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- 社会福祉法人 聖隷福祉事業団  聖隷浜松病院 -
静岡県浜松市
 
<病院の沿革>

 聖隷浜松病院の設立は昭和37年3月(常勤職員数50名、一般病床114床)に遡るが、そこには運営母体である聖隷福祉事業団の理念が引き継がれていた。「開業」ではなく当時は不治の病であった結核患者を「ケア」するための収容保護事業を、ボランティアとして始めたのが昭和5年の事。困っている方がいる、故に手を差し伸べる「隣人愛」の精神である。「患者さんが必要としているものは何か?どうすれば喜んでもらえるのか?」を考え、実践してきた事が病院開設となり、今日の地域基幹病院としての地位を築く事に繋がった訳である。

エピソードを一つ紹介しよう。開設2年目に中山耕作先生(現在の日本病院会会長)を院長に迎えた時には、救急医療への対応がクローズアップされていた。HONDAやYAMAHAなどの企業が進出し、結果として交通事故の増加を招く事となった為である。その際は、外科スタッフの考案による頭部冷却救急車が活躍し、脳神経外科センターの設置へと繋げる事ができたという。その後も地域ニーズに応える事で、医療機器・設備の導入や増床を実施。平成8年、今回お話を伺った堺常雄病院長(専門は脳神経外科)が現職に就任され、翌年には地域医師会・開業医との連携強化の第一歩として開放型病院承認。医療は地域産業であるという考え方のもと、いち早く自己完結型から地域完結・継続医療への取組を実践してきた。国公立の総合病院が多い当地区において確かな聖隷ブランドを確立し、744床・標榜科目23科・24時間&365日の救急体制に携る職員数は1,300名を越えるに至っている。

 
<病院の特徴>
 病床区分提出に代表されるように急性期と慢性期、大中小の各病院と診療所など機能分化の流れは明らかである。聖隷浜松病院では、在院日数短縮、クリニカルパス、開業医からの紹介や逆紹介などの動きが驚くほどスムーズに行われている印象を受けた。また、カルテ開示やインフォームドコンセント、セカンドオピニオンなど、患者への情報提供に関しても院内の至る所でその案内が掲示されている。医療の質に対する自信・自負の表れかとも思われるが、病院長曰く「ニーズの先取りをした結果です。」との事であった。 上記の事柄は、今や大半の医療機関で謳われていることである。が、言葉や制度が先行しての導入ではなく、患者ニーズに起因するものだからこそ、違和感を持たないのではないだろうか。
例えばクリニカルパス。疾病毎に退院までの治療計画を示したものであり、標準化という言葉に置き換えられそうである。しかしながら、同じ疾病でも患者個人によって差があるのも間違いないことである。同病院ではそこを追求していきたい、という。「標準化のあとに立つ個別化」である。


平成14年4月、医療機関に対する広告規制が緩和された。下記アドレスからホームページを御覧頂きたい。
http://www.seirei.or.jp/hamamatsu/Default.asp
「病院の実績」欄には、手術件数を始めとする大量のデータが公開されている。平成13年4月に開設した医療情報センターにより、作成されたものである。患者となる方々がその詳細を理解し切れなくとも、病院選びの貴重なデータになると思われる。が、狙いはそれだけではないようだ・・・。

 
<運営・経営方針>


 
経営指標を表すデータになる事はもちろん、最大の目的は「医療の質への還元」である。レセプトが基本データとなるが、各部署でバラバラに保管していてはダメで、各部署間での互換性がなければならない。情報センターの立上げにより効率的な集積が可能となり、例えば件数、疾病、外来・救急・入院など様々な切り口での分析が可能となる。病院長からは、職員に対し「データを正しく解釈し、分析し、困難ではあるけども方向性を打出す事」を常に求めているとの話を聞く事ができた。
何故なら「医療がいい加減でなくともデータの処理方法に誤りがあれば、質への還元はできない」からである。今後はレセプト上の言葉では均一化されてしまう重症度や症例の差を加味した、更に深い所でのデータ解釈を可能にし、質への還元を目指して行く予定である。


 医療を取り巻く環境が厳しさを増す中、経営の視点も度外視する事はできない。冒頭に記した「隣人愛」の精神と収支や利益は、不釣合いにも思えるが決してそうではないという。高度医療の提供には設備投資費が必要となるが、国公立ではない同病院では補助に頼る事はできない。ニーズに応えるためには、病院の存在自体を成り立たせるためには、日々の業務においてコストを意識しなければならないのは当然の事である。同病院は第一線の医療機関でありながら、医療圏内で約800床が過剰であるという危機感を持つ事、過去の出来高払いの成功体験に浸らない事、などを病院長から全職員へのメッセージとして意識付けを行っている。

 
 
私たち病院の理念
 
私たちは利用してくださる方、ひとりひとりに最善を尽くすことに誇りを持つ

※平成15年3月1日、移譲により国立横浜東病院を「聖隷横浜病院」として運営しています。

2003.3.20掲載 (C)LinkStaff