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地域医療支援病院の認可を目指して
特定医療法人若弘会 若草第一病院


院長 田中 信之 氏

 高校ラガーマンの憧れの舞台である花園ラグビー場から程近く、生駒山を望める東大阪市若草町に位置する若草第一病院は病床数230の基幹病院として地域に根付いている。難波から近鉄奈良線に乗りおよそ25分の瓢箪山駅から歩いてすぐ、大阪外環状線に面した交通至便な立地である。急性期病院として365日24時間の救急医療を行い、内視鏡センターでは昼夜問わず消化管出血に対応する。また、脳卒中センターでも血管溶解療法などの高度医療でQOLの向上を目指している。
今回は田中信之院長にお話を伺った。

 
 <病院の沿革>
 1946年2月、大阪市浪速区のいわゆる「日本橋の電気街」に川合内科を開業した。こののち川合内科病院となるが、さらなる増床を考えたときに同じ場所では土地も狭くあきらめざるをえなかった。そこで近鉄奈良線沿線で探していたところ、現在の地に「ちょうど外環状線が完成した直後で、これから発展していくという将来性を感じて」決定した。一方、川合内科病院は現在わかこうかい病院となり、血液・肝疾患専門病院として生まれ変わっている。
1981年4月、若草第一病院が165床で開業した。当時の診療科目は内科・外科・消化器科・循環器科・整形外科・放射線科であり、すぐに脳神経外科が増設された。その後、臨床研修の必要性と重要性を睨み、臨床研修指定病院を目指すこととなる。1989年から1992年に新館が完成するまで、臨床研修指定病院としての要件を整えるための基盤整備を急いだ。
「臨床指定病院は病院の質を上げるための方法論の一つという認識でした。医師を教育するためには、指導医のレベルも含めて病院全体がある程度以上のレベルを必要とされますから。一番苦労したことはやはり医師の確保ですね。各大学にお願いに上がりました。」
田中院長のご出身である大阪市立大学や、大阪大学、近畿大学などから優秀な医師が集まり、臨床研修指定病院として不可欠の診療科の増設も完了した。また230床という規模では珍しいとされるリニアックも導入した。その結果、2002年4月に300床以下の病院では全国で2件目となる臨床研修病院の指定を受けた。
98年に内視鏡センターを開設し、近畿地方にも数台しかない胆管鏡、膵管鏡を備える。症例数も現在では年間6000例を数える。2002年には脳卒中センターを開設し、ハードは万全の体制になっている。


病院外観



救急外来

 
 
 病院の特徴>
 
  ◆ 内視鏡センター

胃潰瘍、食道静脈瘤などの消化管出血だけでなく、小腸ファイバーでは原因不明の消化管出血に対しても止血処理が可能である。「電話1本と紹介状のみ」で気軽に検査を受けられることから地域の信頼を獲得している。また、検査に際し、患者さんの苦痛を和らげるためにα波誘発装置を備え、音楽療法にも取り組む。
「患者さんには様々な選択肢があるので、インフォームドコンセントを重要視しています。患者さんが納得されるまで支援したいですね。」
(その他詳細は、下記URLをクリックしてください)

http://www.wakakoukai.or.jp/0212k_naisikyou0799.htm
 
◆ 脳卒中センター

「時間が勝負」の治療であることから、夜間、休日も脳神経外科専門医が常駐する。CT、MRI、脳血管撮影などで30分以内に診断を確定し、治療を開始する。急性期の脳梗塞に対しては血栓溶解療法が効果を上げている。脳出血、脳動脈瘤に対する脳神経外科手術・治療だけでなく、脳梗塞の治療として微細なカテーテルを用いる。
「初期治療が功を奏し、歩いて帰れる患者さんもいらっしゃいます。重要なのはQOLをどう改善するかということだと考えています。」
手術、治療だけでなく、予防にも力を入れている。重症の脳卒中、高血圧や高脂血症などの検査や、動脈硬化による脳血管の狭窄、クモ膜下出血の原因である脳動脈瘤の発見の検査を行う。
(その他詳細は、下記URLをクリックしてください)

http://www.wakakoukai.or.jp/02k_nousotop0799.htm



脳卒中センター



◆ DPC

本年5月より、民間病院としてDPC試行を開始し6ヶ月が経過した。若草第一病院では厚生労働省が分類する1727の疾患のうち、労災・自賠責をのぞいた95%ほどの疾患をカバーする。当院では以前からDPCを目指していたわけではなく、97年からDRG-PPSの運用調査を始め、他院との疾患ごとの比較などを行っていたという。当初22日あまりだった平均在院日数も現在では14.5日と目にみえて減少してきた。
「他院との比較をすれば、問題点が明らかになり、自院の質向上につながったと思います。診療報酬の問題ではなく、あくまでもマネジメントの一環ですね。例えば、私どもには回復期リハビリ病棟のあるわかくさ竜間リハビリテーション病院がありますが、連携がうまくいっていない面がありました。つまり内部の連携の非効率さが浮き彫りになり、それについて改善を試み、在院日数の短縮や自院の質の向上につながったと思います。

◆ 「ケアパレット」

田中院長は「クリティカルパスの存在意義を在院日数をたんに短くするためだけのものではない」と言い切る。特に患者用のパスは充実し、イラスト入りでわかりやすくするなど工夫を凝らしている。また治療に際し、患者にとって一番気になるのは費用だと言われているが、一部のパスでは費用の概算も行っており、細やかな気配りが好評を得ている。若草第一病院ではこのパスに「ケアパレット」という名称をつけ、98年に商標登録を行った。
「回復期リハビリ病棟では発症後○日以内に連携するなど様々な見直しも進みました。肺炎や虫垂炎などの疾患にはあまり関係ないようですが、治療期間が長い疾患に関しては1日1日と短くなってきた観はありますね。今やっていることを見直すだけで、結果的に短くなっているのが実情です。」
HSW(ホスピタルソーシャルワーカー、一般に言われるMSWのこと)と呼ばれるスタッフの存在も大きい。クリティカルパスによって退院予定日が分かると、HSWがその後の受け皿を早く考えることが可能になるし、その後の展開もスムーズである。そのうえ医療の標準化や各スタッフへの教育にもなっている 。

 
 
 
 <運営・経営方針>
 

◆ 病診連携

機能分化の徹底に力を注ぐ。開業医でできないところを若草第一病院で診るだけでなく、逆紹介の形もこれからは増えると考えている。検査の依頼は積極的に受け、46床を開放型病床にしている。134人の登録医を抱え、登録医が手術を執刀したことも過去にはあったそうだ。訪問看護ステーションでも、あくまでも主治医は地域のかかりつけ医(登録医)であるという。
「最近、外来入院比率の問題もあり、サテライト診療所の開設が増えてきていますが、それでは開業医の先生方と競合してしまいます。病診連携の逆行であり、本来の姿ではないと思います。」

◆ 地域医療支援病院認可に向けて

 向こう1年以内の認可を目指すが、まずは急性期特定入院加算を取得してステップを踏んでいきたいという意向だ。現在「指導料」などを取ることができるために開業医のほうが病院よりも高い保険点数になっている。急性期特定入院加算を取得するために、再診の特定療養費を考えている。しかし、患者にとっては負担が増加することになるため悩ましい問題であるが、逆紹介を推進していく予定である。
また、外来の縮小も検討課題であろう。今後、外来は救急外来と専門外来を充実したいと考えている。
「入院の患者さんの確保のためにも病診連携は命綱ですね。通常の患者さんは登録医の先生方で診られますから、私どもでは登録医の先生方からのコンサルテーション機能をより高めていきたいです。そうすることにより、紹介率も上がっていくものと考えています。」

◆ 目指す医療

田中院長は「選択と集中」で、これからの時代に向かっていきたいとする。何でも手を広げるのではなく、自分たちが強い部分を伸ばしていくというスタンスである。
「高度な医療のみが最高の医療とは考えていません。病院として高度な医療は提供できますが、患者さんにとってそれが最高かどうか。患者さんに生きる喜びを感じて頂くべくQOLの高い方法を選択していきたいですね。」

 
 
 <病院の理念>
◆理念

特定医療法人若弘会のモットー
「健やか人生」


◆法人の理念

「最高の医療を提供し、地域社会の健康と福祉に貢献します。」
特定医療法人若弘会 若草第一病院



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2004.11.01 掲載 (C)LinkStaff

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