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「波の音が聞こえ、海風を感じられる病院」
聖ルカ会 パシフィック・ホスピタル 理事長/院長  宮内好正先生



理事長兼院長 宮内 好正氏
前理事長の(故)猪狩好令氏とは、ヨット仲間であった。

「ここまで海に近く、空を見渡せる病院は他にあるでしょうか」(理事長・宮内好正氏)

三浦半島の東南の海辺沿いに建つパシフィック・ホスピタル。海辺の県道は老健施設や特養ホームが充実しているため「福祉街道」と呼ばれているが、中でもパシフィック・ホスピタルは抜群のロケーションと設備を誇る。そのため、近隣の住民のみならず、遠方からも「あの病院で治療に専念したい、あの病院で静養したい」と希望する声が多い。一度入院した患者がまた戻ってくるというほどの人気ぶりだ。
今回は、理事長兼院長・宮内好正氏と法人事務長・倉田剛氏から、病院の沿革や特徴、経営理念などを尋ねてみた。

 
 
 <病院の沿革>

●老人病院としてのスタート


昭和49年の「緑ヶ丘病院」設立当時は、まだ老人医療が今日ほど注目されていなかった。そんな中、敢えて老人病院としてスタートさせた。横須賀市および三浦市の医療ブロックには、国立や市立、共済等の急性期医療大型基幹病院が散在している。その中で、老人医療を中心とした療養型病院の草分け的な存在であったといえるだろう。
昭和49年12月、(故)前理事長である猪狩好令氏により病床50床の個人病院、「緑ヶ丘病院」が開設。横須賀市の林の丘陵地にあって相模湾が一望できるロケーションで、夕方になると富士山まで見渡せた。「アクセスこそ悪いが、環境を重視して選んだ。自然環境を利用して患者を治療、そして癒すという前理事長の意思の表れでしょう」と、宮内氏は言う。



奥は法人事務長の倉田剛氏。


病院全景。海が接近している。

 昭和56年2月には横須賀市野此の海辺の土地に、分院の「パシフィック・ホスピタル」をオープン(一般病床は98床)。平成2年6月30日、緑ヶ丘病院は個人病院廃止届を提出し、同年7月1日医療法人社団聖ルカ会緑ヶ丘病院を開設する。翌年4月、パシフィック・ホスピタル(152床)を法人化し、傘下に入れた。
平成10年4月には、横須賀市の委託事業である在宅介護支援センター設置が医療法人として初めてパシフィック・ホスピタルに認可され、「パシフィック・ホスピタル在宅介護支援センター」が正式にスタートする。平成11年9月には「パシフィック・ホスピタルデイケアセンター」も開始された。パシフィック・ホスピタルは平成10年11月から増床工事が進められ、平成13年4月に竣工、その翌月には宮内氏が理事長に就任している。10月には緑ヶ丘病院が道路建設による立ち退きのため移転となり、「パシフィック・ホスピタル」へ合併統合。合併統合の際には、新病棟と管理病棟を新たに増築させ、旧病棟も全面改築を行い、新生パシフィック・ホスピタルは、一般病床91床、療養病床155床、介護保険病床54床の全300床で全館リニューアルオープンした。また、平成14年6月には、「パシフィックホームヘルパーステーション」を開設させている。



3階に位置する「フロント」。 吹き抜けになった
4階まで続く大きな窓には海が広がっている。
 
 
 病院の特徴>
●地域密着型


入院患者は、周囲の急性期医療病院からの受け入れ患者もあるが、地域住民のニーズにあった高齢者医療を必要とする患者が大半を占めている。

「はっきりした統計を取ってはいないが、脳血管障害患者と神経疾患の患者を足すと半数ぐらいになると思う。アルツハイマー型痴呆患者もいる。様々な病気がオーバーラップしていると考えたほうがいい」(宮内氏)

地域密着を目指し、専門医師による在宅訪問診察も毎日実施。併設の在宅介護支援センターや介護保険センターを主軸に、訪問介護ステーション、デイケアセンター、ホームヘルパーステーションなども積極的に展開して、地域の住民に信頼される中核病院に進化すべく、活動をしている。


     散歩をして気分転換が図れるリハビリ庭園。
 


ソファが置かれている特別室A(上)。
ベランダ(下)からの眺めは最高だ。
●魅力的な設備


「ゆとりある自然環境で癒す」ことを目的としているため、ほとんどの病室が個室か2床室である。「環境料金」とでもいうべきか、海が見える側の部屋の方が若干高い。それでも室料差額平均は5000円程度である。また、半数以上を占める差額無料の病室も、そのほぼすべてにトイレ、シャワー、テレビ、冷蔵庫、電話、応接セット等を完備している。

「患者さんは横須賀市や三浦市など、近隣地域の方が多いですが、この環境の良さに惹かれて遠方からいらっしゃる方も少なくありません。この環境でありながら、東京都内の病院に比べて入院時の個室代金がそれほど高くないことが、その理由の1つでしょうね」(倉田氏)

4部屋しかない特別室には病室を感じさせないリゾート感覚の居住空間があり、海が見えるこの部屋に入院して人間ドックを受けるのは、「療養」「休暇」も兼ねられると、近隣の企業の社長たちが利用することもあるという。
 
●厚生労働省認定施設
「パシフィック・メディカル・フィットネスクラブ」


設備的にもっとも特徴的なのは、疾病予防運動施設「パシフィック・メディカル・フィットネスクラブ」。メンバー制で現在の会員数は約200名、1日の平均利用者数は50名程度である。意外にも院外からの利用者がほとんどで、入院患者はあまり活用していない。また、患者の家族が利用することもあるという。
一般のスポーツクラブとは一線を画していて、ここはあくまでも疾病予防と健康増進が目的の施設である。プールやジャグジー、サウナのほか、トレッドミルやエルゴメーターなどもある。専任のドクターが一人一人に合った運動メニューを作り、検査データと重ね、メニューの効果を説明する。栄養士、看護師、健康運動指導士、ヘルスケアトレーナーの適切な指導のもとで、「栄養」「運動」「休養」のバランスのとれた健康づくりを実践できる。「全国からこういうことをやりたいと望む医療団体が、建設会社を連れて見学に見えることも多い」と、宮内氏は言う。


プール(上)とジャグジー(下)。
海を眺めながらリラックスできる空間。
  
 
 
 <運営・経営方針>
●職員教育


定期的に外部講師を招いて「接遇」研修を行っている。患者への対応の中でこの研修は非常に参考になると、立見が出るほどの人気である。この接遇研修のほか、医療安全管理、医療事故対策などの研修会もある。院内・院外各種研究会には、スタッフには積極的に参加をさせて「自己再生」と「自己開発」に努め、個人の能力向上を図っているという。
 
●今後の方針と展望


―病院の永続性と安全経営の確立。
―病院ITシステム化の推進。
―医師、看護師など、有資格者の安定確保の基盤、ルートの構築。
―手術室の開放。
―回復期リハビリ病棟、亜急性期病床導入の具体化。
―地域密着とリハビリ科の充実。
―医療型療養病床と介護型療養病床の転換の検討など。

「2つの病院を1つに統合すると、増改築などに膨大な費用がかかるのが普通です。加えて患者さんや職員のスムーズな移転が難しいので、2、3年間の経営悪化を覚悟していました。ですが、幸い入院患者数の落込みも最小限にとどまり、また、職員の団結力も高まったために、苦境を乗り切ることができました。このように、入院主体の病院の場合、ベッド占床率を確保する努力こそが経営の基本といえるでしょう」(倉田氏)
 
 
 
 <病院の理念>

―医療人として生命倫理を最大限に尊重する。
―医療の質の向上に努め、患者中心の医療を行う。
―地域の医療連携に努める。
―病気の予防と健康増進に努める。
―自然環境を活かした癒しの医療を行う。
―健全経営による働き甲斐のある病院を目指す。

 

HP⇒ http://www.medicalwave.co.jp/ad/hp/pacific.html

 

2004.07.01 掲載 (C)LinkStaff

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