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- 医療法人 聖峰会 田主丸中央病院 -
福岡県浮羽郡   

<病院の沿革>



 なんとものどかなところである。
空気がきれい。緑はあざやか。東京よりも空が広いように感じる。耳納連山のいただきまでゆるやかに標高が上がっていく。
JR博多駅から鹿児島本線で久留米へ。そこで久大本線に乗り換え、約30分。4つ目の田主丸駅に降り立つとこんな風景に出会える。
福岡県南部の浮羽郡田主丸町(人口約6万人)の中核病院、医療法人聖峰会田主丸中央病院に今回は足を運んだ。
鬼塚俊一理事長は久留米大学出身。専門は心臓外科。門司労災病院の外科医長を務めたあと、1974年に父の跡を継ぎ院長に就任。
病院が開業したのは1954年。結核療養所(26床)として、その歴史をスタート。1962年、150床まで増床。67年には田主丸中央病院と名称も変更。とはいえ、結核後遺症患者や終末期の高齢者が大半を占め、結核病院、老人病院としての性格をまだ残したままであった。鬼塚俊一理事長が就任した頃も依然として色あせていなかったという。 「地域のあらゆる医療ニーズに対応しなければならない」。鬼塚理事長はこう痛いほど感じていた。
『総合化』。この言葉こそ、その後の病院を方向づけていく。1978年、精神科を開設。翌年は更生医療指定病院にもなり、さらに労災指定病院、救急告示病院、総合リハビリテーション施設、日帰り人間ドック実施病院とその役割は年々増加の一途を辿っている。
1998年11月18日、医療の質や患者様へのサービスなどを第三者の立場から審査する財団法人日本医療機能評価機構(東京)より、4名の調査員を迎えて書類と訪問による審査を受けた。その結果、1999年1月25日付けで「質の高い病院」としての認定を受けた。全国約1万ある病院のうち、この認定証を受けたのは全国で545番目、福岡県 では14番目になる。一般急性期病床、長期療養病床、精神病床の三病床全てを併せもつ医療機関としては全国初の快挙。
高齢社会に対応し早くから療養型医療、介護支援事業も取り入れてきた田主丸中央病院は今後の患者のニーズに忠実にこたえていく。
 
<病院の特徴>

 「画像診断です」
病院の特徴、差別化のポイントをズバリ聞くと、イの一番にこの言葉が返ってきた。
CT、MRIの画像は主治医以外に3名のドクターがみる。放射線科医2名、院長、そして主治医が画像診療にたずさわる。
「なぜ」
取材の常套文句をぶつけてみる。その答えから鬼塚理事長の心の琴線に触れることができたような気がする。
身体がパンパンにはれあがったガン患者の病巣部位が、死後、病理解剖するまでわからない時代があった。画像診断技術の発展により、その悲劇は減少する。その威力に圧倒されたそうだ。
放射線科のドクターの微妙な立場にも話は及んだ。
「正直なところ、放射線科の立場はあまり強くない。医療機関というのは、治療だけやればそれでいい。診断は各科のドクターで十分。そんな風潮があったんですよ。けど九州大学ではそうでなく、米国式のスタイルを取り入れて、放射線科の診断までやっていたんです。」
病院には九州大学と佐賀医科大学から放射線科医が派遣されている。院長の鬼塚英雄氏も日本だけでなく米国の放射線科専門医の資格を有する。画像診断能力での差別化を恣意的にこころみたのではなく、理事長の痛切な想いがそうさせたのである。
画像診断実施件数の月平均は次のとおり。
CT=310件、MRI=151件、RI=24件、胸写単純=2000件。浮羽郡田主丸町を中心とする診療圏人口が6万人であるのを考えるとこの数の重みがわかる。患者紹介率は平均28%。そのうち約30%は画像診断の依頼である。今年の2月に関しては紹介率43%で141人。うち43%が画像診断の依頼という実績を誇る。

 
<経営理念>
 鬼塚俊一理事長から名刺をいただいて、珍しい文言が目についた。「介護支援専門員」。360のベッドをかかえるほどの病院トップがその資格を持っているのは珍しい。
「 『病気ではなく病人をみる』という言葉があります。そのためには政治・経済がどうなっているのか理解してなくてはならない。当然、医療制度や福祉のシステムも知ってるべきです。患者さんが入院するにあたって、申請の時間、手続き、本人以外の申請が可能なのか。こういうことを知らずして『病人をみる』ことはできるはずもない。退院後どうするか、要介護度に応じて善処していかなければならない。そういう当然の考えに立てば、この資格を取得するのは当然です」
病院には約40人、関連の介護老人保健施設にも10人ぐらいのケアマネージャーがいる。
「For the people With the people In our area」
病院パンフレットの表紙にはこんな文字が記されている。この言葉の原理を忠実すぎるほどに実践している。病院が軌を一にして地域医療を支えている。
私たち病院のテーマ
「地域のために、地域とともに」
「For the people With the people In our area」

2001.4.1掲載 (C)LinkStaff

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