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2005年08月25日
国際電気脱毛セミナー
お盆休みをいただいていたこともあり、しばらくご無沙汰してしまいました。8月24日と25日に新宿の京王プラザホテルで国際電気脱毛セミナーが開かれました。250人か300人程度の電気脱毛士の資格を持つエステティシャンが参加されました。これはCPE資格という米国電気脱毛協会が出していて、アメリカの多くの州が公式資格として採用している電気脱毛士資格の日本での資格保持者に対し資格の継続をするのに受講が必要なセミナーです。日本スキンエステティック協会と米国電気脱毛協会が主催している年に2回のセミナーで、毎年2月に大阪、8月に東京で開かれます。私は今回はRejuvenationと題して、当院で行っているrejuvenation方法、すなわち、オリジナル化粧品、エステ、内服・外用、レーザー・IPL、注射、メスを使わない手術、メスを使う手術、を侵襲の少ない順、つまり患者さんの好まれる順に2時間、話をしました。初めてこの会で話をさせていただいたのが7年位前で、テーマはレーザー脱毛についてだったかと思いますが、通常医学会での特別講演は30分から1時間くらいなので、2時間という長い時間を与えられ驚きました。今では、厚かましくなって、2時間でもしゃべりきれないと思ったりします。その前に驚いたのがその話を持ってこられたTBCの幹部の手塚圭子先生で、この方とは1998年4月にSan Diegoで開かれたIPLのワークショップで私達以外の唯一の日本人参加者として出会ったのですが、あまりの聡明さ、美しさ、上品さ、に驚いたのです。この会で話をするときにはいつも会員のエステティシャンの方々の熱心さに感心させられます。一人も居眠りしたり、私語したりする人なく、みな食い入るように一生懸命話を聴いてくださいます。残念なのは休み時間の光景。タバコを吸う人が非常に多いのです。人々の美と健康にかかわる仕事ですから、お客様の模範となるよう是非がんばって禁煙していただきたいものです。その熱心な皆様から講演後下記の質問が送られてきましたので、ここで回答します。

Q1 イオン導入の頻度はどれくらいの間隔なのでしょうか?
A 毎日できればそれに越したことはありませんが、通常はせいぜい週1,2回しか通ってきていただけませんよね。間が空いたためにリバウンドが起こるなどということはなく、やればやった分だけ効果があると考えてください。
Q2 レーザー脱毛やフォトフェイシャルの際の痛みはどの程度なのでしょうか?
A レーザー脱毛は機種により痛みが随分違いますし、また、皮膚の冷却の程度にも随分左右されます。ルビー、アレキサンドライト、ダイオード、ヤグ、の順に波長が長くなりますが、波長が長くなるほど、光は深くまで届くので、痛みも強くなる傾向にあり、したがってヤグレーザー はかなり痛いです。IPLは機種にもよりますが一般的にはあまり痛くありません。IPLの痛みが輪ゴムを肌にパシッとはじかれるような痛みだとすれば、ヤグレーザーは骨にズンとくるような痛みです。
Qまた、麻酔の使用はあるのでしょうか?
脱毛の場合、通常冷却のみですが、麻酔クリームなどを使用することもできます。フォトフェイシャルは冷却をしていましたが第2世代IPLはそれも不要です。
Q3 レーザー照射による治療(施術)の平均値段(相場)はどれくらいなのでしょうか ?
保険の適用になる範囲をお教え下さい。
A コイン大のしみのレーザー照射で1万円くらい、顔中照射するフォトフェイシャルやIPLは5万円前後、レーザーピーリングでは2、3万円です。
赤あざ、毛細血管拡張症に対する色素(ダイ)レーザー照射、青あざ、茶あざ、外傷性異物沈着症(外傷性刺青)に対するQスイッチレーザー照射、が健康保険適応と定められています。
Q4 静岡近隣に先生のようなレーザー治療のできる病院があればお教え下さい。
A 脱毛だけとか、フォトフェイシャルだけ、あざのうち赤あざだけ、またはしみと青あざ、などと限られた治療をしておられるところは随分多くなりました。すべてを総合的にという施設はなかなかありません。具体的にどのような治療をご希望か、またはどのようなことに対してレーザーをお受けになりたいのかを示していただければ紹介しやすいです。
Q5 世界的なRejuvenationの需要はどの程度なのでしょうか?
やはり、先進国に限ったものでしょうか?
A タイ、韓国、シンガポール、台湾、香港などアジア諸国は需要も多く、日本よりもRejuvenation先進国ともいえます。アメリカのレーザーや美容皮膚科などの学会では日本人の医師はあまり多く見かけません。日本よりも人口の少ないはずのアジアの国々の医師達の方を沢山見かけ、彼らはとても熱心に勉強されています。外国で開発されている数多くの方法のうち日本に入ってくるのは輸入業者が輸入し、日本の医師に紹介した方法が主です。美容に携わる日本の医師はもっと積極的に勉強して欲しいものです。
Q6 光系(IPL)脱毛で永久脱毛は可能なのでしょうか?
A 講演の中でお示ししましたとおり、可能です。私は1996年から試作機を会社に作っていただくなどしてルビー、アレキサンドライト、カーボンを用いたQヤグなどでレーザー脱毛の方法を模索してきました。一般的にも、ルビー、アレキサンドライト、ダイオード、ヤグなど段々と波長の長い装置へと変遷してきました。当院でも肌の色の黒目の人でも比較的安全なので、ヤグも用いていました。しかしながら、現在は波長やパルス幅が変更できて、照射面積が圧倒的に広いなどの利点からもっぱら光(IPL)脱毛を行っています。
Q7 レーザー脱毛では2~3ヶ月おきに通う方法がとられていますが、それが、毛周期か
ら考えて一番効果の出る通い方なのでしょうか?
A 以前は永久脱毛効果を得るためには毛周期のうち、成長期初期に照射するのが有利と考えられていましたが、現在は毛が毛包の中にありさえすればどの時期でもよいと考えられています。毛が生えてきたころに照射すればよいかと思います。
Q8 鈴木先生の本が欲しいのですが?お奨めの書籍をお教え下さい。
A 医学専門書への執筆は数多くしており、日経ヘルスなどの雑誌の取材に応じることも多いですが、残念ながら、一般向けの本の執筆までなかなか手が回りません。何年か前に池田書店から「肌の悩み解消ハンドブック」と「化粧品成分ハンドブック」を監修したくらいです。よろしかったらブログを読んでください。http://www.e-doctor.ne.jp/biyoublog/
Q9 美白作用のあるものは、数々出ていますが(レチノール、ビタミンC、アルブチン
、AA-2G等)配合量によっても違うと思いますが、どれが一番効果的なのでしょうか?
また、肌への浸透(働きかけ)のメカニズムをお教え下さい。
A 美白剤について書くとすると、本1冊分になってしまいます。厚生労働省が医薬部外品に配合を認める美白成分以外にも美白に有効な成分が実際には非常に多く配合されています。チロシナーゼ阻害一辺倒だったメカニズムも、今ではさまざまなところに働く成分が開発されています。したがって、メカニズムの異なる成分を同時に複数使用する方法がベストといえます。
Q10 講義の中で、ハードコンタクトも目のたるみの原因になるというお話でしたが、
原理の詳細をお教え下さい。
A ハードコンタクトレンズをはずすときに目尻を外側に引くことが眼瞼挙筋腱膜を引き伸ばすことにつながると考えています。ですから、ハードコンタクトレンズはスポイトではずすようにすれば眼瞼下垂を予防できるかと思います。
Q11 今、金の糸を顔に埋めてコラーゲンを作り、タルミやシワを改善するという美容
法がありますが、鈴木先生はどう思われますか?
A 効果のほどは知りませんが、レーザーがあてれなくなるので、私は受けたくありませんし、患者さんにもお勧めしていません。
Q12 茶色い色素斑でシミとアザはどの様に見分けるのでしょうか?
A 茶色いあざは通常赤ちゃんの頃からあります。
Q13 肝斑の治療にトランサミンが有効とのことでしたが、服用してどれ位の期間で効
果が出るのでしょうか?
服用期間が長期に及んでもリスク(副作用)は無いのでしょうか?
また、効果が出たら、服用を止めてもいいのでしょうか?
A 1,2週間で効いてくるのがわかるかと思います。止血剤としても用いる薬ですので、コレステロール値が高い方など、血管が詰まりやすい方には注意が必要です。また、婦人科でホルモン治療を受けておられる方も、血液が凝固しやすいので注意が必要です。肩こりや首のこりがひどくなるのをサインにしています。効果が出れば一旦内服はやめ、美白剤を塗ったりイオン導入するなどでできるだけよい状態をキープしていただきます。悪化すればまた飲んでいただきます。
Q14 鈴木先生のスライドにありました化粧品の購入方法をお教え下さい。
A 075-702-2448にFAXしていただければ代引きでお送りします。
Q15フォトフェイシャルである程度、シミやタルミが改善された後は、どれくらいおき
に照射をしたら良いのでしょうか?
A 3カ月おきくらいにされてもいいし、気になってきた頃にまた数回続けてされてもいいです。
Q16 エステサロンで使用するフォトフェイシャルの機械で、鈴木先生のお奨めする機
械をお教え下さい。
A 現在は沢山の機種が次々にでてきて迷いますね。エステ用の機種は把握していません。当院で用いているのは医療用で、デンマークDDD社のエリプス・フレックスと米国パロマ社のエステラックスです。
Q17 娘(1歳半)が点滴もれによる原因で皮膚が壊死し、ケロイドになってしまいま
した。
鈴木先生のクリニックでレーザー等の治療を受けたい場合、どの様にしたら良いでしょ
うか?予約などについてお教えください。
水曜日午前中の子供あざ外来をご予約下さい。075-752-1533
Q18 子どもの背中に青アザ(蒙古斑?)が一面にあります。出来る原因は何なのでし
ょうか?
そのままにしておいても消えるものでしょうか?
レーザー治療をやったほうがいいのでしょうか?金額の目安をお教え下さい。
A 治療するかどうかは判断の難しいところですね。消えてしまうかどうかは現時点ではわかりかねますので。濃いものは治療すればよいと思います。できる原因はわかっていません。日本人の9割以上に蒙古斑があります。通常の範囲以外にできたものを異所性蒙古斑といいます。治療すると決めたら、0歳のうちにしたいものです。費用は乳児医療なら200円です。
Q19 子どもが1歳半位の時に階段から落ち、その後、打撲したまわりが濃い茶色のシミ
になりました。この様なシミはレーザー、IPL等、何が一番、効果が出るのでしょうか
?
また、関東で鈴木先生お奨めする病院をお教え下さい。
A 炎症後の色素沈着ならば、美白剤の外用やイオン導入が適切です。レーザーやIPLで治療を促進できる可能性はあります。
東京女子医大の形成外科の河野太郎先生なら腕もお人柄も信頼できます。
2005年08月04日
カッパーブロマイドレーザー・レジュヴィネーション

今日はタイからの見学の先生ご一行が来られていました。カッパーブロマイドレーザーを見に来られました。タイ人の苗字はみなとても長く、10年来の友人や知り合いも多くありますが、未だに苗字を覚えきれず名前でよんでいます。タイの人もそれを自覚されていて、「私のことはドクターAと呼んでください」といってくれた人もいて、そうさせてもらっています。今回見学の4人はドクターTとその妹さんでエンジニアの方、看護婦さんでレーザースペシャリストの方、そして、レーザーやRF機器の輸入業者の女社長さんのご一行でした。
カッパーブロマイドレーザーは15年位前にオーストラリアのアデレードで開発されました。開発技術者であり、Norseld社社長さんのPeter Davisさんから今回の見学者の件は頼まれました。ご一行は朝10時から夜7時半ごろまで勉強して満足そうに帰国されました。カッパーブロマイドレーザーは511nm(ナノメーター)と578nmの二つの波長の光を別々および同時に出すことができるレーザー装置です。私がこの装置とであったのは1993年にさかのぼります。アデレードで社長のピーターさんと2人3客でこのレーザー装置を開発されてこられた皮膚科医のSue Mckoy先生を訪ねました。オーストラリアはオゾンホールのために紫外線量が多く、そのための皮膚障害も多いですが、その分、治療についても発達しています。紫外線によりしみやしわが増えることはよく知られたことですが、毛細血管拡張も起こります。スー・マッコイ先生はオーストラリアを代表するレーザー医で、私より5歳くらい年上の長身で美人でてきぱきしたとてもかっこいい先生です。男勝りでメカに強く、自分で組み立てたクラッシックカーを運転されていました。交通渋滞で有名なバンコクの街中を1000ccのバイクで走り回っていたのも彼女です。結婚はされていましたが子供が嫌いで絶対にいらないといっておられましたが、それは今も変わらないようです。ピーター・デイビス社長が「危険なので絶対やめてくれ」、と頼んでも、高温、高電圧になるカッパーブロマイドレーザー装置のカバーを自分で開け、故障を自分で直してしまおうとされます。彼女には直径1mm程度までの拡張した毛細血管をペン先のようなハンドピースの先から出るカッパーブロマイドレーザーの578nmの光でなぞって消していく方法と、直径1mmくらいの拡張血管に細い針を入れ、高張食塩水を注入して血管を塞いでいく方法を教えていただきました。毛細血管拡張症の治療は当時日本では需要は少なかったですが、早速日本に持ち帰り開始しました。それから1年間カッパーブロマイドレーザーを使用し、治療効果は大変よかったのですが、故障が多すぎたのでとうとう機械を返却しました。そして10年後、カッパーブロマイドレーザー一筋に打ち込んでこられたピーター・デイビス社長にアメリカの学会で再会し、「もう故障しないし、さらに改良を重ねたのでもう一度使ってみて欲しい」といわれ、1年余り前からまた使い始めました。確かに故障しにくくなり、また、non-ablative rejuvenation治療とにきびの光線治療にも対応できる工夫がなされ、社長さんが自信もってすすめられるだけある機械に仕上がっているように思います。

そもそも、日本では流行らなかった、皮膚を一皮むいてしみ皺のある皮膚を一掃し、若返りを図ろうという炭酸ガスレーザーやエルビウムヤグレーザーを用いたskin resurfacingに取って代わり、今日本で大変なブームになっているnon-ablative skin rejuvenation治療、すなわち、表皮を痛めないでダウンタイム(日常生活にさしつかえる期間)なしにしみくすみやしわ、皮膚のはりや毛穴のひらきを改善し若返りを図ろうという方法は血管腫治療用ダイレーザーをしわ治療に用いたところから始まったわけです。non-ablative skin rejuvenation治療の作用機序はいまだ実証されてはいないのですが、大きく2つに分けて考えることができます。ひとつはダイレーザーに代表されるように、血液中のヘモグロビンに吸収される波長の光を血管を破壊しないように弱めに照射してコラーゲンを生み出すための伝達因子を出させて、新しくコラーゲンを作らせよう、というものです。もう一つは水やコラーゲンに吸収される波長の光を強く当て、真皮のコラーゲンを破壊・変性させ、きずが修復されるときにコラーゲンが新しく生み出されたり、たんぱく質であるコラーゲンが熱で縮んで、そのあともきずが治る過程で傷あとが縮むことを利用して、しわやたるみを改善しようという表皮を温存したskin resurfacingともいうべきアグレッシヴなものです。最近ではレーザーや光だけでなく、これをRF波(ラジオ波)で行うこともされています。もし私自身がnon-ablative skin rejuvenation治療を受けるとしたらどの方法を選ぶでしょうか。もしも、私の皮膚がすでにひどいニキビとか事故などのきずあとでデコボコの傷あとだらけになっていたら、あきらめて後者の装置で治療するかもしれません。でも私の皮膚は年とともにコラーゲンが減って薄くなり、たるんできただけなので、表皮を温存するとはいえ、真皮をアグレッシヴに破壊しようなどという勇気はありません。ですから、刺激少なく、皮膚の深くまで届いて色むらを改善しつつコラーゲンの再生を促す前者の機序で働くレーザーピーリングや、新陳代謝を活発にしてむくみを取ってたるみを解消するインディバRFなどは喜んで受けます。
よみがえったカッパーブロマイドレーザーはまさにヘモグロビンの吸収波長とピタリと一致する578nmの光を利用して新しく開発されたスキャナーまたはペンタイプのレジュヴィネーション用ハンドピースを用い、前者の機序で働くnon-ablative skin rejuvenation治療が効果的にできるよう工夫されていました。実際の効果も患者さんの評価も上々で、non-ablative skin rejuvenation治療のトレンドになってきそうな気配がします。このような情報をいち早く察知したタイの先生と輸入業者の方が早速当院に勉強にこられたというわけです。すでに1年前に香港の先生も見学に来られ、彼は今では自院で盛んにこの方法を用いておられます。