>

 当院は一般診療はもちろんのこと、最新医療・診断機器を設置した脳神経疾患治療センターで専門医による高度な救急救命医療を提供することで地域に貢献しています。院内は自由な風潮の下、職員一同、暖かいハートを持って患者様と向き合っています。熱意を持って診療して下さる先生を心からお待ちしております。

  <病院概要>

創立

昭和36年

敷地面積

1,926.04㎡

建物面積

7,115.43㎡

病床数

283床

指定医療

救急、労災、原爆

診療科目

脳神経外科、外科、整形外科、心臓血管外科、形成外科、
泌尿器科、肛門科、内科、胃腸科、呼吸器科、呼吸器外科、
循環器科、アレルギー科、リュウマチ科、リハビリテーション科、
眼科、放射線科、麻酔科

専門診療

脳神経疾患治療センター、脳ドック、健康診断、脊髄外来

専門外来

脳卒中外来、頭痛外来、めまい外来、高血圧、高脂血症外来
胃腸科外来、アレルギー外来

健康教室

脳卒中健康診断、糖尿病教室、各疾患別の個別栄養指導

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  <アクセス補足>

JR鹿児島本線 香椎駅 徒歩5分

2007.01.01 掲載 (C)LinkStaff

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