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日本で2番目に長い歴史を持つ公立病院
公立豊岡病院

病院の特色

1.総合診療部

 2007年度に兵庫県の協力を得て、設置したのが総合診療部であり、組織として診療部と総合診療部を分けているのが特徴である。総合診療部には兵庫県の養成医が派遣され、受診した患者さんを、緊急を要しない場合は総合診療科、要する場合は救急科に振り分けている。

 「医師の確保が難しい但馬地域に置いて、『総合診療』のできる医師を各地に配置することは地域全体の医療の質を向上させることと考えます。」


2.救急科(但馬救命救急センター)


 但馬救命救急センターとして、兵庫県北部である但馬地域の中心地で三次救急を担い、365日24時間、全ての患者さんを受け入れている。当初は兵庫県からの委託を受けた形だったが、三次救急病院の指定後は公立豊岡病院独自で対応してきた。

 2010年4月には兵庫県、京都府、鳥取県の共同事業としてドクターヘリを導入した。公立豊岡病院を中心とした半径100キロメートルの円の圏内では複数の救命救急医がいる病院は公立豊岡病院しか存在しない。鳥取市に救命救急センターがあるが、救急医は1人しかいないという。したがって、但馬救命救急センターは日本海側の最後の砦であり、ドクターヘリの就航が期待されていた。2010年4月現在、18都道府県に22機のドクターヘリが配備されているが、その多くは降雪が少なく、天候が比較的安定している関東や東海地方などの太平洋側に集中している。兵庫県、京都府、鳥取県のように日本海側を範囲とする運航は全国でも例がなく、さらに三府県をまたがる運航は全国初であるという。

 公立豊岡病院のドクターヘリは夜間は但馬空港に駐機し、翌朝、運航開始前に公立豊岡病院のヘリポートに移動し、緊急発進に備えている。但馬救命救急センター長には小林誠人医師が就任した。小林センター長は鳥取大学を卒業後、千里救命救急センターや兵庫県災害医療センターに勤務し、JR福知山線の脱線事故の際には医療チームの現場指揮を執るなど、経験豊富な救急専門医である。さらに、医師を4人から9人に、看護師も3人ほど増員させて就航に備えた。

 午前8時30分から日没30分前までが稼働時間であるが、就航後の1カ月で、天候不順で運航できなかったのは2日間だけで、出動回数は82回に上る。多い日には6回の出動という日もあったが、1日平均では約2.7回となり、日本一とも言えるハイペースで出動を重ねている。このうちドクターヘリが出動していなければ、患者さんが命を落としていた可能性がある事例が1割強程度あったという。朝来市消防本部から要請を受けた心筋梗塞の患者さんの出動例では、公立豊岡病院まで救急車で1時間近くかかるところ、ドクターヘリが9分で到着し、医師と看護師が処置を行った。救急車では搬送中に心肺停止になる可能性が高いケースだったが、早期治療で命をとりとめ、約2週間での退院につながったそうだ。事故による外傷でも発生から20分前後で治療できた例がほとんどであり、ドクターヘリの有用性が高い地域であることが分かる。

 「ドクターヘリは臨床研修の説明会でも学生さんたちの高い関心を寄せられています。導入後のメリットとしては、ドクターヘリによって救える命が増えることはもちろんですが、救急の専門外の医師の当直がなくなったので、医師の負担を軽減できていることも大きいですね。現在、給油場のある但馬空港まで約3分間の飛行が必要なことと、やはり日本海側特有の天候が課題ですね。しかし、導入からまだ日が浅いですので、いずれは解決されると思っています。」

 ドクターヘリは有視界飛行なので、夜間や強風、雪などの悪天候では飛行不可能となる。これを補完する意味で、ドクターカーの運営も検討中である。ドクターカーシステムも有効に機能すれば、但馬地域の救命率の飛躍的な向上が期待される。

3.循環器科

 循環器科全般と腎疾患を6人の医師で担当している。急性心筋梗塞、不安定狭心症、急性心不全などのあらゆる急性期疾患に24時間オンコール体制で対応している。  一般的な検査のほか、全ての核種を用いた心臓核種検査、 16列MD?CTを用いたCTA(大動脈・冠動脈造影)、超高速MRIによるMRA(大動脈・冠動脈)ならびに、 心筋イメージングが可能となっている。 冠動脈治療は上腕、大腿動脈アプローチによってPTCA、DCA、各種ステント、CBAなどを行っている。 近年、下肢動脈完全閉塞、シャント血管を含む末梢動・静脈に対するPTAを積極的に行っている。 補助循環が必要な重症患者さんに対しても、IABP、 PCPSによる対処が可能である。

 「部長の矢坂義則医師は素晴らしい実績を上げていますし、厚みのある体制になっていますので、全国から患者さんが来院されていますね。」

4.泌尿器科

 竹内病院長が着任した当時は病院長1人の診療科であったが、40年の歴史を経て、現在では竹内病院長を含めた5人の体制となっている。そのため、但馬地方の基幹病院の泌尿器科として尿路悪性腫瘍、尿路結石、前立腺肥大症などの症例が集中し、文字通りの「山陰の砦」となっている。

 特徴としては前立腺がん症例が多く、根治術例も豊富なことと、腹膜透析を行っていることなどが挙げられる。特に前立腺がんの血液検査を10年以上前から行っており、発見率も高く、手術件数は全国で20傑に入っている。ほかの症例と合わせて、泌尿器科全体としての手術は約60%が内視鏡手術、残り40%が開放手術である。

 「体外衝撃波砕石装置を有しているので、尿路結石患者さんは多いですね。年間200件前後の症例があります。これと経皮的腎切石術や経尿道的砕石術と組み合わせることで低侵襲な治療が可能です。結石に対する開放手術は全国でも珍しいです。」

2010.06.01.掲載 (C)LinkStaff

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