2005年10月24日
瞼の裏側に糸が出る埋没法ふたえ手術の合併症
アメリカに向かう飛行機の中で書いています。アトランタで開かれるAmerican Society of Dermatologic Surgeryの年次総会で発表をするために行くところです。ひとつは今年アメリカでFDAの承認が下りたばかりの第2世代IPL、Ellipse Flexによる若返り治療のポスター発表。作成した畳一畳分よりも大きいポスターを飛行機で運んでいるのですが、なかなかかさばって大変です。もう一つは私が行っている眼瞼形成についての口演です。今日も出かける寸前まで診療をしていて、まだパワーポイント原稿が仕上がっていないので、飛行機の中でがんばります。日本で一般に行われている埋没法重瞼術は瞼の裏に糸が出ているため、角膜を傷つけたり、瞼の裏に慢性的に炎症を引き起こしたりします。埋没法重瞼術後いつまでも眼がゴロゴロしたり、痛かったり、充血が取れなかったりするのはこのためです。このことにも少し触れる予定です。もちろん、当院では埋没法も瞼の裏(結膜側)に糸を出すことはありません。したがって、瞼を裏返して麻酔注射を打つこともありません。


10年前、名古屋の大手美容外科で埋没法重瞼術を受けて以来、10年間白目が充血し、眼が痛い。常に眼がゴロゴロする、眼が閉じきらず、開けにくい。などの症状があった。
瞼の裏は一面ブツブツ、ザラザラと石灰化していた。結膜結石と診断し治療した。左は3ヵ月後でほとんときれいになっている。症状はなくなった。
1年半前滋賀県の皮膚科で埋没法重剣術を受けて以来ずっと眼がかゆい。数ヶ月で二重も取れてしまった。瞼の裏には糸が出ていてその周囲が充血し、慢性炎症の状態。抜糸し、糸が結膜側に出ない埋没法で手術しなおした。
2005年10月22日
秋休みの一日
10月22日は京都3大祭りのひとつ、時代祭りの日です。今年は土曜日とあっていつもにも増す人出だったのではないかと思います。行列は御所を出て、三条通を東へ、平安神宮へと向かうため、当院の真前を通ってくれます。沿道で観覧される人たちは随分と前から場所取りをされています。当院の患者さん、エステのお客さんは交通規制のため予約どおりに来れない方が続出でした。診療待ちの患者さんには診療所の軒先でお祭りを見ながら待っていただきました。私も義経だけは見ようと思っていたんですが、診療が立て込み、できませんでした。
今日の午後6時半からは娘がテレビ出演しました。といっても、中部地方でしか放映されない番組なので、名古屋の友人の秋田恵子さんに録画していただき、ビデオを送ってもらう予定です。娘の小学校の秋休みの一日、いっしょに出かけた「甲賀の里忍術村」でマナ・カナのテレビ愛知「遊びにいこ!」という番組の取材に出くわし、たまたま遊びに来ていた子供、という設定で(本当にそうですが)黒い忍者の服を着て忍術修行をしているところを撮影していただいたのです。綱渡りの術の場面では手伝っている私も少し映ったとのことです。



他にどんな修行があるかというと、塀越え、塀横歩き、壁づたい、井戸抜け、手裏剣投げ、石垣上りなど。難関は「水グモ池」タイヤの穴のところに板がくくりつけてあり、それを両足に履いて、というか乗って、水の上を歩いて池を渡るというものです。かなり難しそうだったので、まずテレビ局のスタッフのお兄さんが挑戦してくれました、初めは何度か池に落ちそうになり、キャーキャー言って見ていました。無事に反対岸まで渡り終えられ、次は娘の番。タイヤの中央まで足が届かないので、片足はタイヤに乗っけて歩き始めました。やはり初めはグラッと来たので落ちるかと思い、慌ててカメラのシャッターを切りました。池の水がどろどろだったので、忍者の服に着替えていてよかった、と思いました。娘もすぐに要領をつかんだようでスイスイ行きはじめ、撮影が終わっても、帰りも水グモで戻ってきました。いっしょに行ったお友達の光穂ちゃんは一歩踏み出す前に水に浸かってしまい、リタイアしてしまいました。

実はこの日はとってもハードに遊んだ一日でした。まず5時起きで光穂ちゃんのお母さんの運転で瀬田の滋賀県立アイスアリーナに行き、子供2人は6時15分からのフィギュアのレッスンに参加しました。1時間半のレッスンを終え、道に迷いながら10時に予約していた甲賀乗馬クラブに行きました。娘だけ1時間乗馬を楽しみました。去年の秋休みは私が軽井沢の日本美容外科学会に出席していたので3日間学会場の近くの軽井沢乗馬クラブの合宿に入れておきました。


それで、少し乗れるので、今回は特別に河川敷に出させてくれたり、早足をさせてくれたりしてくれました。三舟さんとおっしゃるとてもよいコーチに教えていただきました。「折角だからお母さんも少し乗りませんか」と勧めていただき、私も少し乗らせていただきました。三舟コーチが「マナ・カナが取材に来られてテレビに出るんですよ」とおっしゃっていました。そのあと、たまたま忍術村に行き、その同じ番組に私達も取材してもらったというわけです。忍術村のあと信楽で焼き物をしようと計画していてその途中に遅い昼食をとったレストランでまたまた同じテレビ局の方達に会いました。そして、水グモをデモンストレーションしてくれたお兄さんが紹介してくれた信楽陶芸村で焼き物をしてから家路に向かいました。信楽陶芸村ではマナ・カナの作った焼き物が出来上がっていました。ビデオが届くのがとても楽しみです。
2005年10月09日
日本美容外科学会総会
10月9,10の連休は日本美容外科学会に参加するために横浜に行ってきました。8日の診療終了後すぐに出発して、横浜で会食をする用事もあったのですが、木曜日にお亡くなりになった京都第2日赤皮膚科部長の前田先生のお通やに列席したために用事を一つキャンセルして8日深夜12時半にホテルに入りました。前田先生は私が開業したと同じ頃に同じ東山区の基幹病院の部長に転任してこられ、皮膚科と形成外科というのはとても関連が深いのでいろいろとお世話になりました。2年ほど闘病されながらその手記を毎月医師会会報に連載されていて、つい先日治療を受けながら元気に(?)外来をこなしておられる様子を拝読したばかりでしたので、訃報を聞いて本当に驚きました。毎年かわいい愛犬との写真入りの年賀状をいただくのを娘と楽しみにしていたのですが。

さて、日本美容外科学会というまったく同じ名前の学会が日本には2つ存在していて、混乱を招くので随分前から関係者は困っているのですが、今回出席したのは形成外科専門医しか正会員になれないレベルの高いほうの学会です。お金持ちなのはもうひとつの方の学会です。学会長は毎年全国の会員がもちまわりでなり、その年最大のイベントがこの体育の日の連休あたりに開催される総会です。今年の会長は横浜西部病院形成外科部長の酒井成身先生で、日本一美しい乳房を再建される先生として有名な方で、その手術は2年待ちだそうです。前にも書いたように思いますが、実力のある方はお人柄も素晴らしい。会長講演には感動しました。酒井先生は子供の頃から美しいものが大好きで、それで形成外科医になったそうです。小学校5年のときに作られたという木製の人体模型が印象的でした(写真)。手術が上手な形成外科医の先生は聞いてみるとたいてい、子供の頃から絵を描いたり物を作るのが好きで手先を使うことが得意で大好きだった方が多いです。またもともと左利きで、左右の手が同じように使えるという先生も2人知っています。皆、好きが高じて形成外科医・美容外科医になってしまったのでしょう。私も常々手術をしながら、「こんなに楽しいことをさせていただいて、患者さんには喜んでいただいて、お金までいただいて、看護婦さんには手伝っていただくだけで私だけ楽しいところを全部させていただいて、なんて私は幸せなんだろう、なんという贅沢!」と思っています。手術が長時間に及ぶと、「疲れるでしょう」と周囲のものが気遣ってくれますが、私は「こんなにゆっくりと納得の行くまでさせていただいて、本当にありがたい」、とまずは長時間耐えてくださった患者さんと看護婦さん、そして急かされずに手術ができる開業医という環境に感謝しているのです。毎日の業務の中にはちょっと辛いけどやらないと仕方ない、というようなものもありますが、すべて週2日間の手術日の幸せを味わうためにがんばっているようなものです。毎日手術日にできたらいいのですが。もしうちに「手術以外は全部引き受ける!」って言ってくれるようないいドクターが来てくれたならば、20年培ってきたノウハウを全部しっかり仕込んで全てお任せし、私は手術室にこもっちゃうのですが。そんなドクター来てくれないかなあ…。

話がそれてしまいましたが、長くなってしまうのでこの学会で私が口演したセルライトケアについては次回お話します。
2005年10月02日
区民運動会
昨日の日曜日はexercise day でした。娘の6時15分からのフィギュアのレッスンのため朝5時おきで滋賀県栗東の滋賀県立アイスアリーナに往復後、地域の小学校での区民運動会に参加しました。会場の京都市立下鴨小学校は私の母校です。私は8年前に娘と共にこの地域に戻ってきましたが、例年はこの区民運動会は体育の日に行われていて、日本美容外科学会総会と開催日が重なっていたため一度も参加できずにいました。実は私はこのようなイベントは大好きなので学会には出ずに運動会に出たい、という思いを押し殺しながら泣く泣く学会の方に参加してきました。今年は日がずれたので初めて両方参加できます。この区民運動会に出たのは小学校以来です。学校の運動会と違って、商品がもらえるので、とても楽しみでした。女の子の絵が描いてあるピンク色の下敷きや鉛筆をもらったのを今でもよく覚えています。昨日は35年前とは違って、参加する子供の人数は随分少なかったです。でも大人は結構いました。各町内対抗の競技、個人競技など盛り上がるよういろいろ工夫が凝らされ、どの競技に参加してももれなく参加賞がもらえます。昔参加したときは町内の子供の数が多く、うちは両親が働いていてあまり近所づきあいをしてくれていなかったので事前の根回しがなかった私は小学生リレーに参加できず残念な思いをしたのを覚えています。ところが今は子供も各学年が揃わないため、何年生でもいいから4人だけ参加するというリレーです。うちの子がリレーに出たいと言ったら大歓迎されました。私達の宮河町は小学生リレー、むかで競争、綱引きが準決勝へと勝ち進みました。残念ながらそこまでで敗退してしまいましたが、初めは“優勝か”と思わせるような勢いでした。個人競技は全て当日参加できるので、私は団体・個人合わせて8種目も出てしまいました。100メートル走は親娘とも1位でした。娘は50メートル8.3秒と8歳にしては俊足なので、あまり驚かれなかったのですが、普段走ってもいない私は皆に驚いてもらえました。戦利品は、しょうゆ、洗剤、液体だし、台所用洗剤、味付け海苔、お菓子、など35年前のものとは違って夢はないけどすぐに役立つものばかりでした。今日は一日中筋肉痛でよたよた歩きながら診療していました。



2005年09月19日
醍醐スケートリンク
醍醐スケートリンクが22年の歴史の幕を閉じました。9月19日、娘の属する醍醐スケートクラブによる最後のイベントがあり、フィギュアを始めたばかりのチビッコから、今世界で活躍中の選手たち、オリンピック出場選手まで、みな素晴らしい演技を披露してくれました。これで京都で通年営業するアイススケートリンクはなくなってしまいました。11月からは夏はプールで冬だけスケートリンクになる京都府立アクアアリーナで一定時間フィギュア専用の時間を設けてくれるということですが、どれだけ練習できるのかはふたを開けてみないとわかりません。これからはあちらこちらのリンクにお邪魔して練習させてもらうジプシー生活です。この連休はコーチと選手達は姫路まで合宿しに行っています。そこでも貸切練習をさせてもらうのは早朝6時からだけのようです。来月は学校前の早朝6時15分から滋賀県まで行って滑ります。どこのリンクでも地元のフィギュアのチームが練習しているでしょうから、子供達は肩身の狭い思いをしているのではないでしょうか。初夏に突然リンク閉鎖の知らせを聞いたときは本当にショックでした。フィギュアを始める子供達がとても増えて、リンクは大変な賑わいようでした。何故閉鎖してしまうのか、私達は最後まで理由を教えてもらえませんでした。


夏休みにボストンで1週間 The Skating Club of Bostonという歴史あるスケート場に通いました。ボストンではスケートクラブが所有、運営する唯一のスケートリンクです。クラブ員の紹介がないと滑れません。アイスホッケーなどもせず、フィギュア専用に作られた氷、ということで、とても滑らかで滑りやすかったです。リンク使用時間はレベルごと(ジャンプの種類、何回転できるか、などで選手のレベルが分けられています)に20、40、50分枠などに区切られていて、申し込みの早いもの順で予約が取れます。(私は残念ながらどのレベルにも属さないため、折角スケート靴を持参したのですが、滞在中1回だけ20分ほどだけ滑らせてもらいました。)一時にリンクに上がれる制限人数は20人弱のようですが、実際滑っている人数は6人くらいのことも多かったです。ペアの時間は2ペアまでと決まっていました。それに比べ、一時に100人も滑っているようなリンクで練習している日本人選手が世界の舞台で華やかに活躍していることを思うと、日本人はなんてすごいのだろうと感心します。ただ、関係者の間では日本人コーチは一般に評判が悪いと聞きました。選手をスパルタ式に怒鳴ったり殴ったりして教え(?)、しかも国際試合の場でそれをやってしまうから、外国の人たちから眉をひそめられている、と聞きました。それを聞いて恥ずかしくなりました。優雅な(に見える)スポーツなのですから、是非日本人も上品に振舞って欲しいものです。

2005年09月04日
日本美容皮膚科学会

9月3日と4日に京都国際会議場で開かれた日本美容皮膚科学会に参加してきました。主に美容に関心のある皮膚科医が集まる会です。この学会に始めて参加したのは1999年で、“ケミカルピーリングの実際と臨床”と題して特別講演をしました。すでに17回目の総会とのことでしたが、60人から70人くらいの、“研究会”といった規模の会でした。毎年夏に開かれるその会にその後何回か参加しましたが、いつも100人までの集まりで、企業展示も化粧品会社などが5,6社テーブルを並べただけのような簡単なブースで出展しているだけでした。ここ数年は他の学会と日にちが重なったりして参加できずにいました。今回参加して驚いたのは参加医師の多さです。ここ数年で参加者が増えてきて昨年が350人程度、今年は640人の参加者があったそうです。企業展示も化粧品会社やレーザーなどの医療機器会社がずらりと並び、とても賑わっていました。よかったのは、学会の規模が大きくなるといくつもの部屋で並行して演題発表が行われがちで、そうすると聞きたい演題が重なって残念な思いをするのですが、この会では口演は一つの大きな部屋でのみ行われました。口演はすべて特別講演かシンポジウムで、一般演題はすべてポスター発表という割り切りようでした。これも一つのいいアイデアだと思いました。私は今回は大学の化学教授の上田先生とその教室員の渡邊先生と3人での共同発表で、皮内にいろいろな有効成分をイオン導入や超音波導入する方法や皮内に導入した成分を非侵襲的に定量するなどの一連の研究の一部を2つのポスター発表にまとめたものです。なんとその発表の一つを優秀賞に選んでいただきました。筆頭発表者の渡邊先生は始めて参加した学会で賞と金一封の副賞までもらい、本当に驚いておられたようです。臨床では治療で患者さんがきれいになられるのを見るだけで十分楽しく幸せな気持ちになれるのでよいのですが、基礎研究にもこのような華やかなスポットライトをたまにはあてていただくと、とても励みになります。それにしても、conservativeの代表の科であった皮膚科にあってこんなに多くの先生方が美容に興味を持ってこられたとは時代が変わったものです。しかしながら、美容の世界には新参者の医師達がエステティシャンたちを十把ひとからげにして軽くみなすのには抵抗があります。古くから美容に携わってこられたエステや化粧品の業界の方達からは新参者の我々医師は沢山学ぶものがあるはずです。以前私の講義を聴きに来られた男性医師が私に質問されました。“先生、ファンデーションと日焼け止めクリームはどちらを先に塗るのですか?”と。
2005年08月25日
国際電気脱毛セミナー
お盆休みをいただいていたこともあり、しばらくご無沙汰してしまいました。8月24日と25日に新宿の京王プラザホテルで国際電気脱毛セミナーが開かれました。250人か300人程度の電気脱毛士の資格を持つエステティシャンが参加されました。これはCPE資格という米国電気脱毛協会が出していて、アメリカの多くの州が公式資格として採用している電気脱毛士資格の日本での資格保持者に対し資格の継続をするのに受講が必要なセミナーです。日本スキンエステティック協会と米国電気脱毛協会が主催している年に2回のセミナーで、毎年2月に大阪、8月に東京で開かれます。私は今回はRejuvenationと題して、当院で行っているrejuvenation方法、すなわち、オリジナル化粧品、エステ、内服・外用、レーザー・IPL、注射、メスを使わない手術、メスを使う手術、を侵襲の少ない順、つまり患者さんの好まれる順に2時間、話をしました。初めてこの会で話をさせていただいたのが7年位前で、テーマはレーザー脱毛についてだったかと思いますが、通常医学会での特別講演は30分から1時間くらいなので、2時間という長い時間を与えられ驚きました。今では、厚かましくなって、2時間でもしゃべりきれないと思ったりします。その前に驚いたのがその話を持ってこられたTBCの幹部の手塚圭子先生で、この方とは1998年4月にSan Diegoで開かれたIPLのワークショップで私達以外の唯一の日本人参加者として出会ったのですが、あまりの聡明さ、美しさ、上品さ、に驚いたのです。この会で話をするときにはいつも会員のエステティシャンの方々の熱心さに感心させられます。一人も居眠りしたり、私語したりする人なく、みな食い入るように一生懸命話を聴いてくださいます。残念なのは休み時間の光景。タバコを吸う人が非常に多いのです。人々の美と健康にかかわる仕事ですから、お客様の模範となるよう是非がんばって禁煙していただきたいものです。その熱心な皆様から講演後下記の質問が送られてきましたので、ここで回答します。

Q1 イオン導入の頻度はどれくらいの間隔なのでしょうか?
A 毎日できればそれに越したことはありませんが、通常はせいぜい週1,2回しか通ってきていただけませんよね。間が空いたためにリバウンドが起こるなどということはなく、やればやった分だけ効果があると考えてください。
Q2 レーザー脱毛やフォトフェイシャルの際の痛みはどの程度なのでしょうか?
A レーザー脱毛は機種により痛みが随分違いますし、また、皮膚の冷却の程度にも随分左右されます。ルビー、アレキサンドライト、ダイオード、ヤグ、の順に波長が長くなりますが、波長が長くなるほど、光は深くまで届くので、痛みも強くなる傾向にあり、したがってヤグレーザー はかなり痛いです。IPLは機種にもよりますが一般的にはあまり痛くありません。IPLの痛みが輪ゴムを肌にパシッとはじかれるような痛みだとすれば、ヤグレーザーは骨にズンとくるような痛みです。
Qまた、麻酔の使用はあるのでしょうか?
脱毛の場合、通常冷却のみですが、麻酔クリームなどを使用することもできます。フォトフェイシャルは冷却をしていましたが第2世代IPLはそれも不要です。
Q3 レーザー照射による治療(施術)の平均値段(相場)はどれくらいなのでしょうか ?
保険の適用になる範囲をお教え下さい。
A コイン大のしみのレーザー照射で1万円くらい、顔中照射するフォトフェイシャルやIPLは5万円前後、レーザーピーリングでは2、3万円です。
赤あざ、毛細血管拡張症に対する色素(ダイ)レーザー照射、青あざ、茶あざ、外傷性異物沈着症(外傷性刺青)に対するQスイッチレーザー照射、が健康保険適応と定められています。
Q4 静岡近隣に先生のようなレーザー治療のできる病院があればお教え下さい。
A 脱毛だけとか、フォトフェイシャルだけ、あざのうち赤あざだけ、またはしみと青あざ、などと限られた治療をしておられるところは随分多くなりました。すべてを総合的にという施設はなかなかありません。具体的にどのような治療をご希望か、またはどのようなことに対してレーザーをお受けになりたいのかを示していただければ紹介しやすいです。
Q5 世界的なRejuvenationの需要はどの程度なのでしょうか?
やはり、先進国に限ったものでしょうか?
A タイ、韓国、シンガポール、台湾、香港などアジア諸国は需要も多く、日本よりもRejuvenation先進国ともいえます。アメリカのレーザーや美容皮膚科などの学会では日本人の医師はあまり多く見かけません。日本よりも人口の少ないはずのアジアの国々の医師達の方を沢山見かけ、彼らはとても熱心に勉強されています。外国で開発されている数多くの方法のうち日本に入ってくるのは輸入業者が輸入し、日本の医師に紹介した方法が主です。美容に携わる日本の医師はもっと積極的に勉強して欲しいものです。
Q6 光系(IPL)脱毛で永久脱毛は可能なのでしょうか?
A 講演の中でお示ししましたとおり、可能です。私は1996年から試作機を会社に作っていただくなどしてルビー、アレキサンドライト、カーボンを用いたQヤグなどでレーザー脱毛の方法を模索してきました。一般的にも、ルビー、アレキサンドライト、ダイオード、ヤグなど段々と波長の長い装置へと変遷してきました。当院でも肌の色の黒目の人でも比較的安全なので、ヤグも用いていました。しかしながら、現在は波長やパルス幅が変更できて、照射面積が圧倒的に広いなどの利点からもっぱら光(IPL)脱毛を行っています。
Q7 レーザー脱毛では2~3ヶ月おきに通う方法がとられていますが、それが、毛周期か
ら考えて一番効果の出る通い方なのでしょうか?
A 以前は永久脱毛効果を得るためには毛周期のうち、成長期初期に照射するのが有利と考えられていましたが、現在は毛が毛包の中にありさえすればどの時期でもよいと考えられています。毛が生えてきたころに照射すればよいかと思います。
Q8 鈴木先生の本が欲しいのですが?お奨めの書籍をお教え下さい。
A 医学専門書への執筆は数多くしており、日経ヘルスなどの雑誌の取材に応じることも多いですが、残念ながら、一般向けの本の執筆までなかなか手が回りません。何年か前に池田書店から「肌の悩み解消ハンドブック」と「化粧品成分ハンドブック」を監修したくらいです。よろしかったらブログを読んでください。http://www.e-doctor.ne.jp/biyoublog/
Q9 美白作用のあるものは、数々出ていますが(レチノール、ビタミンC、アルブチン
、AA-2G等)配合量によっても違うと思いますが、どれが一番効果的なのでしょうか?
また、肌への浸透(働きかけ)のメカニズムをお教え下さい。
A 美白剤について書くとすると、本1冊分になってしまいます。厚生労働省が医薬部外品に配合を認める美白成分以外にも美白に有効な成分が実際には非常に多く配合されています。チロシナーゼ阻害一辺倒だったメカニズムも、今ではさまざまなところに働く成分が開発されています。したがって、メカニズムの異なる成分を同時に複数使用する方法がベストといえます。
Q10 講義の中で、ハードコンタクトも目のたるみの原因になるというお話でしたが、
原理の詳細をお教え下さい。
A ハードコンタクトレンズをはずすときに目尻を外側に引くことが眼瞼挙筋腱膜を引き伸ばすことにつながると考えています。ですから、ハードコンタクトレンズはスポイトではずすようにすれば眼瞼下垂を予防できるかと思います。
Q11 今、金の糸を顔に埋めてコラーゲンを作り、タルミやシワを改善するという美容
法がありますが、鈴木先生はどう思われますか?
A 効果のほどは知りませんが、レーザーがあてれなくなるので、私は受けたくありませんし、患者さんにもお勧めしていません。
Q12 茶色い色素斑でシミとアザはどの様に見分けるのでしょうか?
A 茶色いあざは通常赤ちゃんの頃からあります。
Q13 肝斑の治療にトランサミンが有効とのことでしたが、服用してどれ位の期間で効
果が出るのでしょうか?
服用期間が長期に及んでもリスク(副作用)は無いのでしょうか?
また、効果が出たら、服用を止めてもいいのでしょうか?
A 1,2週間で効いてくるのがわかるかと思います。止血剤としても用いる薬ですので、コレステロール値が高い方など、血管が詰まりやすい方には注意が必要です。また、婦人科でホルモン治療を受けておられる方も、血液が凝固しやすいので注意が必要です。肩こりや首のこりがひどくなるのをサインにしています。効果が出れば一旦内服はやめ、美白剤を塗ったりイオン導入するなどでできるだけよい状態をキープしていただきます。悪化すればまた飲んでいただきます。
Q14 鈴木先生のスライドにありました化粧品の購入方法をお教え下さい。
A 075-702-2448にFAXしていただければ代引きでお送りします。
Q15フォトフェイシャルである程度、シミやタルミが改善された後は、どれくらいおき
に照射をしたら良いのでしょうか?
A 3カ月おきくらいにされてもいいし、気になってきた頃にまた数回続けてされてもいいです。
Q16 エステサロンで使用するフォトフェイシャルの機械で、鈴木先生のお奨めする機
械をお教え下さい。
A 現在は沢山の機種が次々にでてきて迷いますね。エステ用の機種は把握していません。当院で用いているのは医療用で、デンマークDDD社のエリプス・フレックスと米国パロマ社のエステラックスです。
Q17 娘(1歳半)が点滴もれによる原因で皮膚が壊死し、ケロイドになってしまいま
した。
鈴木先生のクリニックでレーザー等の治療を受けたい場合、どの様にしたら良いでしょ
うか?予約などについてお教えください。
水曜日午前中の子供あざ外来をご予約下さい。075-752-1533
Q18 子どもの背中に青アザ(蒙古斑?)が一面にあります。出来る原因は何なのでし
ょうか?
そのままにしておいても消えるものでしょうか?
レーザー治療をやったほうがいいのでしょうか?金額の目安をお教え下さい。
A 治療するかどうかは判断の難しいところですね。消えてしまうかどうかは現時点ではわかりかねますので。濃いものは治療すればよいと思います。できる原因はわかっていません。日本人の9割以上に蒙古斑があります。通常の範囲以外にできたものを異所性蒙古斑といいます。治療すると決めたら、0歳のうちにしたいものです。費用は乳児医療なら200円です。
Q19 子どもが1歳半位の時に階段から落ち、その後、打撲したまわりが濃い茶色のシミ
になりました。この様なシミはレーザー、IPL等、何が一番、効果が出るのでしょうか
?
また、関東で鈴木先生お奨めする病院をお教え下さい。
A 炎症後の色素沈着ならば、美白剤の外用やイオン導入が適切です。レーザーやIPLで治療を促進できる可能性はあります。
東京女子医大の形成外科の河野太郎先生なら腕もお人柄も信頼できます。
2005年08月04日
カッパーブロマイドレーザー・レジュヴィネーション

今日はタイからの見学の先生ご一行が来られていました。カッパーブロマイドレーザーを見に来られました。タイ人の苗字はみなとても長く、10年来の友人や知り合いも多くありますが、未だに苗字を覚えきれず名前でよんでいます。タイの人もそれを自覚されていて、「私のことはドクターAと呼んでください」といってくれた人もいて、そうさせてもらっています。今回見学の4人はドクターTとその妹さんでエンジニアの方、看護婦さんでレーザースペシャリストの方、そして、レーザーやRF機器の輸入業者の女社長さんのご一行でした。
カッパーブロマイドレーザーは15年位前にオーストラリアのアデレードで開発されました。開発技術者であり、Norseld社社長さんのPeter Davisさんから今回の見学者の件は頼まれました。ご一行は朝10時から夜7時半ごろまで勉強して満足そうに帰国されました。カッパーブロマイドレーザーは511nm(ナノメーター)と578nmの二つの波長の光を別々および同時に出すことができるレーザー装置です。私がこの装置とであったのは1993年にさかのぼります。アデレードで社長のピーターさんと2人3客でこのレーザー装置を開発されてこられた皮膚科医のSue Mckoy先生を訪ねました。オーストラリアはオゾンホールのために紫外線量が多く、そのための皮膚障害も多いですが、その分、治療についても発達しています。紫外線によりしみやしわが増えることはよく知られたことですが、毛細血管拡張も起こります。スー・マッコイ先生はオーストラリアを代表するレーザー医で、私より5歳くらい年上の長身で美人でてきぱきしたとてもかっこいい先生です。男勝りでメカに強く、自分で組み立てたクラッシックカーを運転されていました。交通渋滞で有名なバンコクの街中を1000ccのバイクで走り回っていたのも彼女です。結婚はされていましたが子供が嫌いで絶対にいらないといっておられましたが、それは今も変わらないようです。ピーター・デイビス社長が「危険なので絶対やめてくれ」、と頼んでも、高温、高電圧になるカッパーブロマイドレーザー装置のカバーを自分で開け、故障を自分で直してしまおうとされます。彼女には直径1mm程度までの拡張した毛細血管をペン先のようなハンドピースの先から出るカッパーブロマイドレーザーの578nmの光でなぞって消していく方法と、直径1mmくらいの拡張血管に細い針を入れ、高張食塩水を注入して血管を塞いでいく方法を教えていただきました。毛細血管拡張症の治療は当時日本では需要は少なかったですが、早速日本に持ち帰り開始しました。それから1年間カッパーブロマイドレーザーを使用し、治療効果は大変よかったのですが、故障が多すぎたのでとうとう機械を返却しました。そして10年後、カッパーブロマイドレーザー一筋に打ち込んでこられたピーター・デイビス社長にアメリカの学会で再会し、「もう故障しないし、さらに改良を重ねたのでもう一度使ってみて欲しい」といわれ、1年余り前からまた使い始めました。確かに故障しにくくなり、また、non-ablative rejuvenation治療とにきびの光線治療にも対応できる工夫がなされ、社長さんが自信もってすすめられるだけある機械に仕上がっているように思います。

そもそも、日本では流行らなかった、皮膚を一皮むいてしみ皺のある皮膚を一掃し、若返りを図ろうという炭酸ガスレーザーやエルビウムヤグレーザーを用いたskin resurfacingに取って代わり、今日本で大変なブームになっているnon-ablative skin rejuvenation治療、すなわち、表皮を痛めないでダウンタイム(日常生活にさしつかえる期間)なしにしみくすみやしわ、皮膚のはりや毛穴のひらきを改善し若返りを図ろうという方法は血管腫治療用ダイレーザーをしわ治療に用いたところから始まったわけです。non-ablative skin rejuvenation治療の作用機序はいまだ実証されてはいないのですが、大きく2つに分けて考えることができます。ひとつはダイレーザーに代表されるように、血液中のヘモグロビンに吸収される波長の光を血管を破壊しないように弱めに照射してコラーゲンを生み出すための伝達因子を出させて、新しくコラーゲンを作らせよう、というものです。もう一つは水やコラーゲンに吸収される波長の光を強く当て、真皮のコラーゲンを破壊・変性させ、きずが修復されるときにコラーゲンが新しく生み出されたり、たんぱく質であるコラーゲンが熱で縮んで、そのあともきずが治る過程で傷あとが縮むことを利用して、しわやたるみを改善しようという表皮を温存したskin resurfacingともいうべきアグレッシヴなものです。最近ではレーザーや光だけでなく、これをRF波(ラジオ波)で行うこともされています。もし私自身がnon-ablative skin rejuvenation治療を受けるとしたらどの方法を選ぶでしょうか。もしも、私の皮膚がすでにひどいニキビとか事故などのきずあとでデコボコの傷あとだらけになっていたら、あきらめて後者の装置で治療するかもしれません。でも私の皮膚は年とともにコラーゲンが減って薄くなり、たるんできただけなので、表皮を温存するとはいえ、真皮をアグレッシヴに破壊しようなどという勇気はありません。ですから、刺激少なく、皮膚の深くまで届いて色むらを改善しつつコラーゲンの再生を促す前者の機序で働くレーザーピーリングや、新陳代謝を活発にしてむくみを取ってたるみを解消するインディバRFなどは喜んで受けます。
よみがえったカッパーブロマイドレーザーはまさにヘモグロビンの吸収波長とピタリと一致する578nmの光を利用して新しく開発されたスキャナーまたはペンタイプのレジュヴィネーション用ハンドピースを用い、前者の機序で働くnon-ablative skin rejuvenation治療が効果的にできるよう工夫されていました。実際の効果も患者さんの評価も上々で、non-ablative skin rejuvenation治療のトレンドになってきそうな気配がします。このような情報をいち早く察知したタイの先生と輸入業者の方が早速当院に勉強にこられたというわけです。すでに1年前に香港の先生も見学に来られ、彼は今では自院で盛んにこの方法を用いておられます。
2005年07月31日
日本の文化

いよいよRoxとJohnの日本滞在も終わりに近づき、明日帰国の途に付かれます。最後の日曜日は日本の文化に浸りました。朝は都ホテルのプールでひと泳ぎした後、チェックアウトし、伏見へと向かいました。創業380年を誇る大手筋のお茶の老舗、松田桃香園(http://toukouen.jp/)の13代目当主は私と中学高校の同級生で、33歳で両親を亡くされてから女一人で老舗を切り盛りするどころか、次々と新しいアイディアを考え出され、事業をますます発展させておられます。ここで抹茶茶碗に絵付けをさせていただきました。Roxは鳥獣戯画のうさぎを筆で書いたのですが、これがお手本の絵と寸分狂わないあまりもの腕に私達も店の人たちもとても驚きました。そのうえ描かれるのがとても早く、私達が一つの茶碗を仕上げているあいだにさらに鳥獣戯画のかえるの絵のお茶碗も描かれ、さらには当主の松田須英子さんにお抹茶の点て方まで教えてもらわれました。そしてBostonに帰ってもお抹茶を点てるとおっしゃり、松田さんデザインの漆塗りの引き出しに入った野点セット、「京のお抹茶しまひょ」(http://www.shinise.ne.jp/options/shinise/pa_toppage.asp?temp_id=20&shp=19)を購入されました。これはシンプルでいて、細かいところまで配慮の行き届いた優れたデザインでとても感心しました。そのあと、松田さんの案内で御香宮に茅の輪の神事を見に行きました。7月31日は一年で一番暑い日とされていて、茅で作った輪を8の字を描きながらくぐり、無病息災を願う日だそうです。締めくくりは診療所の近所の「うしのほね」で夕食でした。あまりに楽しい一日でしたので、お昼ごはんを食べるのを忘れていました。


2005年07月30日
特別講演

都ホテル京都でエルビウムヤグレーザー臨床研究会が開かれ、私とRox Anderson教授が特別講演をしました。この会は歯科用エルビウムヤグレーザーを使用されている歯科の先生方800人程度からなる会で、毎年研究会を開催し、会員外から特別講演者を招待されているとのことで、今年は私に皮膚科形成外科領域でレーザーがどのように使用されているか話してほしいという依頼がありました。たまたま、Roxが来日されている日と重なったため、是非とも、という会からの依頼で2人で講演ということになりました。Roxはこれからの分野であり、彼がすでに素晴らしい発明をいくつも世に送り出している、光をもちいた診断法について話されました。私が同時通訳をしましたが、機械の設計模式図の説明などとなると、私の理解を超えていましたので訳せないところもありました。特別講演の抄録を添付します。
❑特別講演
Laser Microscopy and Imaging for Oral Applications
Harvard Medical School, Boston Massachusetts
R. Rox Anderson, MD;

Lasers are being used for surgery of hard and soft tissues in the mouth, but the oral diagnostic applications of lasers have not yet been developed. There are some promising technologies emerging now, for both diagnosis and for guiding treatment. Confocal laser microscopy is a research device that provides high resolution images of oral mucosa, but is not well compatible with fiber optics. Optical coherence tomography (OCT) is a laser imaging technology that has the advantages of high resolution, fast speed, and flexible delivery through optical fibers. OCT creates images of light scattered back from inside the tissue. OCT was invented for imaging the retina, and has been used for almost a decade in ophthalmology. However, recent advances make it possible to perform OCT through fiber optics. We recently developed a high-speed version of OCT for endoscopy, using scanning catheters. Near-infrared light is used, providing image depth of several millimeters and resolution of about 10 micrometers. It takes only a few seconds to take images of oral structures including teeth, gingiva and mucosa. Potential applications of OCT in dentistry, oral surgery, and laser surgery will be discussed.
❑特別講演
レーザー・IPLの形成外科・皮膚科領域での臨床使用
京都市開業 鈴木形成外科院長
鈴木晴恵
1960年にMaiman博士がルビーレーザー発振に成功するとすぐに医療への臨床使用が始まったが、我々が携わる形成外科・皮膚科領域にレーザー治療本来のメリットがもたらされたのは1983年にRox Anderson 博士がselective photothermolysis の理論をといてからである。マサチューセッツ工科大学時代に光の研究に興味を抱き、すでに物理学者として皮膚光学について多くの論文を生み出していた博士は1980年、29歳で入学したハーバード大学医学部の1年生のとき皮膚科医対象のあるセミナーに参加して単純性血管腫(赤あざ)の症例をはじめて見た。アルゴンレーザー照射により瘢痕のできた多くの赤ちゃんの症例に衝撃を覚えた。何とか傷あと無しにこの子たちから赤あざだけを取り除けないものか、できるはずだ、とすぐに考え始めた。アルゴンの波長は悪くはない。しかし、照射時間が問題だ。血管だけが熱せられ、周囲組織に悪影響を与えるまでに冷め切らなければならない。セミナーでは組織像も紹介され、あざの血管の直径もわかった。あとは数学的に計算をすればよい。バスに乗り、地下鉄に乗り継いで家に帰り着くまでに理論はすでにほぼ出来上がっていた。この論文が出版されたのは1年後の1981年。さらに実際にレーザーを組み立て動物実験をして組織像で証明し、1983年に現在レーザー治療に携わる医師や研究者達が皆、バイブルとしてあがめる論文がscience誌に掲載された。博士は学生時代も医学部の授業が終わると毎日明け方まで研究室で実験を繰り返していた。もちろん、実験器具のレーザー装置はみな博士が自ら作った。 奇しくも博士と同じく1984年に医科大学を卒業した演者は1988年よりレーザー治療に携わる機会を得た。博士が大学1年生のときに思いついて完成し、日本に導入されたばかりの赤あざ治療用ダイレーザー装置を有色人種である日本人に用いるため試行錯誤を繰り返した。1991年、博士が刺青治療用に開発したQスイッチNd:YAGレーザーを日本人に多い太田母斑(青あざ)の治療に応用したいと考え、助言を求めたのが博士との親交の始まりである。博士に、「理論上可能なはずだ。きっとできると思う。しかし、これは日本人である貴方が是非やってください。」と励まされ、1992年にQスイッチアレキサンドライトレーザーとQスイッチNd:YAGレーザーを日本に導入し青あざの治療を開始した。白人に比べ傷あとが目立ちやすい有色人種はメスを使った形成外科手術も難しいが、皮膚の色素のコントロールが必要なためレーザー治療も単純にはいかない。 博士と話していると次々に新しいアイデアが湧いてくる。全てどうすればあの患者さんを治してあげられるか、という博士の人間性から生まれてくるアイデアである。 今日形成外科・皮膚科領域でレーザー/IPLで行える治療は多岐にわたるが、その殆どが博士の考えなくしては実現できなかったことである。
2005年07月28日
木曜日
木曜日は研究日とさせていただいており、診療はしていません。取材を受けたり、研究の打ち合わせなどに使っています。今日は朝一番に京都の情報誌である“LEAF”の取材がありました。スキンケアについてのアドバイスを求めてこられました。“LEAF”さんはレストランやトレンディースポットなどいつも楽しい情報を満載されているので、陶芸体験できるところはないか尋ねてみました。やはり、昨年京都の伝統工芸体験スポットを取材されたとかで早速その日の予約を取ることができました。
その取材のあとは先日韓国で学会発表したにきび治療の新しい成分について開発会社と打ち合わせ。この成分を他の有効成分と組み合わせて化粧品に配合して“肌が乾燥するのににきびができる”、というおとなのにきびの化粧品を開発しようと思っています。近々化粧品会社の開発の方と打ち合わせ予定です。
打ち合わせのあとRox Anderson先生を迎えに行き、京都駅のホテルグランビアに急ぎました。同窓生の友人が開くお茶会に出席するためです。10人程度の落ち着いた会で、お茶のお道具一切から掛け軸、お花まで友人の松田さんがこの日のために用意されたそれは立派なお席でした。皆さん美しい着物姿で出席されていました。そこへ私たち2人はジーンズと半ズボンという出で立ちでしかも少々遅刻して現れてしまいました。Roxはお茶のお作法が細かく決められていることやお茶杓や棗にまで名前がついていることにとても驚いておられました。お菓子はこの日本滞在中に何度もいただかれる機会があり、すっかり好物となった麩まんじゅうでした。
お茶会の後に行ったのは宇治の京都寄りにある炭山です。清水焼をされている若い陶芸家達が移り住み陶芸団地を作ったところだそうです。陶芸家の安藤さんご夫婦にお世話になり、てひねりとろくろを楽しませていただきました。娘と後輩の先生一人も参加し、みなとても楽しく過ごし、いつまでも作っていたい気分でした。



2005年07月26日
レーザー治療についての相談



7月17日に和歌山の根来寺の仏画家、牧宥恵氏のお宅に招かれ、奥様の驚くような素晴らしい手料理の数々をご馳走になりました。Rox Anderson教授もアーティストを目指している息子のJohnさんも牧宥恵氏の作品とお人柄に大感激でした。写真はいっしょにご馳走になった外科の先生のところの赤ちゃんが牧宥恵氏そっくり、とRoxが言い出し、それならば、と宥恵氏の奥様がめがねをかけてみさせているところです。
Rox Anderson教授をお迎えしてから通常の仕事の上、毎日何かと行事があり忙しく、ブログを書く時間がなかなか取れません。また、本日まで少し旅行にも出ていたのですが、なかなかインターネットにアクセスできずに困りました。なんと、新高輪プリンスホテルでも部屋からアクセスできず、ビズネスセンターも早くに閉まっているため、フロントに聞きますと「品川プリンスホテルのインターネットカフェに行ってください」と言われてしまいました。
ようやくクリニックに戻り、書いています。明日はRox Andersonにレーザー治療について相談したいという方々の予約が朝から夜までびっしり詰まっています。
ご相談のメールが来ていましたのでご紹介します。
----- Original Message -----
Subject: 鈴木形成外科にお問い合せ
> 私の子供についての相談です。現在生後4ヶ月ですが足首に青いあざがあります。健
> 診で「蒙古斑の一種かもしれないが濃いので将来消えない可能性がある。」と言われ
> ました。消えるものなら消してあげたいのでいろいろ調べたところ、鈴木先生の病院
> でレーザー治療があると知り早速メールしてみました。少し遠いのですが、何回くら
> い通院しないといけないのでしょうか。また必ずあざはきれいに消えるのでしょう
> か。
お返事
異所性蒙古斑は思春期に広がり、濃くなることが多い太田母斑や伊藤母斑とは違い、だんだんと薄くなる傾向にありますが、濃い場合は特に消え残ってしまうことも多いです。ご心配なら、治療をされればよいでしょう。足首だけの小範囲でしたら、比較的短時間の治療で副作用なく消えてしまいます。3カ月おきに2,3回照射します。
麻酔シールをはり1時間待っていただきます。実際の治療時間自体は1分くらいです。
治療部位は日焼けしないで下さい。 日焼けしていれば治療は延期となります。
適切に治療する限り副作用はなく、完全に取り除くことが可能です。
治療をすると決められたなら、本人があざがあったことも痛い思いをしたことも覚えていず、範囲も狭い、したがって治療時間も短い、治療の妨げになる日焼けの機会も少ない、赤ちゃんのうちに治療をしてしまわれることをお勧めします。
鈴木形成外科
鈴木晴恵
2005年07月09日
桝形商店街のお祭り

昨日は手術が終えるとすぐに帰宅しました。子供達と近所の桝形商店街のお祭りに行くためです。Johnの英語教室は出町商店街に場所を変えてのフィールド学習です。7時に帰ると、Johnと3人の小学3年生の女の子達はBonBonCafeの前でお待ちかねでした。平日の英語教室は子供達が学校から戻るとすぐに始め、夕食もJohnが作っていっしょに食べます。昨日はうどんを作ってくれたとのことです。食事のあと1時間あまり、お祭りを楽しみました。お化屋敷では3人の子供だけでなく後ろから来た別のグループの女の子達もキャーキャー叫びながら皆だんごになってJohnにしがみついて歩いたそうです。私は子供達に金魚やら食べかけのカキ氷やら、両手にいっぱい持たされて出口で待っていました。怖さのあまり一人は泣きながら出てきました。出てくると今度はお化け屋敷の外に出てきたお化けのお兄さんを3人でからかったり、いじめたり。Johnは初めて金魚すくいなるものを見て感心していました。子供達がすくうのを見ていると、金魚屋のおじさんがJohnにサービスでさせてくれました。慎重な彼はすぐにこつをのみこみ、何匹かすくっていました。お祭りでは金魚すくいが一番好きと申すうちの子供は一つの網(というのかどうか知りませんが)で18匹すくっていました。Johnの英語教室も明日の日曜日が最終です。子供達にとってもJohnにとっても良い思い出になることと思います。明日の夕方にはお父さんと弟が来日します。

2005年07月08日
お休み
今日はお休みです。
2005年07月07日
お休み
今日はお休みです。
2005年07月06日
フォトフェイシャル機器に関して
一般の方からだけではなく、医療機器や美容機器取り扱い業者の方からも質問をしばしばいただきます。本日は下記のご質問をいただいたので、ここで私の返事を紹介します。
度々申し訳ございませんが、フォトフェイシャル機器に関してお聞きしたいのです
が、フォトフェイシャル機器の価格や機能を教えていただきたく思います。
一応、ネット等を利用して探しては見ましたが…
色々と申し訳ございませんが、よろしくお願いします。
1998年、イスラエルに本社を持つESCシャープラン社のご好意でIPL(Intense Pulsed Light)装置、フォトーダーム、引き続いて、ヴァスキュライトを貸してもらいました。担当のアメリカ人の社員の方がレーザー治療に携わっている日本中の医師を面接して回り、私を含めた2人の医師を選び、2人はサンディエゴで開かれたIPLのワークショップへ招待されました。その後、私の元に日本初のIPL装置が届けられました。
IPLとはレーザーが単一波長の光であるのに対し、カメラのフラッシュと同様、全ての波長の光が交じり合った白色の光を高エネルギーで発します。使用フィルターにより、皮膚に有害な紫外線領域を含めたフィルターに表示された波長より短い波長をカットオフします。治療目的に応じ、フィルターやパルス幅(照射時間)などの照射条件を工夫します。
私の当初のIPLの使用目的は色素(ダイ)レーザーで治療の限界が来た赤あざの更なる改善や、黒あざの効率的な治療を追及すること、および脱毛でした。そして、それなりの使用効果が上がりました。実はその2年くらい前からアメリカレーザー医学会でIPLでの治療の発表が出てきていましたが、評判の悪いものでした。ですから、私がIPLを使い始めていると聞くとアメリカの知人医師たちは「それってほんとはどうなの?」と興味深げに尋ねてきます。私はアメリカでの初期の適用が悪かったのだと思います。なぜなら、その頃の発表は主に刺青治療にIPLを用いた発表であり、色が多少薄くなったものの傷あとができている症例を「効いた」として発表していたからです。刺青治療には照射時間が長すぎたのです。IPLの照射時間は通常ミリ秒単位です。刺青のインクをターゲットにするにはRox Anderson教授が開発したナノ秒単位という極端に短い照射時間を用いたQスイッチレーザーを用いることでよい結果が得られることがすでによく知られており、傷あとの生じた症例を、学会員の先生達は「何をいまさら」という目で見ていたのです。
ところがこのIPL装置をアメリカのPatric Bitter Jr.先生はまったく違う方法で使用し始めました。IPLが幅広い波長の光を出すことを利用して、これを弱めの出力で顔中にあて、しみやくすみ、赤ら顔、毛穴のひらき、産毛、皮膚のはり、などをダウンタイムなく3週間ごとに5回くらいかけて徐々に改善していこうというものです。彼が「フォトフェイシャル」と名づけ、アメリカで人気となってきたこの方法を日本人にも試してみてくれないかと、その後設立されたESCシャープラン日本支社の社員の方たちが頼みに来られました。2000年の早春でした。今までは、いかに効率よくできるだけ少ない治療回数で目的としたものを改善するか、という観点で治療方法を工夫してきたのですが、今度はまったく正反対の考え方です。いかに他人に治療していることを気付かれずに、少しずつ、でも確実に、肌全体をよくしていく、というものです。やってみると、これが日本人のニーズによくマッチしたようで、大変人気の高い治療になり、雑誌やテレビにもよく取り上げられるようになりました。2000年に同じ装置を貸してもらわれた関東の大学病院もこの「フォトフェイシャル」を始めたため、「大学病院でも行われている」ということも人気に拍車をかけることになったと思います。
ところが、人気に応じて内科や産婦人科、整形外科といった、皮膚にも美容にも縁のなかった科の医師たちがフォトフェイシャルを手がけるようになって来ました。私は機械を貸していただいている身ですから、機械のユーザーの先生方のご質問には可能な限りお答えしていました。ところが、まったく皮膚の治療についてご存知のない先生方から、「しみに種類があるのですか」などという返答に困るような初歩的な質問を多く受けるようになりました。また、ノーダウンタイムが売り物のはずの治療ですが、やけどの状態になってしまったり、しみが却って濃くなってしまったり、など副作用も多く見られるようになりました。反対に副作用を恐れるあまりうんと弱い出力で治療するためか、「5回通ったが何の改善もなく、お金をどぶに捨てた気分」という声も聞かれるようになりました。術者や治療施設によって結果に随分バラつきが見られるようでした。
そこで登場したのが第2世代IPLです。ダブルフィルターで短い波長だけでなく、熱エネルギーとなり、不要に皮膚を熱してしまう長波長領域の光をもカットオフするのが特徴です。皮膚が過剰に熱せられるともちろん火傷を起こします。治療に使うエネルギーの2倍のエネルギーが熱となって消費されてしまうため、効果を得るためには高いエネルギーを使用しなくてはなりません。高いエネルギーを用いることにより、色素沈着も起こしやすくなります。熱の発生を抑えるために皮膚を冷たいジェルや特殊な冷却装置によって冷やします。すると毛細血管が縮んでしまうため赤ら顔の治療がうまくできません。第2世代IPL装置の登場によりこれらが解決されたのです。第2世代IPLではフォトフェイシャルの3分の1のエネルギーで同等以上の改善が得られます。それだけ副作用の危険性が低くなるということです。1.5回の治療がフォトフェイシャル5回分の効果に相当すると言われます。治療の手間としては同等なので1回あたりの治療費は値上げ不要です。このEllipse Flexという装置はデンマークのDDD社がルミナス社(元ESCシャープラン社)とは別に独自に長年かけて開発してきた装置で、前に写真をご紹介したデンマークのPeter Bjerring教授がずっと開発に関与されてきたものです。
私がIPLを使用し始めてから、Rox Anderson教授がしきりに、IPLはどうだ?と学会などで出会うと質問されます。レーザー治療の開発者なのになぜIPLに興味があるのですか、と尋ねてみたところ、「赤あざを光で治療しようと思い立った1980年当時、まずIPLで治療してみようと思って試したのですが、適切な条件を出せる機械が作れなかったので、レーザー装置を作ることにしたのです。」という返事が帰ってきました。
現在世界では、Ellipse Flexと同様にダブルフィルターで照射時間も同様なものが出せる小型機種がいくつか作られ、日本にも導入されています。しかしながら、電気容量の不十分な小型機種では照射時間中ずっと安定した出力を保つことができません。そのため、十分な治療効果が期待できず副作用の心配も大きくなると私は考えています。
2005年07月05日
お休み
本日はお休みです。
2005年07月04日
A級テスト合格

ついにA級テスト合格しました。昨年の初め、小学2年生だった娘がNHKの「てるてる家族」を見てフィギュアスケートに憧れました。私も小さいときからずっと憧れていたので気持ちはよくわかります。諸事情から4月まで待たせて、春休み集中4日間コースに入らせました。大変気に入ったようで、その後毎週、途中からは週に2回のスケート教室に通うようになりました。ストップやターン、クロスやバッククロスなど基本的なすべりを順にマスターして行くごとに、C級、B級、A級、とテストを受け、合格すると初心者から初級、中級、上級と級が上がっていきます。

A級テストに受かると卒業です。娘は夏休みは中国にひとりホームステイしていたのでお休みをしましたから、11月にちょうど6ヶ月で卒業して、今は個人レッスンを受けてジャンプやスピンをしています。そんな楽しそうなこと、見ているだけなんて我慢できません私も去年の6月から教室に入りました。クラスメイトは大体が小学生。我が娘を初め、みんな次々に卒業していきます。毎月月初めに申し込むことができ、申し込んだら4回続けて同じ曜日に習いに行きます。1回の教室は1時間。学会出張などでまるまる1ヶ月滑れない月も何度かありましたが、週に2回がんばって行った月もあります。新しいクラスメイトができては、私をおいて卒業していってしまいます。昨年11月に娘がA級を受かったときに私はB級が受かりましたが、それからが長い道のりでした。A級テストは、まず、5歩片足ずつのスケーティングをして次に円の回りを1周半、前向きのクロスで回ります。次にモホークターンをして後ろ向きになり、続けて1周バッククロスで円の周りを回ります。クロスから向きを変えて3歩ほどスケーティングしてT字ストップ。3秒静止してから右キャリング、左キャリングで二の字ストップ。私にとってはこの中でモホークターンのマスターが難関でした。子供達が列に並んで順番にモホークターンの練習をする中、先生に「お母さんはバーに行って」と言われ、一人手すりにつかまり練習する日々でした。一ヶ月前にA級を受けたのですが、落ちました。沢山の子供達に混じって大人(習っているのはたいていは子供の付き添いのお父さん。皆日曜日に習っています。)も4人受けたのですが、全員不合格でした。昨日は大人は私を含めて2人だけでした。私より15歳年上の彼は審査員の先生に「大変よく練習されましたね。前回から素晴らしい進歩です。」とほめられ合格でした。私はテストの後、小学2年生の女の子と2人だけリンクに残され、「モホークターンをもう一回やってください」と言われ、やり方を教えてもらいやっとできました。なんとか、お情けで通してもらったというわけです。合格したものの、本番でうまく滑れなかったのでなんだかすっきりしない気分でした。もちろんこれからもスケートを続けるつもりですが目下の悩みは、コスチュームを買うべきかどうか…。
2005年07月02日
あかちゃんのあざ治療
> お忙しいところ大変申し訳ございませんがお返事をいただければ助かります。
> 2月生まれの赤ちゃんですが左頬、左まぶた(上下)こめかみに大人の握りこぶ
> し大の大田母斑があります。
> 近所の皮膚科で見てもらったところ、6ヶ月くらいからの方が皮膚が薄すぎない
> のでそのころから治療をすべきといわれました。
> インターネットなどで情報収集してもまちまちで何処を信じるべきか何が良いの
> かわかりません。
> 以下の点についてお教えいただければと思います。
>
> 1.貴院では保険(乳幼児医療の200円/月)で治療可能なのでしょうか?もし違
> うならどういう診療料の仕組みでしょうか?
・基本的に健康保険適応です。しかしながら、最近2回の照射で保険が打ち切られてくるようになり、困っています。4,5回の治療が必要な方が多いので。
> 2.麻酔について、麻酔テープのみ、麻酔テープ+麻酔の注射、全身麻酔、どれ
> で施術なさいますか?
・眼瞼部は麻酔テープ+麻酔注射、それ以外は麻酔テープのみ
> 3.施術何分前に来院、施術時間、全部終わって何分後くらいにかえれるものか > 。(上の子の幼稚園の関係で。)
・写真を撮って麻酔シールを貼るのが10分、シールが効くのを待つ時間が1時間、レーザー照射時間は5分(眼瞼の治療では点眼麻酔をしてコンタクトを入れて注射をする時間も要るので15分)、あとは会計を待つのは受付の込み具合でいろいろです。2時間から2時間半くらい見ておいてください。マスイシールを貼った時点から飲食させないで下さい。治療終了後はすぐに飲食可能です。
> 4.紫外線が少なくなるころに始めたら良いのでしょうか?
・一回で済む治療ではないので日焼けをしてしまったなら今から遮光して日焼けがとれ次第できるだけ早く治療開始したいです。日焼けや色素沈着があるままレーザー照射をすると色素脱失になる心配があります。色素沈着は時間と治療により治りますが、色素脱失は一生治らないこともあります。
> 5.施術の後は痛みがあり泣き叫ぶものでしょうか?
・治療中は泣きますが両親にお返しした時点で通常泣き止みます。痛みは数10分で治まります。アイスノンなどで冷やしてあげるとよいので、ご持参されるといいです。
(車で往復する予定なので
> 6.駐車場はありますか?
・ありません。お迎えと一軒置いて隣と斜め迎えに有料駐車場があります。地下鉄および京阪でお越しいただければ大変便利です。
>
> 質問の答えを充分参考にしいずれ来院させていただこうと思います。
傷あとのつかない治療ですから、早く始めることに問題はありません。
むしろ治療開始時期が早ければ早いほど、以下のメリットがあります。
1)皮膚が薄いので治療効果が高い。
(使用するレーザーの波長により皮膚のどれだけ深くまで到達するかが異なります。赤あざ治療用のダイレーザーの波長のように比較的浅くしか光が届かない治療の場合は治療時期が遅れたために、あざが完全に取り除ける時期を逸してしまうということがしばしばあります。)
2)面積が少ないので一回の治療時間が短い。
3)このため、全身麻酔を必要とせず、貼付麻酔で治療が可能。
4)このため、全身麻酔に耐えられる体重になるまで待たなくてよい。絶飲、絶食なども必要ではない。
5)治療回数が少なくてすみ、レーザー照射後色調消退までの期間が短いため、治療期間が短い。
6)あざがあったことも治療のことも覚えていない。
7)治療の妨げになる日焼けをする機会が少ない。
8)レーザー照射後の色素沈着を生じにくい(大人の場合は殆どの人が生じて、レーザー治療の合間にしみの治療が必要となる)。
苺状血管腫は生後10日目、赤あざは生後1ヶ月か2ヶ月の皮膚の赤みが落ち着いてきた頃、青あざは生後3ヶ月頃から治療しています。
2005年07月01日
プラセンタの化粧品

木曜日は研究日にしています。この日は診療をせずに共同研究や共同開発をしている企業や先生との打ち合わせをしたり、雑誌や新聞のインタヴューなど受ける日にしています。
例えばさかのぼってみると、先週の木曜日は日本最大のシップ剤のシェアを誇る製薬会社と新しいフェイシャルパックの開発の打ち合わせをしました。その後で、第2世代IPLエリプスフレックスの日本のディストリビューターのガデリウスの方と打ち合わせをしました。
その前の週は「ゆほびか」の記者の方がコエンザイムQ10のクリームについて取材に来られました。今、若返りの成分として話題になっているコエンザイムQ10が化粧品成分として日本で許可になったのは昨年の10月のことですが、私はこの成分にずっと以前に注目し、1999年から患者さんにしわとりクリームとしてお分けしてきました。ですから、数年前に日本でサプリメントの成分として認可が下りたときから、「日本で始めてコエンザイムQ10を美容に使用した医師」として、多くのテレビや雑誌の取材や講演依頼を受けるようになりました。来月号にはこの雑誌のほかにもPSという雑誌にQ10についての私のコメントが載るはずです。この日はこのあと、セルライト治療器のトリアクティヴというレーザーとマッサージと血管運動のための冷却を組み合わせた機械の販売会社の方と打ち合わせを行いました。この機械を1年半使用した結果を秋の学会で発表するための打ち合わせです。セルライトの治療と皮下脂肪を取り除いてやせることとがしばしば混同されています。また、男性の医師の中にはセルライトがどんなものか知らない方も多いのではないかと思います。一旦セルライトのでこぼこができてしまうとダイエットでやせたとしても治らないのです。セルライトの治療は根気が要るである、ということをセルライトについて簡単に考えている、特に男性の先生達にどうわかってもらうかがこの学会発表の課題です。
さて、今日は私がブログを始めるよう提案された社員の方がSEの方を連れてこられました。ブログを私が自分で書き込めるよう指導してくださいましたが、写真のレイアウトなど難しそうなのでやはり当分今のまま、社員さんに文章と写真をメールでお送りしてあとはお任せする、ということにしました。そのあと、京都で唯一自社工場を持っているという化粧品製造会社の社長さんにお目にかかり、平野神社の目の前にある本社兼工場にお邪魔しました。便利かつ環境のよいところにあり、研究設備も備えた清潔で設備の整った施設にも感心しましたが、私にとって何よりも興味深かったのがこの会社の目玉である化粧品の主成分、プラセンタにまつわる話でした。私が京大病院形成外科の研修医をしていた21年前、今は開業されている高名な形成外科医の上司の外来についていると、「大矢軟膏」を塗って治療していると言う患者さんが来られました。火傷あとの盛り上がりである「肥厚性瘢痕」の治療として、その軟膏を塗り、その上を包帯で巻くという治療です。上司は「大矢先生は効きもしない薬を塗って包帯でぐるぐる巻きにして、こんなんでは格好が悪くて患者さんは外にも出られないではないか。こんな治療を何ヶ月も続けるのだよ。」と非難されました。しかしながら、当時大矢先生のところには火傷などの傷あとの治療のために大変多くの患者さんが詰め掛けていると聞いていました。上司は、患者が多く集まるのは宗教に集まる信者みたいなものだよ、とおっしゃいました。上司がその治療方法をあまり悪く言われるので、薬の成分について質問するのもはばかられ、疑問を残したままでいました。その6年後ごろより私は独自に肥厚性瘢痕に対してプラセンタをイオン導入する治療を始めるようになり、よい成果があげられるようになり、論文にも書きました。さて、本日訪ねた化粧品会社の社長さんより、18年前に化粧品として製品化したプラセンタ入りクリームの前身は医薬品であり、大矢軟膏そのものであるとの驚きの事実を聞いたのです。それならば大矢軟膏は肥厚性瘢痕によい効果があったはずだ。それで多くの患者さんが集まっておられたのだ。21年来の疑問が解けました。
2005年06月30日
アメリカレーザー医学会

アメリカレーザー医学会からFellow会員の更新シールが送られてきました。学会に出席したり論文発表をすることによって会員資格を維持します。この学会は1年ごとの更新です。日本の学会は5年ごとの更新のところが多いのではないかと思います。例えば私は日本形成外科学会認定の専門医資格と日本レーザー医学会認定の指導医資格を取得していますが、これらを維持するためにはたしか5年ごとに学会出席や論文発表、専門書執筆などの実績を申請し、一定レベルに達していたら資格が更新される仕組みだったと思います。ところが、アメリカレーザー医学会は資格更新が1年ごとなのです。この分野は進歩が早いのでこの資格が優良な医師または研究者である目印としての役割を果たすよう、そのように設定したのだそうです。

今年の4月の同学会の年次総会では「第2世代IPLによるアジア人皮膚の治療」と題してビデオ演題を発表してきました。もちろん発表は英語なのでこのタイトルは日本語に訳したものです。アメリカレーザー医学会と言いながらも、これは世界で一番進んだレーザー医学の会です。ここで発表された内容が次に世界のトレンドになるのです。私がこの学会ではじめて発表したのは1994年に刺青治療用に開発されたレーザー装置を青あざ治療に応用したことについてでした。小心者の上まだ若かったので、緊張して気づいていなかったのですが、後で知人に、「貴方の発表のあと皆総立ちになりすごい拍手だったね」と言われました。アメリカの新聞社も取材に来ました。このあと、いろいろな国から招待講演を依頼されるようになりました。初めは1時間の講演でも一字一句原稿に書き、nativeに文章をチェックしてもらい、何度も練習しました。何年かした時、2時間の講演を依頼されたので、原稿を一字一句書くことはあきらめました。事前にスライドを作っておけば、一字一句は書かなくてもなんとかスライドを見ながら話せるようにはなりましたが、話しの上手な先生方のように会場の反応に応じて話しの展開を変えたり、冗談を言って会場を沸かせるなどという高度な芸当は一生できそうにありません。
2005年06月29日
瞼の手術
今日は手術日で瞼の手術1件と他院で腹部のたるみ取り手術をした後の瘢痕拘縮(ひきつれ)を改善する手術1件をしました。今日は比較的ゆったりとしたスケジュールで、まだ明るいうちにこれを書いています(書いているうちに突然暗くなり夕立が来ました)。
昨日はメールでの問い合わせにお答えした文章をこのブログに転用しましたが、実際に昨日、クリニックにも同様な患者さんがいらっしゃいました。二十代のかわいいお嬢さんで、夜勤のある仕事についていらっしゃったところが、不眠で体調不良のためつい先日、日勤の仕事に変えてもらったばかりとのことでした。お母様に連れられ、お肌の相談に来られたのですが、私は彼女の瞼がどうしても気になり、切り出しました。「瞼の手術を受けたことはありませんか?」彼女の一重のまぶたには点々とかすかな白いあとがついています。もちろん、通常は誰も気がつかないほどのかすかなものです。よくお話を伺うと、以前美容外科で埋没法重瞼術(プチ整形とかクイック法などともよばれています)を受けたけれどすぐに取れてしまったと言います。また近々同じ手術を受けに行こうと思っていたとのことです。重瞼術ではまぶたの皮膚を二重の予定線のところで瞼板に固定します。瞼板が眼瞼挙筋の収縮により引き上げられるのを利用して二重の線を食い込ませるのです。ところが眼瞼下垂は眼瞼挙筋が収縮できないか、筋肉と瞼板をつなぐ腱膜がのびているために筋肉の収縮が瞼に伝わらないため、二重の線のところで皮膚と瞼板をつないでいても、眼を開けるときに眼瞼挙筋の収縮で開瞼ができず、額の筋肉で眉毛を吊り上げて眼を開けるので二重の線のところの皮膚がひきこまれず、二重にならないのです。聡明な彼女はすぐにこの説明が理解できたようです。眼瞼下垂がきたしうるさまざまな症状、眼を開けているのがつらい、人と話しているとしんどくなり吐き気がしてくる、肩こり、頭痛、背部痛、顎関節症、冷え性、不眠、うつ症状…。今までこれらの症状が夜勤のある不規則な仕事のせいだとばかり思っていたところ、瞼のせいだったのか…。「れっきとした病気ですから診断書もかけますよ」と言ったのですが、律儀な彼女は「職場に10日も休みたいとはいえないし…」と悩んでいました。当初の相談だった肌トラブルは彼女の眼瞼下垂に比べれば全然たいしたことではないと私には思えましたが、彼女は忘れずレーザー治療を受けて帰られました。
2005年06月28日
メールからのお問い合わせ
お問い合わせのメールの中からよくある質問に答える際にこのブログでも紹介していきたいと思います。
> はじめまして。
> 瞼の埋没手術についておたずねしたいことがありまして、この度メールをさせてい
た
> だきました。
> 私は28才の女性ですが、一重瞼で瞼が重く、上の方を見る時に、特に集中している
時
> には顎も上がってしまいがちなのが気になっています。
> 強度近視のためハードコンタクトを使用しているのですが、埋没手術は適している
で
> しょうか?
> 手術にかかるおよその費用、保険適用の有無、診療日数やおおまかな診療及び手術
の
> 流れも併せて教えていただけると大変有難いです。
>
> ご多忙の折にお手数をおかけいたしますが、何卒宜しくお願いいたします。失礼い
た
> しました。
>
> O田 子
一重で、瞼が重たく、ハードコンタクトを常用されている、ということから眼瞼下垂の手術が適応になる可能性が大きいです。また、上方視の際あごが挙がっているとのことで、ますます眼瞼下垂(瞼が挙げれない)になってしまっていることが考えられます。瞼が重たく、厚ぼったい場合や眼瞼下垂のある人では埋没法重瞼術は適しません。ふたえがすぐにとれてしまったり、二重の食い込みが浅く、二重幅が広くなってしまいがちです。眼瞼下垂の手術ならば基本的に健康保険が適応されます。自己負担は約5万円です。二重の線に沿った傷あとが残りますが、3ヶ月から6ヶ月で赤みが消えると殆どわからない傷あとになります。手術後1週間目の抜糸までは糸がついているので外出にはサングラスなどが必要でしょう。仕事はデスクワークは3日目くらいからできないことはありませんが、主に外見上のことから、多くの方は10日くらい仕事を休まれます。
今回のご相談内容ですと、埋没法は適応にならないかと思いますが、一応説明申し上げます。一般的には二重の予定線上の皮膚に2箇所ほど小さく穴を開け、細い糸を結膜側まで貫通させて二重を作ります。瞼板を貫通させる方法または瞼板上の眼瞼挙筋(腱膜)を貫通させる方法が用いられます。ところが、この方法ですと結膜側に露出した糸が角膜をこすり、角膜を傷つけ、眼を開けていられないような痛みを生じたり、目が手術後いつまでもごろごろしたりする心配があります。このような方の瞼の裏側は何年たっても糸が出ていたり、傷あとがついていたり、赤い肉芽組織がブツブツと盛り上がっていたりします。当院で行っている埋没法は糸を瞼板の表面にかけますが、瞼の裏側には糸を出さない方法ですので、角膜をいためる心配がありません。美容外科手術になりますので保険は適用できません。手術費用は13万円です。この方法はもともと横浜形成外科の二木裕院長に教えていただいた方法です。
まずは院長診を予約していただき、手術をすることになれば次に血液検査にお越しいただきます。眼瞼下垂の手術の場合は通常翌日診察させていただき、この時点でガーゼを取り除けることが多いです。手術後1週間目に抜糸に来ていただきます。その後はすっかり落ち着くまで、1ヶ月ごとくらいにご来院いただきます。
ハードコンタクトレンスを取り外す際に瞼を横にひっぱることがしばしば眼瞼下垂の原因になります。さっそくスポイトで取り外されるように変えられることをお勧めします。
鈴木形成外科
鈴木晴恵
2005年06月27日
休日参観
学校が週休二日制になり、大変困ることがあります。運動会や日曜参観を土曜日にされることです。最近は日曜参観と呼ばずに、「休日参観」と呼ぶようです。私にとっては子供を持つということが最高の楽しみであり、唯一の贅沢だと考えていますのでもちろん、出席するよう最大限の努力をします。子供が幼稚園のとき、ある学会からシンポジストとして講演をするよう依頼されましたが、幼稚園の七夕の行事のためにお断りしたこともあります。昨日は滋賀県の北の端のある町で形成外科の学会があり、会長の先生から是非と言われ、眼瞼の手術の話をしようと思っていましたが、「休日参観」と重なることがわかり、発表を辞退しました。書道の授業を参観したあと休診にしていたクリニックに戻り、どうしても今日しか都合がつかないといわれていた知り合いの国会議員の先生の診察だけして、娘を連れて京都からJRで1時間かかる町にある学会場へと向かいました。この町へ行くのはもう一つ目的がありました。17年前に2年3ヶ月ほどいっしょに働いたことのある、知人に会うことでした。医療事務をされていた彼女は14歳、12歳、9歳、の3人の女の子のお母さんになっておられます。その町から毎日京都まで通っておられた彼女は出産と同時に退職され、その後お会いしていなかったので、14年か15年ぶりの再会ということになります。学会のあと、ご自宅にお邪魔しました。3人のお嬢さんに始めてお目にかかり、ご主人とは結婚式以来2度目にお目にかかりました。穏やかで明るい家庭を築いておられ、とてもうれしく思いました。お琴の師匠をされていて、前日の発表会の記事がその日の新聞に載っていると伺いました。残念ながら話に夢中になり、新聞を見せていただきそびれてしまいました。娘さん3人も皆、お琴をなさっているとかで、再来週は3人揃っての発表会だそうです。穏やかで明るく育っておられる娘さんたちにお母様の人柄を感じました。うちの娘はすっかり、1歳違いの末っ子のお嬢さんと仲良くなり、「連れて帰りたい」と連発していました。
2005年06月25日
勉強に行ってきました

今日は信州大学附属病院に勉強に行ってきました。5年半前に教えを請うた腱膜性眼瞼下垂の概念の提唱者でありその治療法を開発された形成外科の松尾教授の手術を見せていただきに行ったのです。
今年の4月の日本形成外科学会総会で松尾先生とお話しをしたとき、「1年半前からがらりと手術方法を変えたよ」とうかがったので、すぐにでも飛んで見せていただきに行きたかったのですが、その時点で私の予定が取れる日が今日までなかったのです。

朝7時半に家を出て11時半に信州医大形成外科医局につきました。手術を立て続けに3例見せていただき、合間には本当に親切に説明していただきました。10時半に家に戻りました。手術は執刀するより見せてもらったり手伝ったりするほうが疲れるものですが、行き帰りの電車に乗っている時間が長かったのでいつもより睡眠時間が長くて元気です。
今までにも眼瞼下垂の手術は問題なくうまくいったのに、術後に手術前とは違う頭痛がでたり、眼を開けているのがつらいとかまぶしいとかいう症状を訴える患者さんがありました。今年の初めに信大まで受診に行っていただき、松尾先生に診ていただいた方もありました。まぶたがピクピクするよく知られたものとは違い、まぶたを閉じる筋肉が持続的に緊張する「眼瞼痙攣」だと診断され、治療はそれらの筋肉を切離するものと教えていただきました。これが松尾先生が1年前から始められた方法です。とはいえ、いまいちピンときませんでした。本日その手術を実際に見せていただき、詳しく説明していただいてとてもよくわかりました。「先生は僕のやっていることを理解してくれる数少ない人だよ」と言ってくださったのがとてもうれしかったです。とはいえ、私は先生が説明してくださることの何割かしかわかっていません。先生も自分で「僕は形成生理学者だ」とおっしゃっています。「論文を書いているが、まだアクセプトされない」と、おっしゃっていました。以前も論文がアクセプトされるのに5年かかったとおっしゃっていました。あまりにレベルが高すぎて、審査する先生達が理解できないのです。

独自の仕事を成し遂げる人は独創性に加え強い信念と勤勉さという共通したものをお持ちです。今年の2月にアメリカ皮膚科学会に行きました。述べ2万人が参加する世界最大の皮膚科の学会です。その中でRox Anderson教授がレーザー/光を使った診断についてのシンポジウムを主催されました。ほんの30人か40人の出席者でした。Roxは「新しいことが始まるときはいつもこんなものだ。多くの人はまだ注目していない。素晴らしいシンポジウムだった。新しい時代の幕開けを感じた。」とおっしゃっていました。Roxはこのシンポジウムに89歳になられるレチノイン酸の発明者、Albert Kligman博士を引っ張り出されてきました。Up-dateな素晴らしい講演をされました。今も現役の研究者です。Roxは学会場でホールを歩こうとしてもすぐに質問に来る人たちの人だかりができて身動きが取れません。休日に研究室に行くと誰に邪魔されずに仕事ができてよい、とおっしゃいます。今日、松尾先生も、「日曜日の午前中は研究室にいます。誰にも邪魔されずに仕事ができますから。」とおっしゃっていました。有能な方はたいていお人柄も素晴らしい。有意義で心洗われる一日でした。
2005年06月23日
水曜日の仕事

今日水曜日の仕事は一番疲れます。朝一番に前日の手術の患者さんを診察したあと、午前中は子供あざ外来をします。午後からは大人の治療、最後の患者さんが帰られたのが9時で、そのあと書類書きをして、それからようやく執筆活動です。書き物はいっぱいたまっているのですが、とりあえず期日厳守の雑誌の記事の校正を仕上げて出しました。どんどんたまってくるので、すぐに片付けられそうなものからとりあえず書いてしまいます。今週は3日連続帰宅が午前3時です(今日はさらに遅くなりそう)。
午前中の外来は大切な赤ちゃんや小さい子供さんを扱うので細心の注意を要求されます。小さい赤ちゃんを連れて東京や東北などからも来てくれる親御さんの熱意には頭が下がります。1992年にRox Anderson博士がイレズミ治療用に開発したレーザー装置を京都の病院に導入してはじめて青あざの治療をした患者さんは生後2ヶ月ぐらいだったと思いますが、すぐ近所の方でした。この装置でほんとうに青あざが治るのか期待と不安でいっぱいでした。博士には、理論的にはできるはずだ、やってみなさい、と励まされて挑んだ治療でした。この方法がうまく行き、赤ちゃんのおじいさまは大変喜ばれました。「目の中に入れても痛くないこの孫のあざが治るのならアメリカでもどこでも、世界中どこまででも連れて行こうと思っていたのに、こんな近い、歩いて5分の先生のところで治療してもらえたなんて」と。今では彼女も中学生で、時々お目にかかります。おじいさまは残念ながらなくなってしまわれましたが、あざが治療するごとに薄くなっていき、ついには消えていった感動をいっしょに味わうことができてよかったです。
1988年に赤あざの治療を始めたときには今と比べると治療速度がとても遅く、7秒間に5ミリ経の範囲しか治療できませんでした。広い範囲のあざの方の治療は患者さんも私もお互い気の遠くなるような長時間の治療でした。赤ちゃんの場合はそんなに長い時間我慢させられませんから、全身麻酔をかけました。私は麻酔科の勉強もして麻酔科標榜医という資格も取っていたので、そのころ日本ではまだ始まっていなかった、日帰り全身麻酔でレーザー治療をしました。私が始めて発表した論文は形成外科の治療ではなく日帰り全身麻酔に関するものでした。今では治療装置が発達して、10年前に30分かかっていた範囲が3分で治療できます。痛みも少なくなりました。当院では全身麻酔は全く使わなくなりました。照射中はもちろんある程度いたいので赤ちゃんは泣きますが、(ドアの向こうでお母さんも泣いています)全身麻酔のしんどさや麻酔前後の絶食のつらさなどを考えれば、本人にとって格段に楽になりました。機械の進歩はありがたいです。先月Harvard のWellman Center of Photomedicine (レーザー治療の父と呼ばれるRox Anderson教授が所長を勤める世界最高峰のレーザー治療研究所です)を共同研究のために訪ねた折、壁に額が飾ってあり、ポストカードが何枚も収めてありました。そのはがきは皆、あざの治療を受けた子供達がRoxにあてて書いたものでした。字が書けない小さな子供は、お母さんが子供の言ったことを書いてあげたり、絵を描いている子供もいました。こんな内容でした。「アンダーソン博士、僕のあざはもうこんなに薄くなりました。素晴らしいレーザーを発明してくれて本当にありがとう!」 (これがあるからやめられない) 赤ちゃんの治療には両親やおじいちゃんやおばあちゃん、小さな兄弟達もついてきて、待合室は大変な込みようです。(患者さんの3,4倍の人数ですから)大事な大事な赤ちゃんばかりですから、スタッフも私も赤ちゃんの治療に気も使えば、家族にも気を使い、皆ヘトヘトだと思います。でも、innocentな赤ちゃんの笑顔を見ると、「もうなんでもしてあげちゃう!」と思ってしまうのです。スタッフも皆同じ気持ちだと思います。
2005年06月22日
オペ室で

火曜日と金曜日は一日中手術の日です。私が一番幸せな時間です。今日は午前中は若い女性(Aさんとします)の、午後は私より少し年上の女性の、瞼の手術をさせていただきました。Aさん とはブログの話しをしました。お若いだけあって、ブログって何なのかご存知でした。私は1週間前、Aさんは3ヶ月前に韓国に行ってきたばかりでしたので、韓国美容外科事情などの話に花が咲きました。BGMも韓国で買ってきたここ数年間の韓国ヒットバラード(あちらでは恋歌と書きます)を集めたCDです。冬ソナのサウンドトラックも買ってきたのですが、8歳の娘が毎日聞いていて当分OPE室に回って来そうにありません。Aさんは手術中の雑談が面白かったといってくださったので、そのままブログに書こうかと思いました。今回、韓国では新しいニキビ治療成分についての研究を学会発表してきました。韓国には14年前に毎月1週間ずつ半年間、手術の勉強に通ったことがあるのと、レーザー治療や私が開発したイオン導入器を用いた治療の講演のため30回くらい行ったことがあります。今回は1年半前にIPLのワークショップでしゃべりに行って以来なので久しぶりでした。よく講演に行っていた7年前ころ、韓国語を勉強しようと思って本やCDなど買い込んだことがありましたが、無駄でした。もっぱら英語で話します。韓国に行くと必ずお会いするのが私の美容外科の師匠のJelim美容外科http://jelimps.com/eng/sub07.html Doo Byung Yang 先生と美容皮膚科医のKyle Seo 先生です。2人ともソウル大学医学部を出られたそれぞれ形成外科、皮膚科専門医の先生です。どちらのクリニックにも日本からの患者さんが結構来られているようです。このお二人なら日本から行く価値は十分あります。お二人ともカンナムにクリニックを持っておられ、その界隈はどのビルにも1件以上美容クリニックが入っています。でも、多くは専門医を持たない美容外科医なので見分けが肝心です。Yang 先生はあごと頬骨の形成に関しては世界中探しても右に出る医者はいない、という有名な腕利き形成外科医です。KyleはBotox の研究と臨床でアジア一有名です。6月11日の夕食はKyleのModelo Clinicの近くのMeliteというフランス様式の韓国料理のレストランmelite@melite.co.krで骨を切っての顔やせの第一人者と注射をしての顔やせの第一人者が集ったわけです。お二人は以前はお互いあまり面識がなかったのですが、私が縁を取り持った感じです。料理は韓国の味付けなのですがインテリアや盛り付けなどはフレンチ、どの料理もとってもおいしかったです。あの鮑もう一度食べたい…。

2005年06月21日
初めまして
一昨日の朝、株式会社リンクスタッフの社員さんから突然お電話をいただきました。この会社は医師向けの講演会を開催していて、私は半年前に講師を務めたことがあり、また9月にも講師を依頼されているため、その打ち合わせかな、と思い電話にでました。ところが用件は、”ブログ”を始めませんか?という内容でした。正直ブログという言葉は初めて聞きました。実は私は世間の常識に疎いのです。新聞は出張の際に新幹線や飛行機の中で読むか、ホテルの部屋に配られたものを読むくらいで実は新聞は取っていないし、テレビ番組は決まって見ているのは"義経"だけです。インターネットは必要に迫られ調べ物をする際に見るのには使いますが、自分のクリニックのホームページhttp://www.medilink.co.jp/doctor/a/suzuki/も5年間に1回か2回更新しただけです。そのホームページもたまたまインタビューを受けた際に「インタビューのお礼に無料でホームページを作ってあげます」といわれ、ちょうど開院したばかりで、電話帳代わりに住所や連絡先を調べるのにホームページも一応必要、と思っていたところでしたので喜んで作ってもらったものです。ブログというのは日記です、と説明され、日記を公開するなんて、そんな恥ずかしい…と思ったのですが、ちょうど居合わせたJohn Andersonさんも、僕もBROGやってたことありますよ。気楽にやれば、と励まされ、とりあえずスタートすることにしました。
John Andersonさんは赤あざ用レーザー、イレズミ用レーザー、青あざ用レーザー、脱毛用レーザー、しわとり用レーザー、など現存する皮膚科形成外科用のレーザー装置の殆どを発明した(それだけではなく、生体光学に関する新しい原理を次々と発表し共焦点顕微鏡、OTCはじめさまざまな診断装置、皮膚科以外のさまざまなレーザー治療装置を開発されているのですが)物理学者でありハーバードの皮膚科教授であるRox Anderson先生の大学生の長男で、この夏休み、うちにホームステイをして、大工仕事や電気工事、掃除や子供の相手など、あらゆるバイトをしてもらっています。13歳からレストランでバイトをしていたので料理も得意で、バーテンダーの資格も取ったそうですが、まだ料理はしてもらっていません。彼は昨年の秋、お父さんを日本美容外科学会での講演に招待した際、いっしょに来られ、日本の歴史と芸術に魅せられ、夏休みを京都で過ごしたいと希望してこられたのです。今日は鞍馬寺で行事があったので見に行って来られました。
John と社員さんのアドバイスに従い、長く続くように気負わずぼちぼち、思いついたことを正直に書いていきます。質問されて答えるのはやりやすいけれど、何を書いてもいいとなると難しいですね。皆様から質問していただければそれに答える形で書いていきたいです。ホームページにいただく質問で一般的なものにはここで答えていきたいと思います。
では、これからよろしくお願いします。