HOSPITAL INFO

バックナンバーはコチラ

44


急性期病院としての機能を高めて、地域住民の健康をサポートする
医療法人 蘇西厚生会 松波総合病院 副院長 松波和寿氏



副院長 松波 和寿 氏

 今回は岐阜県羽島郡笠松町にある松波総合病院を訪問した。岐阜駅から電車で約1時間、名鉄竹鼻線の西笠松駅から徒歩10分ほどのところにある。どちらかといえば県の中心地から離れた郊外にあり、車社会とはいえ決して良い立地ではないが、常に「患者の選ぶ病院ランキング」の上位に登場する。院長の山北宜由氏が多忙を極めるため、副院長の松波和寿氏にインタビューした。

 
 
 <病院の沿革>
 
 松波総合病院は、昭和8年に松波外科医院として現在の位置より数百メートル離れたところに創設された。以来、「地域の住民の方々の健康維持に貢献する」という創設者の信念を受け継ぎ、地域社会に貢献し続けている。
 昭和22年、医院を廃止して20床の松波病院を開設し、10年後の昭和32年には法人が設立された。昭和54年には250床に増床するも、地域の人口増加などにより手狭になったことから、昭和63年2月、437床で15の外来診療科を掲げる総合病院として、現在地に移転、新たに開設された。なお、旧病院の跡には、介護老人保健施設やまつなみ健康増進クリニック、在宅介護支援センター、居宅介護支援事業所がある。
 科目は、当初の15科目に循環器科・消化器科・呼吸器科・呼吸器外科の4科目を増設(平成元年)、続いて心臓血管外科(平成10年)、神経内科(平成11年)、形成外科(平成12年)が追加された。2004年8月現在、院内標榜の内分泌内科、成人病内科、消化器外科及び健診科を加えて26科目である。
 外来患者は1日平均1000人近く、救急車の受け入れは40件程度。地域住民の方々に質の高い医療を効率的・継続的に提供することを病院理念として、不休で地域に根ざした急性期病院としての役割を果たしている。


松波総合病院外観




2002年8月にオープンした 松波健康増進クリニック
 
 
 病院の特徴>
 
◆ 急性期病院としての機能をより充実させる

「急性期特定入院加算、臨床研修指定病院と地域医療支援病院、いわゆる『急性期病院3点セット』ですが、これらを全部取得している病院は、全国でも数えるほどしかないですからね。これからの急性期病院のトップランナーとして、走り続けることになるでしょう」

 まず、平成6年4月に「臨床研修指定病院」としての認定を受け、続いて平成16年1月1日には、東海3県初の「急性期特定入院加算」を取得した。高度な急性期病院としての機能を有する証ともいえる診療報酬加算であるが、要件が非常に厳しいため、現時点での算定病院は全国でもまだ30程度である。残るのは「地域医療支援病院」だが、これもすでに申請している。
 
◆ 急性期の治療を終えた患者をケアするために

 松波総合病院の特筆すべき点は急性期医療だけではない。関連施設であるまつなみ健康増進クリニックや回復期リハビリテーション病棟、介護老人保健施設などで、患者が自宅に戻るまでを総合的にサポートしている。クリニカルパスも充実しており、患者はプリントアウトして持ち帰ることができるという。また、生活習慣病などの予防にも力をいれているという。



◆ 特殊外来で地域住民の健康を全人的にサポート

 平成15年7月、駐車場などを含めて敷地内を全面的に禁煙とした。同時に、健康に携わる病院が率先して禁煙運動を勧めていこうとの考えから、「禁煙外来」が誕生したのである。この外来では、一般内科の医師を中心に栄養士や薬剤師などがチームを組んで、1名につき2、30分ほどかけて患者さんの相談にのっている。週2回の診療だが、訪れる患者は徐々に増えてきている。
 また、平成16年6月から、「女性外来」がスタート。こちらは産婦人科の女性医師が担当している。「こんなことで病院に行っていいのかしら」「受診するのが恥ずかしい」と、通常の産婦人科での受信を戸惑う女性に対して、カウンセリング形式で診療を行う。1名につき約30分を要するため、完全予約制だ。女性のための女性による診療のためか、予約はかなり先まで埋まっているという。
 なお、禁煙外来・女性外来ともに自由診療であるが、再診料しかとっていないので、採算は度外視だ。



「タバコと健康」をテーマに開催されたセミナーの様子




5月29日に行われた「国際助産師の日」イベント風景

 
◆ 電「紙」カルテを用いた情報の共有化

 本年4月から、クリニカル・サポーティング・システム(通称CSS) をスタートさせた。情報の共有化を目的としており、すべてがフォーマット化された共有ファイルに、患者のカルテやいわゆる「ヒヤリ・ハット」報告などが記録されている。この共有ファイルは、各科のみならず提携するクリニックでも閲覧可能である。
 なおすべての情報が電子化されているわけではなく、共有することに適さないと思われるものは、紙に保存されたままだ。そのため、「電『紙』カルテ」とも呼ばれている。
  
 
 
 <運営・経営方針>
 

◆ 「質の高い医療」を提供するために、優れた人材を集める

 院内では「『質の高い医療』とはなんぞや?」という議論が交わされるという。松波氏は、「人それぞれ解釈は異なるし、当然、答えは1つではないでしょう。ですが、問題意識を持ち続けることが大事だと思います」と言う。また、以下のように続ける。

 「その答えの1つとして、優秀な医師の確保があると思います。病院として欲しいのは、向上心がある医師ですね。全国トップクラスの急性期病院の一員として、当然症例数は数多くこなさなくてはならないですし、高いスキルも求められます。また、地域に根ざした病院としては、患者とのコミュニケーション能力も必要になってきます」
 
 当院で勤務したい医師からの問い合わせは少なくない。また、医学生には臨床研修先として人気もある。しかし、その地位に甘んじることは
ない。

「患者さんの病院に対する評価基準は、医師だけではないです。看護師や受付、清掃員に対する満足度、施設に対する満足度など、様々な要素が重なり合っています。例えば、ディズニーランドでは、受付から清掃員まで、全スタッフが笑顔でお客さんを迎えているでしょう?徹底したサービスぶりですよね。うちもそうありたい」


 


受付。広々としており、ホテルのフロントようだ。


玄関に置かれた自動演奏ピアノ。 音楽を奏でながら患者を迎えいれる。
◆ 急性期病院として将来を見据えた展開
 
 今後も地域により一層貢献するため、急性期病院としての体制をさらに充実させる予定の松波総合病院。そのために、何を重視しているのだろうか?

「まずは、地域医療支援病院としての承認を受け、今まで以上に急性期を充実させていく。これは病院の根幹ですから。次は今後の医療体系をみすえたDPC の導入。そして、これからの高齢化社会では『社会復帰』がキーワードとなるので、リハビリを強化したいと思っています。そのためにマンパワーは必要不可欠。医師・看護師はもちろんのこと、OT・PTや 薬剤師、その他スタッフまで、自分で考えてそれを実行できる人はいくらでも欲しい。一緒に病院を作っていける人、お待ちしています」
 
 
 
 <病院の理念>
理念

  私たちは、地域住民の皆様に、安全で質の高い医療・福祉を効率的かつ継続的に提供する。


基本方針

  私たちは、医療における安全を重視し、根拠に基づいた医療・福祉サービスを提供します。
  私たちは、患者様や利用者の方のプライバシーを守り、権利を尊重します。
  私たちは、経営の安定と組織の活性化を図り、職員の働きがいと生活が安定し向上する
  よう努力します。
 
松波総合病院HP↓


e-doctor掲載中の求人票

● 常勤求人票

【HOSPITALINFOバックナンバーリストへ】

 

2004.08.01 掲載 (C)LinkStaff

バックナンバーはコチラ