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産婦人科ひとすじ50年 取り上げた赤ちゃん5万人
産婦人科 菅原病院

 菅原病院は埼玉県越谷市にあって抜群の信頼を誇る産婦人科で、1977年同市に移転してきた(当時の名称は「菅原産婦人科」)。以来地域の産婦人科を支え続けてきている。
 95年、同じく越谷市に菅原レディスクリニックをオープン、97年には本院も「産婦人科 菅原病院」としてリニューアルした。誰もが安心して頼れる産婦人科の「老舗」として、その地位を確立している。

 菅原賢治院長は1930年山形県生まれ。56年に昭和大学医学部を卒業後、聖路加国際病院、新潟大学産婦人科教室で勤務。その後、北多摩郡昭和病院産婦人科部長を経て開業した。
 産婦人科医としてのキャリアは50年になり、約5万人の子供を取り上げてきた分娩のエキスパートである。医師としては、日本産婦人科学会認定医、母体保護法指定医の資格を有する。


菅原 賢治 院長



  <病院の沿革> ――越谷で信用を築くまで――

病院外観

 菅原病院の起源は1947年、千葉県八千代市での菅原産婦人科開業にまでさかのぼる。1977年に埼玉県越谷市に移転、越谷駅前の一等地にあって長く地域の産科医療を支え続けてきた。1995年、同じ越谷の地に菅原レディスクリニックを開院。また97年、菅原産婦人科本院も菅原病院として生まれ変わった。
「ウチを頼ってくださる方々を、幅広く受け入れられる体制を作りたいと思っています」
 また4月3日には、同じ埼玉県の草加市にもクリニックを開設する。

 
  <病院の特徴> ―― 老舗ならではの診療とサービス ――

 菅原病院は妊婦の多様なニーズに応えるべく、様々な診療を行っている。
 その一つが無痛分娩だ。日本での普及度はまだ低いが、欧米ではもはや常識の、麻酔を用いた出産法である。出産の痛みを軽減するだけでなく、医学的にも様々なメリットがある。
 例えば麻酔の持つ筋弛緩作用は、胎児のスムーズな娩出を助けてくれる。また分娩時の過度な痛みは母親の過呼吸を招き、低酸素血症(胎児仮死の原因ともなりうる)を引き起こす場合もあるが、麻酔を用いれば呼吸が正常に戻る。無痛分娩は母子のリスク軽減にも極めて有効なのである。


ホテル仕様の入院室

マタニティビクスを格安で提供

 また不妊治療についても高度な療法までカバーしており、体外受精、顕微受精まで可能である。現時点では女性不妊のみの治療だが、近く男性不妊へも対応できるよう体制を整える予定だ。
診療全体を通じて重視しているのは、妊娠から産後に至るまでのトータルケアである。産後の育児にも耐えられるよう、先を見越した母体管理を行っている。
 その一環として妊婦に勧めているのが、マタニティビクスだ。これは妊婦専用のエアロビクスであり、出産・育児に備えて体力をアップさせるものである。同院では専門家を招いての指導を行っているが、一回の指導料が800円と極めて割安だ。

 快適な入院のための工夫も目を見張るものがある。すべて個室の部屋は内装にもこだわっており、女性たちには「ホテルみたいなお部屋」と好評だ。退院時には「お祝い膳」があるほか、美容室での無料洗髪サービスまで用意されているというから驚きである。
 どれをとっても「母と子のために、最高の環境を提供する」菅原病院の姿勢がうかがえる。


「お祝い膳」肉料理・魚料理から選べる
 
  <院長の想い> ――日本の産婦人科を、頼む――

 日本の産婦人科医療の現状は周知の通り、絶対的な医師不足によって個々の医師がますます過酷な労働を強いられている。さらにそれを見た若い医師たちが産婦人科に進まなくなる―――そんな悪循環が延々続いている。5万人もの子供を取り上げてきた菅原院長は、その過酷な時代のまさにど真ん中を進んできたのである。
「人生イコール産婦人科でした。何よりも24時間の仕事です。出産はいつ起きるか分からないですからね」
 産婦人科を選んで以来、それ以外のことは何もできなかったと院長は話す。
「遊びはすべて捨てましたし、友人・知人と何か約束をしても、破ってばかりでした。床屋すら行けない時だってあるんです。自分で振り返っても、途方もない歩みだと思います。もし生まれ変わったら、もう一度産婦人科をやるか?悩みどころですね(笑)」

 そんな中で50年も産婦人科をやってきたのは、なぜだろう。
「自分の選んだ道に責任を持ちたい、そんな気持ちでやってきました。『貧しくてお金が払えないけどお産を診て欲しい』そんな妊婦さんもいらっしゃっいました。責任を持って仕事をすることで、色んな方の助けになれれば嬉しいですから」
 産婦人科ひとすじ50年、使命感こそがその歩みの支えだった。


母子の命と健康のため、使命を果たし続ける

 菅原院長は今年で75歳になる。
「50年もやり続け、さすがに体力と気力が限界を迎えました」
 近い将来の引退を考える院長だが、このまま行けば日本の産婦人科は崩壊しかねないと心配する。
「大変な仕事であることは事実です。せっかく産婦人科を選んでも、続かない人も多くいます。しかし、他の科では決して得られないものが、この科にはあります。苦しみに耐える妊婦さんを見て、まだ見ぬ赤ちゃんを想えば、この母子のために何としてでも頑張ろうと、力がわいてきます。壊れそうなほど小さい赤ちゃんを取り上げ、その産声を聞けば…産婦人科を選んだことは決して間違いでなかったと思うのです」
 産婦人科を志す医師には、こうアドバイスを送る。
「せっかく産婦人科に進んでくれる若い人には、途中で挫折してほしくありません。そのためにも、医師が複数の体制で働ける場所を選ぶべきでしょう。また日本の産婦人科の状況も、人々の声によって改善されていくと思います。尊い命を誕生させる産婦人科が崩壊するなど、国民が許すはずがありませんから」

 菅原病院は現在隣接地に増築を進めており、完成後はさらなる高度医療の実現が可能となる。また草加市でのクリニック新設で、より多くの患者に門戸が開かれる。これらすべてが、院長にとっては引退前の集大成でもある。
「自分が現役のうちに、患者さんにとってより良い病院にしておきたい。そして次の世代の医師たちに、後を担って欲しいのです」
 この国の産婦人科を、頼む―――眼鏡の奥の院長の目に、次世代の医師たちへの熱き願いが宿った。

 
 
  <医療理念>

◆ 基本理念

”すべての女性のための、家庭的であたたかな医療”

患者さまが安心して健康を委ねられる医療”



 
  <アクセス補足>

菅原病院 東武伊勢崎線・越谷駅より徒歩2分
菅原レディスクリニック
東武伊勢崎線 蒲生駅より徒歩7分


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2006.04.01 掲載 (C)LinkStaff

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