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多彩なセンターが有機的に結合する
医療法人 医誠会 医誠会病院

 医誠会病院はホロニクスグループの中核病院として、その医療文化を牽引する存在である。電子カルテ、画像転送システムの充実ぶりは広く知られるところであろう。また近年はセンター化構想を推進し、一般の外来機能とは異なる専門センターを整備している。さらに「SOPHIA健康増進センター」では人間ドックなどの先進的な予防医学を展開する。

今月は医誠会病院の房本英之院長にお話を伺った。

房本英之院長は1941年生まれで、1966年に大阪大学医学部を卒業し、大阪大学医学部第一内科に入局した。その後、関西労災病院を経て、大阪大学医学部第一内科助手、講師を歴任し、1992年に大阪大学第一内科助教授に就任する。1996年に東大阪市立中央病院(1998年に東大阪市立総合病院に改称)院長に就任し、病院の新装移転に尽力する。2006年3月に同病院を定年退職し、同年4月に医誠会病院の院長に迎えられた。



房本 英之 院長



  <病院の沿革>

 医誠会病院は1983年に211床で開設された。谷幸治理事長が率いるホロニクスグループの橋頭堡として、その歴史が始まった。場所は大阪市東淀川区菅原で、阪急京都線、千里線の淡路駅から徒歩7分ほどのところである。淡路駅は大阪市営地下鉄堺筋線とも連絡するなど、交通の要衝となっている。
1986年には現行の327床に増床した。1998年に開設した日帰り手術センターはその後のロボット手術センターを想起させるものである。また1999年にはSOPHIA健康増進センターが完成し、予防医学にも力を注げる体制が備わった。2002年に画像応用低侵襲治療センター、2003年には免疫化学センターを開設し、新しい医療へ革新を遂げている。
このようなセンター化構想は医誠会病院が強く推進するものである。房本院長も「臓器別に診るという従来のやり方では、患者満足につながらないのではないかと思っています。例えば、脳卒中であれば脳外科、神経内科の両方の見方が必要でしょう。そして高次機能に関しては精神科、それからリハビリです。このような様々な専門科の知識を集約できるのがセンターの特徴だと考えています」と話す。
急性期病院としての存在を保つためには、地域の医療機関との機能分化を図ることが必要不可欠である。医誠会病院では紹介型の外来受診の推進とクリニックへの逆紹介への取り組みに傾注し、30%を超える紹介率を獲得している。2004年には開放型病床も開設し、今後も病床の拡大を検討中である。

 
  <病院の特徴>

◆ ロボット手術センター
房本院長が「先端医療は経営にとっては必ずしもプラスになるとは言い難いのですが、患者さんのニーズにお応えするために積極的に取り入れることができるのは民間病院の強みだと思っています」と語るように、医誠会病院における先端医療の存在は非常に大きい。その一つであるロボット手術センターは本来はロボット手術を行う各科の集合体である。治療自体は各科が独立して行っているが、ロボットの使用にあたっての調整や教育などは統一して行われているため、センターとして統合されている。
器材はZEUSとROBODOCを完備し、ZEUSは外科と泌尿器科、ROBODOCは整形外科で使用している。当初は外科が胆石症などの腹部手術を行っていたのだが、近年では泌尿器科による腎臓、副腎、前立腺の手術へと応用することが可能になった。また外科、整形外科はロボット手術外来を設けている。2004年度には26例の手術実績を挙げている。



◆ 画像応用低侵襲治療センター  
  医誠会病院が目指す総合的・集学的低侵襲医療の中心となる存在が画像応用低侵襲治療である。医誠会病院における低侵襲治療とは、患者さんの肉体的、精神的負担の軽減だけでなく、経済的、時間的負担が少ない治療も含んでいる。房本院長は「画像診断装置の応用により、病変の位置を正確に把握し、カテーテルや針の挿入を助けるため、腫瘍の直接焼却、血管の塞栓、血管や管腔臓器の拡大などの治療が可能となりました」と語る。これには経カテーテル動脈塞栓術(TAE)や、動注化学療法、マイクロ波腫瘍凝固療法(PMCT)、子宮筋腫に対する子宮動脈塞栓術、集束超音波治療が含まれる。

◆ 心臓血管センター
常勤医師6人、非常勤医師8人を擁する大部隊である心臓血管センターでは、24時間対応で心臓カテーテル、心臓・大血管手術が可能である。胸部、腹部の大動脈瘤破裂の疑い症例や急性大動脈瘤の疑い症例でも最新式のマルチスライス3DCT(ゾマトム16)により、短時間で的確な診断を行っている。
狭心症や急性心筋梗塞では心臓カテーテル検査を行うが、従来の大腿動脈穿刺だけでなく、上肢の動脈穿刺も行い、患者さんの負担を軽減させている。心臓カテーテル治療に関しては経皮的冠動脈形成術(PTCA)、ステント留置術、アテレクトミー術を行っている。成功率も95%以上に向上しているという。
さらに冠状動脈バイパス術は人工心肺を使用しない方法が可能となり、平均在院日数の短縮にも貢献している。


超高速マルチスライス
3DCT「ゾマトム16」


上:高性能MR(磁気共鳴断層装置)
下:アンギオ装置

◆ 脳卒中センター
2005年から脳神経外科の常時当直を開始した。常勤医師4人、非常勤医師2人全員がマイクロカテーテルを操作しての血管溶解療法が24時間可能である。房本院長は「アンギオ装置も2台あるので、救急対応の際も困らないですね。スタッフが、それぞれ脊髄、脳血管内治療の専門を持ち、広範囲な内容をカバーしていることも特徴ではないでしょうか」と話している。
放射線治療装置も有し、悪性腫瘍にも対応する。先述の3DCTでのバーチャル画像を含め、MRIでの脳血流測定など画像診断装置の充実には自信を見せる。

◆ 日帰り手術センター
房本院長が「患者さんへのサービスの一つ」と自認するのが日帰り手術センターの存在である。外科であれば、痔疾患、鼠径ヘルニア、胆石・胆嚢ポリープ症などが、内科では大腸ポリープ切除術、眼科による白内障手術など幅広い対象疾患を持つ。2004年度の日帰り手術件数は1408件であり、月平均118件と高い実績となっている。
このセンターでの診療により、治療費も2割から5割ほど低価になり、患者さんの金銭的負担も軽減されている。専属の看護師も配置され、患者さんとの信頼関係の構築に努めている。


MRI・MRA

16 Multi slice CT

頚動脈超音波検査

◆ SOPHIA健康増進センター
SOPHIA健康増進センターは「最高の設備」「最高の技術」「最高のサービス」を目指している。検査による侵襲はほとんどなく、ドック専用のアメニティスペースを完備していることが大きな特徴であろう。人間ドックでの胃や頭頚部血管などの3Dバーチャル画像は2004年度に2165例作成した。これらの画像は全てMPEGなどの汎用フォーマットにエンコードし、デジタル動画処理を行っている。また各診療科、センターなどからの依頼による仮想気管支、血管内視鏡などの特殊3Dバーチャル作成なども手がけている。
電子カルテの整備が進んだことにより、ドックのプロセスも早くなり、大腸検査を除く全ドックが約6~7時間で終了するという。
医誠会病院では上部消化管検査である「胃バーチャルドック」の日本初の実用化に成功した。これは発泡剤を服用させた腹部CTより画像処理を行い、胃粘膜の内腔および辺縁を観察するもので、肝臓、胆嚢、膵臓などの周辺臓器の病変も通常の横断像から発見できる利点もある。さらに「尿素呼気試験」でのピロリ菌の検出や胃粘膜の萎縮の程度を調べる「血清ペプシノーゲン検査」を併用し、総合的に診断することができる。
全国でも珍しい「マンモバス」も注目に値する。医師、看護師、事務スタッフ、運転手に至るまで全て女性が携わる健診車である。房本院長は「車内にデジタルマンモグラフィーを完備し、画像は撮影後、即座に病院に送られます。車内の婦人科医師が一次診断をつけている間、病院では放射線科の医師が読影を行い、一次診断後に二次診断の結果を申し上げられるようになっています」と話す。
2006年5月にはPETも導入し、さらに高い品質の検査を目指す。

 
  <運営・経営方針>

◆ コメディカルの充実
まずコーディネーターの層が厚いことが特色である。入院コーディネーターが5人、外来コーディネーターは14人の体制である。近年、回復期リハビリテーション病院への転院のケースが増え、コーディネーターの存在意義はますます高まっている。次に各センター長を補佐するマネージャーも患者満足を高めるための重要な役割を果たしている。房本院長は「医師が悪くて、コメディカルが良いという病院はありえません。医師が頂点に立つというわけでは決してありませんが、医師が良ければコメディカルの質も上がると思います。特に看護師は医師のパートナーとして魅力的な病院を作るために不可欠のスタッフです」との信念を持つ。

◆ ホロニクスグループ
ホロニクスグループは医誠会病院、城東中央病院(大阪市城東区)などの治療型病院を中核として、大阪府内、岡山県、滋賀県、愛知県、京都府、奈良県に9つの病院、6つの診療所、4つの介護保健施設、4つの居宅介護支援事業所を運営している。ホロニクスとは「個と全体が有機的に調和する」という意味で、個人と社会の理想的な共生関係を象徴する言葉であるという。今後はさらなるネットワークを構築し、患者さんのみならず、広い市場からの信頼獲得につなげたいとしている。


病院外観

◆ 今後の展望
これまでセンター化構想を推し進めてきましたが、これから整備していきたいのは、がんの集約的センターです。例えば、免疫療法の充実が挙げられるとともに、化学療法に関しても、患者さんのニーズにお応えするためには、これまでのような外科医が片手間に行っていた診療では十分ではないはずです。一般内科、免疫内科、放射線科の医師などもも加わり、包括的な診療に力を注ぎたいです。
全ての改革は患者さんのための目的です。病院経営などはその手段にすぎません。この目的と手段の混同がないように、常に良心の医療を提供していく所存です。

 
  <房本英之院長からのメッセージ>

 先端医療と同様に重要視しなくてはいけないのが標準医療です。EBMを徹底させた医療を行うためには、良い医師の存在が不可欠です。では、良い医師とはどんな医師なのでしょうか。私は自分本位の見方を捨て、相手の立場に立てる医師であると思います。そして「見」「視」「観」「診」「看」の、それぞれの「みる」を使いわけながら、さらに目に見えないものを見ることが大切でしょう。病める人のために医師になったのだという原点を忘れないで頂きたいですね。そこにこそ本当のやさしさや思いやりが生まれるのだと信じています。
私自身は国立の大学を卒業しましたから、医師になるために多くの税金を頂いたわけです。それを皆さんに還元したいという一念で務めを果たしてきました。今度は良い病院を作っていくことで、さらにご恩返しができればと願っています。


病院外観
 
  <理念>

理念
先進的で高度・良質な医療の提供による豊かな生命・健康の回復と創造

基本方針
(1) 医療の質を重視した患者本位の統合的医療を志向する。
(2) 法を遵守し、患者の権利を尊重するとともに、情報開示を推進する。
(3) 医療人としての責務と使命を自覚し、知識・技術の研鑽・向上に励み、また次世代の良質な医療人の育成を支援する。
(4) 高度・先端医療への取り組みを通して、医学・医療の進歩、社会の発展ならびに人類の健康・福祉の増進に寄与する。

 
  <求人情報>


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  <アクセス補足>

「新大阪」からのアクセスの場合、
大阪市営地下鉄(御堂筋線)「西中島南方」へ。阪急京都線「南方」に乗り換え、阪急「淡路」下車徒歩7分。

  

2006.06.01 掲載 (C)LinkStaff

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