皮膚外科の必要性~日本皮膚外科学会設立 vol.4

第4回
 「日本皮膚外科学会」となった皮膚外科勉強会だが、その後は評議員が会頭になって全国各地で持ち回り開催になっていった。
 熊野初代会長が兵庫県立がんセンターを退職した後、本会会長を退かれ名誉会員となった。2代目会長には大原國章先生(虎の門病院副院長)が就任、副会長は中川浩一先生(大阪府済生会富田林病院)と、事務局長兼任の私が引き継いだ。
 私にとっての大きな前進は、事務局を兵庫医大皮膚科から、ワードミキ株式会社への変更を今年の第24回総会で決定してもらったことである。会員はもうすぐ700人になる。事務局を業務委託することで私の事務仕事と、何より精神的な負担は随分減ると思う(現在業務引継中)。
 また、来年の第25回日本皮膚外科学会学術集会(大分:橋本裕之会頭)からは、初代会長の提案・寄付によって、最も良い発表と学会誌論文に対して、「日本皮膚外科学会元気賞」として表彰することが決まった。副賞もあるので、会員数も、演題も増えることが予想される。
 学会としては年に1回学術集会の開催と年2回の学会誌の発行ではあるが、何より会員同志のネットワークができたことが、良いことだし、転勤する患者紹介にも役に立つ。
 また、日本皮膚科学会の皮膚悪性腫瘍指導専門医試験の受験資格に日本皮膚外科学会等に5年以上在籍していること、も条件になっているので、私たちの学会の必要性も高まっている。
 最近は形成外科でも皮膚癌手術を行うところはあるが、何より組織診断からの治療方針決定が重要であり、手術治療だけでなく、化学療法や放射線などを組み合わせての集学的治療を必要とする疾患である。再建など手術手技が中心の形成外科では、手術は行うもののその後の経過観察や追加治療については充分でない例が皮膚科に紹介されてくるという現実がある。「癌の性格を熟知した者」が治療にあたるべき疾患であり、その辺を学ぶべく最近では形成外科医の入会者も増えてきている。
 この勉強会~学会を設立したことで、何より「皮膚外科」の重要性をアピール出来るようになった。今後も本学会の必要性は増していくものと考えられる。

 かつて、私は、
 「学会というのは既にあるものに入会するものと思っていた」が、必要性があれば、創らなければならないものであるということが判った。
 これまで約二十数年の活動で、皮膚科の中では「皮膚外科」という名称も市民権を得た様だ。1980年前半におそらく兵庫医大病院にしか無かっただろう「皮膚外科外来」という看板は今、他の皮膚科でも見られるようになってきた。

 まぁ、もともと、「人に役立つ何かをしたい」、でもって医者を選んだわけで、それで絶対にこの科しかない、とか、これが専門でないとダメだ、とは考えなかったことと、偶然に偶然が重なって、今日に至っているのだが、充実した日々を過ごすことが出来ている。

 最後に
 兵庫医科大学皮膚科では、一緒に皮膚外科診療を行う仲間を求めている。このページの下にリンクがあるので、クリックして連絡先を見て頂けると嬉しい。見学も大歓迎!。

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  2009/12/11 皮膚外科の必要性~日本皮膚外科学会設立 vol.2
  2009/12/18 皮膚外科の必要性~日本皮膚外科学会設立 vol.3
  2009/12/25 皮膚外科の必要性~日本皮膚外科学会設立 vol.4