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女性スタッフによる、女性のための総合医療を提供
医療法人財団緑生会 水口病院


熊田梨恵氏(左)と吉田文彦氏(右)

 東京都武蔵野市吉祥寺は、新旧の街並みに井の頭公園の緑地も広がる人気の街。水口病院は吉祥寺駅南口から徒歩1分、おしゃれな外観が目を引く5階建てのビルだ。今回は常任理事で理事長代行の吉田文彦氏と、経営管理室の次長である熊田梨恵氏から、水口病院の沿革、特徴、経営理念などを中心にお話を伺った。



  <病院の沿革>

 昭和27年4月、初代院長の水口清司氏により、産婦人科・内科で開院した。平成10年、横浜市立大学医学部附属病院院長、日本産婦人科学会会長を務めた水口弘司氏が二代目院長に就任するが、平成16年4月に急逝された。同年8月、前院長の義弟の吉田氏が理事長代行就任に伴い、権限の集中しがちな従来の事務長職を廃止して、全員が女性スタッフからなる「経営管理室」を発足して、新たな第一歩を踏み出した。


病院外観



  <病院の特徴>

待合室

◆患者の満足を最優先
病院の内装改築工事の一環として、
待合、受付ホールをアール・デコ調(*1)に改築し、平成17年8月ごろまでに女性外来、病棟、分娩室に至るまで「女性患者様の満足を最優先する病院」にふさわしいレイアウトへと変更を予定している。
「それまでの医師中心の医療から、患者様中心の新しい医療に展開を図るべきと認識させられました。そこで『人間性の尊重』『個別性の尊重』『関係性の尊重』『知る権利の尊重』を掲げ、改革に取り組み始めました。経営管理室は、経営を専門的に行うスタッフと診療行為に専心する医療スタッフとを明確に分離した上で、コラボレートしていこうと立ち上げました」と吉田氏。

(*1) 1920~30年代にかけてフランスを中心に発展したデザインで、幾何学模様が特徴。

 経営管理室スタッフ8名の年齢層は、同院で出産する患者と近い25~28歳が一番多い。これは患者のニーズを把握しやすい利点がある。職場環境はどうなのだろうか?熊田氏に率直な実感を伺うと、「患者様の使うトイレットペーパーが良くないと提案すると、吉田(理事長代行)はすぐに現物を手にとって検討してくれます。また街のレストランで出てきた食器を病院でも採用したいと思うなど、日常生活すべてが病院運営に結びつけた姿勢を維持しているので、働きがいがありますね」という答えが返ってきた。

◆女性専門外来の設置
現在は外来で心療内科(お悩み相談)と女性内科の診療、アロマセラピストの認定を受けたスタッフによるアロマ外来、助産師が妊婦と1対1で話す助産師相談の開始を予定しており、今後は皮膚科診療も予定中だ。さらにカウンセラーによるカウンセリングも近々開始される。

◆アロマセラピーサロン「Lumiere(リュミエール)」
  平成16年12月にアロマセラピーを行うサロン「Lumiere(リュミエール)」をオープンした。月経不順・月経痛、美肌対策などの一般メニューと、妊娠中のむくみ、産後の疲れを癒すマッサージなどの妊産婦メニューがある。サロンは病院の5階にあるので、3~4階の入院患者にとって身体への負担が少なく利用できる。
  熊田氏は「Lumiereに来られた最初の患者様は、アロマセラピーを受けている間、リラックスしてずっと話続けていたそうです。まもなく子どもを生む喜びがあるはずなのに、病室に閉じこもった環境でストレスがたまり、それをどこにも訴えることができなかったのでしょう。それが心療内科開設のきっかけです。心療内科、カウンセリング、アロマセラピーがお互いに連携して、女性のライフステージをトータルでサポートしたいですね」と話してくれた。


Lumiere

◆さまざまな形の地域連携
妊婦がマタニティー期も気軽にスポーツを楽しめるようにと、スポーツクラブNAS吉祥寺と共同開発したプログラム「マタニティーエクササイズ」「マタニティーアクア」に助産師を派遣している。また近隣の武蔵野美術大学の学生が創作した絵画や彫刻を院内に展示する企画も行っている。


  <運営・経営方針>


カフェ(カフェ・ド・ディアーナ)

◆ホテル並みのホスピタリティ
 水口病院を訪れるのは妊婦検診等で同行されるパートナーの方などの同伴者を除き、お産を中心とした女性がほとんどだ。
  吉田氏いわく、「従来の病院スタッフは患者様のサービスを優先するより、仕事の質や量の増大を嫌う向きが多いかと思います。そこでスタッフには、『患者様に喜んで頂くことが自分の人生にとって有益なことである』ということを認識してもらえるように腐心しています」
  同院ではホテル並みのホスピタリティを目指している。スタッフには接遇マナー教室を受講させるなどの研修を実施中だ。

 

 院内の設備もホテル並みのものに改装中で、例えば食堂は出産した患者が出産祝いに家族や親類とシャンパンを抜いてお祝いできることを想定したインテリアを採用した。また病院まで足を運ぶのが困難な遠隔地に住む親類などに新生児を紹介できるような配慮として、平成17年4月からインターネットTV電話を順次導入する予定だ。

◆吉祥寺在住の中高年者向け増患対策
 患者の年齢について、以前は中高年者がかなりの割合を占めていたが、現在は若年化傾向にある。初産の平均年齢は約29歳だが、水口病院の場合はそれよりも若い層が多い。
「吉祥寺に遊びにくる人は若年化していますが、住んでいるのは武蔵野夫人と呼ばれる年齢も知的水準も所得層も高い人たちが多いのです。当院では骨密度測定装置などの中高年向けの機材・設備を備えているのですが、患者様の若年化で稼働していないのが残念ですね」と吉田氏。
  そこで中高年患者の増患対策として、アンチエイジングの視点を絡めた更年期の婦人科に加えて、メンタルケアを必要とする患者も多いので、こうした中高年患者向け診療体制の確立と専門クリニックの開設を検討中だ。また4階に設置されている介護療養病棟の移転も考えているという。

◆安心して子どもが産める社会を目指して
 少子化の影響で産科の医療機関が撤退・転科している現在、産婦人科に特化してきた水口病院としては、どういう展開を考えているのかを熊田氏に伺った。
「第一に働く女性が仕事を終えてから来院できるように、22時までの夜間診療や土日の休日診療を行う体制を整えます。
  第二に医師の正しい知識を元にした講座(ダイエット、アロマセラピー、カラーセラピーなど)や、入院患者様向けには有名なパティシェと提携したスイーツのイベント、オーガニックのお料理教室などの開催を企画しています。今までは具合が悪くないと病院に行けないような敷居の高さがあったと思いますが、今後は『イベントや講座があるわ』と気軽に足を運んでもらい、併せて健康相談もできるようにしたいですね。名前も「性の健康相談外来」「お薬相談外来」「ダイエット外来」と分かりやすい言葉で表現します。
  第三に働く女性を支援する一貫として、普通の方よりも厳しい労働環境にある女医さんが、医療の現場に復帰できるように応援していきます。ワークシェアリングを導入して、短時間勤務シフトを組みたいですね。出産や子育て経験のある女医さんは、患者様に向かって話す言葉や態度に説得力があるからです。また若手女性医師の働く環境を改善する研究をやっている先生方に対して、ワークシェアリング制を導入した当院の現場の声を提供していくことで、医療を変えていきたいですね。こうした取り組みが少子化の歯止めになるのではないかと思います」


スタッフルーム


外来診察室

◆価格に見合った患者満足度の高い医療サービスを提供
 吉田氏は現在の医療保険制度はある意味、限界に達しており、厚生労働省の動きをウォッチしながら右往左往するのではなく、政策の変化に左右されない病院経営を考えているという。そこで重要なテーマとなるのが、価格に見合った医療サービスをどんな形で提供するかということだ。この点について吉田氏と熊田氏に伺ってみた。

 

「患者様が対価に見合った医療サービスを受けたいと言う要望に応えることが必要ですね。また医療機関は安全性や安心感、言い換えれば不安や不信感の解消が大切であり、最優先されるべきだと思います。患者様と信頼関係を構築して、顧客ロイヤルティを高めていけるような組織的な取り組みが重要になるでしょう」と吉田氏。
  一方、熊田氏は「病院という存在は患者様満足を追求しなければ、患者様は来院してくれません。まだ改革段階ですが、自分たちが行きたい病院、自分たちが子どもを産みたい病院を創るという気持ちで取り組めば、必ず成功するという確信があります」と話してくれた。



  <病院の理念>
 

私たちは、女性患者さまのニーズに応えるために、3つのミッションを掲げます。

(1)安心・安全で、かつ満足・納得ができる医療
(2)EBMに基づく確かな技術と人間性あふれる医療
(3)必要なときに効果的・効率的に提供できて、かつ患者さまにとっても快適な医療

これらの医療サービスの提供・展開の実現と、その維持を図るため、水口病院は最善をつくします。

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●常勤医師募集情報

  

2005.04.01 掲載 (C)LinkStaff

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