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- 特定医療法人 慈泉会 相澤病院 -
理事長 院長 相澤孝夫
 
<病院の沿革>

 相澤病院の歴史は古い。
「書生をしながら勉強していた私の祖父に、土地を提供してくださる方があって、相澤医院を開いたのが明治41年ですから、もうすぐ100周年になります」

3代、100年にわたる沿革を記せば、歴史年表になってしまう。あえて要約するなら、地域から頂いたものを育て、地域に還元して来た歴史だったと言えるだろう。
現在の相澤病院は、病床数463床の特定医療法人(解散時の財産は地方自治体に帰属する、大蔵大臣の承認を受けた医療法人)である。
「父には、医療は地域のものだと言う理想がありましたから。私もそれを引き継いで、より具体的に発展させることを考えました」

この、相澤孝夫理事長の言葉には、二つの側面がある。
一つは、病院が地域の医療のためにある、ということ。
もう一つは、医療は地域のものであり、一つの病院で完結できるものでは無い、ということだ。病診連携だけではない。救急患者の搬送には警察や消防の力がいる。その他、さまざまな局面で、地域とその住民の理解と協力があってこそ、良い医療が提供できる、ということなのだ。

 
<病院の特徴>
 相澤病院の玄関ホールには、タッチパネル式のモニターがあり、登録医の情報を見ることができる。診療時間のほか、医師の顔写真の下には得意とする症例や治療法の欄もあり、検索も簡単だ。同じコンテンツがホームページにも掲載され、相澤病院に来ない人でも利用できるようになっている。
「連携室に事務員を3人配置したときには、そんな必要があるのか、また変なことを始めてと、笑われましたけれどね。次第に分かってもらえるようになりました」

医者だけが連携して紹介と逆紹介を活発にしても、患者からはたらい回しに見えかねない。病院と診療所の協力体制をはっきりと見せれば、その不安も薄らぐ。
「始めのころは、どうして一箇所で最後まで面倒を見てくれなのかという患者さんも多かったですね。この説明をするもの、病院の仕事です。行政はやってくれませんから」

次に必要なのは、スムーズな引き継ぎだ。病院と診療所が、あたかも一つの医療機関であるかのように、というのが理想だろう。
「電子カルテ、検査結果、読影記録や看護記録まで、地域の診療所のパソコンで見られるシステム作りです。同時に、他人が読んでも分かるカルテの書き方を研究しました。対策室のメンバーと私で、全てのカルテに目を通して、分かりにくい略語に赤を入れたりとか。その甲斐もあって、システムにつながった診療所も、50を越えました。」

情報の公開と発信ほどには目立たないが、静かな意識改革をもたらしたのがME課の設置だ。医療機器の保守管理を一元管理する、臨床工学技師11人の集団である。メーカー修理や消耗品のストックを削減する効果があっただけではない。医療機器は病棟や部署のものではなく、病院全体の共有財産であるという意識が生まれた。開かれた病院の財産は、実質的に地域の財産となる。
「PET(ポジトロン断層撮影)やガンマナイフなど、良いものはどんどん導入し、皆さんに利用してもらいます。その治療だけ、検査だけの利用でもかまわない。それで地域全体の医療のクオリティが上がれば良い」

 
<運営・経営方針>


 連携は分業であり、それぞれの役割分担をはっきりさせないと成り立たない。
「診療所で、一日24時間の救急医療体制をとろうとしても無理があります。CTなどの設備もなかなか買えない。その部分が、病院の役割です。逆に、病院が外来もこなそうとすれば、とてつもないマンパワーが必要で、入院されている患者さんに注ぐケアの密度が薄まってしまう。だったら、自分たちが引き受けるべき仕事に集中して、紹介や救急への対応をきちんとしたほうが良い」

屋上のヘリポートも、充実したERも、病院が力を注ぐべき場所への集中投資から生まれた。その一方、リハビリルームの利用者は少なくなり、廊下がにぎやかになった。超急性期から行う、ベッドサイドでのリハビリをとりいれたためだ。役割分担が特色を生み、入院風景を変え、病院のアイデンティティーを支えている。
「もともと、紹介がほとんどで、一般外来の少ない病院でした。今ではさらに、その傾向が強まって、平均在院日数も短い。病院の役割を考えれば、当然ですね」


 やがては、診療所どうし、病院どうしでも役割分担と連携をするようになるだろう。
「日本の医療は、あれもこれも一応はできる、多少は経験がある、というのが多い。むしろ、それぞれの特色や得意分野を打ち出して、集約的に実績を積めば━━世界一とは言いません、地域で、県内で、あるいは国内でワン・アンド・オンリーの実績をもつもの同士が協力しあうようになれば、世界中から患者さんがやってくるようなレベルの医療が実現できると思うのです」

もう一度玄関ホールに戻ろう。そこには、接遇の改善目標がポスターにして掲げられている。面白いのは、そのポスターが、来院者からの意見を求めている点だ。
「患者さんから意見を求め、その点を改善すると、誉めてもらえるんですよ。すると、やる気が出てくる。そういう成功体験を味わうと、最初に持っていた夢や理想、志がふくらんで行くんです。これが、何よりのエネルギー源ですね」

周囲の人々から元気をもらい、さらに高い理想を目指す。地域とのかかわりは、そこから始まり、螺旋を描いて広がって行く。
「その回転を途絶えさせないことが、私の仕事だと思っています」

もらった元気を、大きく育てて返す。それが、相澤病院の医療であり、伝統なのだ。
 
私たち病院の理念

1.私たちは、患者さまのためのまごころの医療サービスを行います。
2.私たちは、地域のみなさまから信頼される病院づくりに努めます。
3.私たちは、常に新しく良質な医療の提供ができるよう心がけます。
4.私たちは、皆様の健康増進、疾病予防のお役に立ちたいと願っております
 
長期経営方針
1、地域医療支援病院となり、救急医療を核とした急性期医療を行うことで地域医療に貢献する。
2、高度の医療技術を希求するメディカルセンターとしての機能を発揮することにより知的・技術的資本を集中させ、治療成績を向上させる。
3、私たち医療サービス提供者とサービス利用者がインフォームド・コンセントの理念に基づいて医療に関する情報を共有することにより、相互の信頼関係を深め、これによって質の高い医療を提供する。
4、投入した資源を有効に活用し、利用者が満足できる医療サービスを提供することを目指して、サ-ビス提供システムを適切に運用すると共に常にその評価を行い、不断の改善を行う。
5、共通の理念・方針を理解し、それに基づいて職員間のコミュニケーションを良くし、協業・協働することにより真のチーム医療を実践する。
6、私たちは、医療の質を高めることは医療従事者の質を高めることであることを認識して、研修・自己啓発を積極的に行い、自己の資質を向上させるよう努力する。

2003.4.20掲載 (C)LinkStaff