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 - 医療法人 一栄会 よしだ病院 - 
新潟県糸魚川市

<病院の沿革>

 東西に細長く伸びる新潟県の南西に位置し西に富山県、南に長野県と境を接している新潟県糸魚川市。日本を東北に分断する糸魚川―静岡構造線の北端に位置するフォッサマグナで有名な土地であり、また東洋一のヒスイの産地でもある。
JR北陸本線の糸魚川駅前からタクシーに乗り「よしだ病院へ」と告げると、程なくひときわ目立つ建物が見えてくる。運転手さんに聞くと「日に何度も患者さんやその家族を乗せますよ」との返事。長野や富山からも患者が来院するというよしだ病院。その外壁はピンク色で統一されていて、空の青さとも良くマッチしている。

開院は平成3年5月。今年で10年目を迎えた糸魚川市で最初の整形外科・リハビリテーション専門病院は周辺地域にとって欠くことのできない大きな存在となっているようだ。
「呉服屋の三男坊でしたが、父が一人ぐらいは医者にしたいと考えていたこともあって医学部へ進みました」と、笑顔を交えて話す吉田孝太郎院長に今回お話を伺った。


吉田院長は昭和50年に東京慈恵会医科大学を卒業後、同大学整形外科学教室へ入局し助手として10年間勤務。その後、富山医科薬科大学整形外科講師、厚生連糸魚川病院整形外科医長を経て、平成3年5月、現在の地によしだ病院を開院した。
当初40床だった病院も平成6年6月に22床増床し、現在は62床。平成9年4月には老人保健施設「ケアポートよしだ」を開設し、その後も平成11年に在宅介護支援センター、平成12年にはグループホームも開設し今に至っている。1日平均患者数300名以上、新規開業し専門性に特化して盛業している好例を紹介する。
 
<病院の特徴>

 

  整形外科一筋で歩んできた吉田院長だが、整形外科医となった理由について、学生の時の体験が大きいと語る。「当時、学生運動が盛んな頃で、搬送されてくる患者は皆ひどい怪我を負っていました。それが3ヵ月もすると松葉杖をつきながらも歩けるぐらいまで回復する」。人の回復を目の当たりにして自分の目指す医療はここにある、と考えた吉田院長。「整形外科が性格に一番合う」と言い、また当時は糸魚川市周辺に整形外科病院がなく「開業するなら地元で」との父の願いもあっての開業であり、整形外科・リハビリテーション専門病院としてMRIや骨密度測定装置、X線TV撮影装置など設備も充実させての船出だった。

開院は5月1日。22名の患者が訪れた。2日に80名、3日には早くも100名を超えたという。来院患者はすべて新患であり、馴れないスタッフと共に対応に追われたのも懐かしい思い出だ。「食事の時間も取れないほど多くの患者さんに来ていただきました」

近接するスーパーの存在も大きかった。ゴールデンウィーク中とあって、スーパーへの買い物客が新病院完成を目にしたからだ。「思いがけず宣伝効果となりました」と笑う吉田院長。患者への対応も口コミで地域に素早く伝わった。
よしだ病院では夕方6時まで診察を受け付けている。「6時までに来ていただければ何時までかかろうと治療します」。糸魚川市を含めた診療圏に住む6万人が通院できる時間を考えての対応であるが、常に患者の利便性を重視して病院を運営しているという。

整形外科病院の場合、手術に注力すると午前のみの診療となり、午後休診の場合が多い。これでは患者の利便性が損なわれるとの判断だ。優れた技術を持ち、親切な対応を心がける。そして安心感を提供すること。同じ医療を提供しても安心感が得られるかどうかが、患者満足度につながる。
「最後にもう少し手を加えれば安心感につながるのに、最後のフォローができない場合が医療の世界にもあります。この『できる』『できない』の差が大きい」
また「リハビリは命です」と断言するその言葉を裏付けるように、よしだ病院の1階に位置する200平方メートルほどのリハビリテーション室は、開院当時は今の3分の1の広さだった。それでも患者や医療関係者から「広くて良いですね」との評判を得たという。それが患者急増で手狭となり開院3年後の平成6年に第一期拡張工事を行い、さらに平成9年に第二期工事を経て現在の広さとなった。「リハビリのよしだ病院」を特徴づける要となっている。待合室の拡張も行ったという。
「患者さんは皆、足腰が悪くて来院される。ところが手狭となった待合室やリハビリテーション室で立ったまま順番を待っていた。これは見逃すことができません」。患者の立場に立ち、患者の目線でものを見る。安心感を提供ためには必要不可欠な意識。この細やかさがよしだ病院を支えているといえる。
 
<経営理念>
目指すものは「技術の優れた病院」「個性のある病院」。トップダウンでなくボトムアップ的にスタッフ一人一人の個性が発揮できる環境作りに力を注いでいる。各部署ごとに研究会を開くなど従業員教育にも積極的だ。また新人職員に対するオリエンテーションにも多くの時間を割いている。「オリエンテーションだからといって、あれこれ詰め込むことはいけない。もっと時間をかけて覚えてもらいたい」

午前中をオリエンテーションにあてれば、午後は先輩と一緒に行動して見て覚えるといったように、メリハリを効かせたプログラムを組んでいる。「効率性を追うのであれば、短期集中でオリエンテーションを行って、その後すぐ現場に出すほうが良いかもしれない。しかしこれは教える側の効率性であり、教える義務を果たしたというだけの話」と言い切る。一緒に各部署を回っていけば疑問なども浮かぶ、このやり取りを重ねることで業務を把握することを期待している。無理なく時間をかけてスタッフを育てていくこと。100名近いスタッフをいかに効率よく動かすかは、実は最初の教育が大切であり、今後もこの教育体制を一層強化していく方針だ。
よしだ病院は併設の老人保健施設「ケアポートよしだ」も含めてピンク色で外壁を統一している。「暗いところからは何も生まれません。スタッフと明るくやろうということで決めたのです。他にもトーンを落とした案もあったが、現在のもっとも明るい色に決まりました」。病院と「ケアポートよしだ」とつなぐ渡り廊下も好評だという。「計算していたわけではなかったが、病院にも遊び心も必要だと思いました。院内は採光をよく採り入れてあるし景色も山あり海ありで変化がある。患者さんの治療にも役立っているのではないか」
外壁の色を始め、病院のシンボルマークであるペンギンのデザインもスタッフの作によるもの。驚いたことに老健施設の設計までもスタッフに委ねたという。その発想の柔軟性もスタッフに全面的な信頼を置いていないとできないことだろう。

  地域に根ざした医療を目指してきたよしだ病院。病院の設立、老健を作り、リハビリテーションも充実させてきた。現在はグループホームも運営し経営も順調の中、今後はさらに医療の質を上げていくことが課題だ。そして第四次改正医療法の施行に伴う動きを見極めつつ、今は力を蓄えておきたいという。そのため資金力、マンパワー、組織のさらなる充実を図っていく。「当院は介護保険と医療保険とのバランスが非常に良いと考えている。この時期にしっかり力をつけておいて次なるステップに踏み出したい」とケアミックス型を念頭に様々なプランを練っている。
「今はジャンプをする前のしゃがむ時」と考える吉田院長。スタッフと一緒にどれ程跳ぶか、注目していきたい病院がまた増えた。

 
私たち病院のテーマ
よしだ病院は、整形外科・リハビリテーション科の専門病院として、予防からリハビリまでの包括医療の展開を目指しています。平成9年4月には老人保健施設ケアポートよしだを開設し、高齢者の自立、家庭へ復帰を支援しています。そして住みよい街づくりの実現に貢献し、より快適な生活を維持していただけるようと医療、病院と家庭をつなぐ新しい地域医療システムをつくっていきます。
 
 
2001.8.1掲載 (C)LinkStaff