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専門領域に特化した整形外科総合専門病院―更なるランクアップを目指して―
医療法人社団 おると会 浜脇整形外科病院 理事長兼院長 浜脇 純一 先生

 <病院概要>

 西日本有数の整形外科単科病院である浜脇整形外科病院。雑誌広告や看板広告などを含め、宣伝はほとんど行ってないというが、その名は全国に知られている。急性疾患から慢性疾患まで、整形外科領域における様々な疾患と幅広い年齢層の患者を対象とする。
整形外科を専門とする総勢12名のドクターたちは、各々が脊椎・脊髄科や関節外科、外傷外科などのスペシャリストとして、この領域のあらゆる疾患に対応している。また限られた診療時間の中で、質の高い医療技術とインフォームドコンセントも含めたコミュニケーションに注力し、患者の満足度を高める努力を怠らない。その姿勢に対して、県の内外を問わず評価が高い。

経営面での努力も見逃せない。病院増改築はもちろんのこと、病診分離や電子カルテ導入、人事考課の採用など、現在どの病院も直面している問題にいち早く取り組み、成果をあげている。第三者評価としては、2001年3月に財団法人日本医療機能評価機構の認定、翌年8月にはISO9001を取得している。しかし、この評価に満足することなく、さらなる「整形外科総合専門病院としてのランクアップ」を目指している。

今回、同院の理事長兼院長である浜脇純一氏に、その地域医療への貢献を中心に、病院経営、そして今後の展望についてインタビューした。
 
 
 病院の特徴>
◆変化することのない方針―地域医療への貢献―

同院は開設時から24時間オープン、365日不休の体制で急性期医療に取り組んでいる。

「なぜ開院時から24時間オープン、365日体制を維持しているか。それは、病気やケガをする患者様は時を選ばないからです。特に、整形外科の領域は『救急に始まり、救急に終わる』と言いますから。当然ながら、職員の負担は決して少なくない。医療人にはゴールデンウイークもありません。このフルタイムで患者様を受け入れている体制こそが、まさしく地域医療への貢献なのです。たしかに、医療業界は過酷です。この世界に入ったからには、覚悟してがんばってもらいます。幸い、開設から27年が経ってこの思いが浸透してきたのか、優秀なスタッフが揃いました。私どもは徐々に理想へと近づいていると思います」



病院ロゴ

病院外観

◆スポーツドクターとしての地域貢献

 
大学時代、浜脇氏は剣道に明け暮れていた。その頃から、運動器の治療をしたいと考え、スポーツドクター―当時このような言葉は流行っていなかったが―に憧れた。それが整形外科医を志した動機の1つになったという。そして現在に至るまで、スポーツドクターとしても地域医療に取り組まれている。

「現在、私は全日本ハンドボールチーム、地場実業団(※)のスポーツドクターとして、現場へ出向いてメディカルケアしています。そして、選手のメディカルチェックやコンディショニングまで、チームトレーナーと一緒に行っています。これはスポーツドクターとして、私の使命と思っています」※湧永製薬ハンドボール部、大野石油バレー部、メイプルレッズハンドボール部

このような活動は病院経営上リスクが高い。それでもスポーツを通じて、教育現場にも地域貢献されている。

「現在、私は広島県ハンドボール協会長とドッジボール協会長をも務めています。『忙しい中でなぜ?』と、よく聞かれます。スポーツを通じて子どもは感動する、つまり、勝って泣き、負けて泣く、感受性の強い子供の時期に感動し、礼儀を身につけることが大切、そして監督やコーチに感謝の意を持つことができ、それによって子どもは立派に育ちます。教育の原点はスポーツの現場にあると言っても過言ではない。だから、自然とそのような要職について、お世話をしたくなるのです」


◆ボランティア活動

医師免許取得後、浜脇氏はカナダヘ留学をしている。氏は「留学時代には色々な人たちに助けられ、お世話になりました。ですから、私は医療の中で、そして医学で恩返しをしたかったのです」と、当時を振り返る。それは、整形外科を学びたい外国人医師(中国・インドネシア)を受け入れ、ボランティア活動で具現化されている。
 
 
 <情報公開について>
氏は「世界の、そして医療業界の変化の中で、情報公開は必要」と言う。現在、たいていの医療機関はホームページを開設し、施設やサービスなどについて紹介している。同院も例外ではなく、ホームページの中で症例数などの情報公開を進めている。

「虚偽の情報開示は論外ですが、患者様に選んで頂くために、情報開示の方法についてもっと考えていきたいです。年間のヘルニアの症例数を公開したとして、「治癒率○%、職場復帰した方○%」など、そのアウトカムを添えることも必要だと思います。さらに、そのようなデータを、『浜脇純一が行った脊椎手術は年間×例、治癒率は○パーセント』というように、医師個人ごとに細部にわたって公開していくことも求められるのではないでしょうか」
 しかし、アウトカムは「治癒しなかった率」の公開をも意味する。同院にとってはデメリットではないのだろうか。

「そこで、日頃のインフォームドコンセントを中心とした患者様との会話が重要になってきます。仮に術後の経過が良くなかったとしても、患者様が『先生にお任せします』とおっしゃってくれるような信頼関係を構築していれば、詳細な情報公開も難しくはありません。つまり、患者様と日頃のコミュニケーションができていれば、問題はありません」

電子カルテを見ながら症例の検討を行う院長とスタッフ
 
 
 <経営と診療の関係>

 同院を取り巻く環境について、特に、現在の診療報酬制度などにも話が及ぶ。

「日本は、先進国の中で医師の技術料が一番低い国です。また、流通システムのためか、医療材料費の方が圧倒的に高くておかしいと思います。ですから、制度上、言葉は悪いですが、薄利多売でやらざるを得ない。マスコミがよく3時間待ちの3分診療と批判しますが、こちらとしても好んでこのような状況にあるわけではないのです。できれば、1日あたり20名の患者様を密に時間をかけて診ていきたいですし、病人が横になる所なのだから、ホテル以上にアメニティを高めたい。しかし、現実ではそれらができないのです。だから、私どもは5分~10分の限られた時間の中で、いかに患者様に満足してもらえるかを必死に頑張って診療と会話に全力を注いでいます」

 
 
 <運営・経営方針>

 同院は、昨年の第4次改正の病床区分届出においても一般病床を選択し、今後も急性期医療を中心に担っていくことを選択した。また、地域住民のニーズにより一層応えるために、今まで数回ほど増床や増改築を行っている。


浜脇整形外科リハビリセンター
「今後、さらに地域医療に貢献するためには、急性期のみならず、亜急性期・回復期まで対応しなくてはなりません。つまり、在宅復帰を実現するために、回復期リハビリテーションを充実させる必要があります」

その具体的な取り組みとして、今年9月に「クリニック・リハビリテーションセンター」をオープンする。
また、在宅介護支援事業も開設し、地域住民のニーズにそった医療を提供する。もちろん、院内での地道な努力も忘れていない。研修会やカンファレンスを頻繁に行ったり、また、地域住民向けに健康に関する講演などを開催したりしている。
「私どもの目指すこと、それは引き続き『急性期・地域医療をキーワードに24時間、365日体制を維持し地域に貢献する』。これは、開設当初から変わっていません。今後の展望としては、当院の持つ専門性を前面に出しながらも、整形外科領域の疾患を網羅した総合専門病院』を目指したいです。『浜脇に行けばスペシャリストが揃っている、整形外科に関わるすべての運動器を診てくれる』と、言われるようにしたいと考えています。
『やっぱり、浜脇に来て本当に良かった』。このように言ってもらえることを常に目指して、医師や看護師、その他の職員、そして充実した施設・機能をフルに活かして、質の高いチーム医療を提供していきたいと考えています。当院は医療の守備範囲をしっかり守り、高度医療を要する患者様は責任をもって専門病院へ紹介し患者様の100%の満足度を目指すべきと思います」

リハビリ風景
浜脇氏自らが「理想に近づいている」という
浜脇整形外科病院。同院が今後必要とするのは、どのようなドクターか。

「『人間性・技術・コミュニケーション力』に尽きます。謙虚な姿勢と、自身の気持ち次第で良い腕と経験を身につけることができます。当院の理念に共感し、『我こそは』と思われる先生、ぜひお待ちしております」
 
 
 <病院の理念>
『和をもって地域医療に従事します 
忠恕の心(真心と思いやり)をもって患者様に接し 
信頼される質の高い医療を目指します 
職員は職場に夢と誇りをもちます』
 

2004.05..01 掲載 (C)LinkStaff

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