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―先生はセカンド・オピニオンを求められることも多いとお聞きしています。しかしセカンド・オピニオンを求める場合は、たいてい最初に受けた説明や治療法に納得がいかないからであって、第三者に意見を求めるということは実は自分で答えを出していることが多いですよね。 そうですね。例えば早期の胃がんの治療法はいくつかある。場合によっては手術しないで様子をみることもできるし、手術を受けたくない患者さんもいる。でも中には手術を受けたいと思う患者さんもいる。その場合、同じ手術を受けるなら、合併症を出すことの少ない病院を選ぶことができるかを考えるわけだ。僕としても、進行した胃がんで肝臓へ転移しているのに「手術はどうか」と問われれば「やめておけ」と言いますが、早期がんが見つかって手術はどうかとなれば「やめておけ」と言えるほどのデータを持っていない。だから患者さんが手術を受けたいのであれば、どの病院で受ければ良いかを相談する。一方で手術を受けたくない早期がんの患者さんに対しては、僕は手術をしたほうが良いという根拠も持っていない。 ―その場合、どうされるのですか? 実際に僕の担当する早期胃がんの患者さんで十数人の方は「様子をみたい」と言うので、手術をしないで経過観察をしている。すると大部分は、がんもたいして大きくならずに体も調子が良い。こうした事例を見てみると「手術したほうが良いですか?」と問われたら「良いとは言えないな」という答えになる。聞いてきた患者さんも手術に乗り気でないので、様子をみるかということになる。今後、早期胃がんに関しては、様子をみている患者さんの数が増えて臨床データが集まり、あえて手術をしなくても良いという根拠が固まれば「手術をやめたほうが良い」という言い方に転じる時が来るかもしれない。 ―様子をみる、とはどのぐらいの期間ですか? 調子が良ければずっとです。何年も経過を見ている患者さんもいるし、がん自体が消えてしまうこともある。 ―消えてしまう? それは自己治癒能力で、ということですか。 何ででしょうね。検診で見つかったものは、消えるものがかなりある。子宮頚がんでそれを裏づけるデータを最近探し当てた。発表する機会もあると思いますよ。僕は自分の患者さんに全力を傾けることを常に念頭においているが、これは何でも治療するのではなく、場合によっては治療しないという選択もあるということ。そのためには必死に勉強をする。知らないことは知らないと言うけど、そう言うのは悔しいので勉強を続けている。考えてみると大学を卒業してから、ずっと文章を読んでいる人生だな。 ―部屋中に本がありますが、読書量もすごいでしょうね。 僕は実験はやらないから、暇な時は読書か原稿を書いているかのどちらかです。一日12時間働いているうち、診療していなければ机の前にいる。 ―最近はどういった本を読まれていますか? 単行本はあまり読まないな。ほとんど医学書。『New England Journal of Medicine』や『Lancet』には目を通しています。そんなに数は増やせないけどね。 ―毎週来るのですぐたまりますからね。 そうそう(笑)。
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