2005年06月25日
勉強に行ってきました

今日は信州大学附属病院に勉強に行ってきました。5年半前に教えを請うた腱膜性眼瞼下垂の概念の提唱者でありその治療法を開発された形成外科の松尾教授の手術を見せていただきに行ったのです。
今年の4月の日本形成外科学会総会で松尾先生とお話しをしたとき、「1年半前からがらりと手術方法を変えたよ」とうかがったので、すぐにでも飛んで見せていただきに行きたかったのですが、その時点で私の予定が取れる日が今日までなかったのです。

朝7時半に家を出て11時半に信州医大形成外科医局につきました。手術を立て続けに3例見せていただき、合間には本当に親切に説明していただきました。10時半に家に戻りました。手術は執刀するより見せてもらったり手伝ったりするほうが疲れるものですが、行き帰りの電車に乗っている時間が長かったのでいつもより睡眠時間が長くて元気です。
今までにも眼瞼下垂の手術は問題なくうまくいったのに、術後に手術前とは違う頭痛がでたり、眼を開けているのがつらいとかまぶしいとかいう症状を訴える患者さんがありました。今年の初めに信大まで受診に行っていただき、松尾先生に診ていただいた方もありました。まぶたがピクピクするよく知られたものとは違い、まぶたを閉じる筋肉が持続的に緊張する「眼瞼痙攣」だと診断され、治療はそれらの筋肉を切離するものと教えていただきました。これが松尾先生が1年前から始められた方法です。とはいえ、いまいちピンときませんでした。本日その手術を実際に見せていただき、詳しく説明していただいてとてもよくわかりました。「先生は僕のやっていることを理解してくれる数少ない人だよ」と言ってくださったのがとてもうれしかったです。とはいえ、私は先生が説明してくださることの何割かしかわかっていません。先生も自分で「僕は形成生理学者だ」とおっしゃっています。「論文を書いているが、まだアクセプトされない」と、おっしゃっていました。以前も論文がアクセプトされるのに5年かかったとおっしゃっていました。あまりにレベルが高すぎて、審査する先生達が理解できないのです。

独自の仕事を成し遂げる人は独創性に加え強い信念と勤勉さという共通したものをお持ちです。今年の2月にアメリカ皮膚科学会に行きました。述べ2万人が参加する世界最大の皮膚科の学会です。その中でRox Anderson教授がレーザー/光を使った診断についてのシンポジウムを主催されました。ほんの30人か40人の出席者でした。Roxは「新しいことが始まるときはいつもこんなものだ。多くの人はまだ注目していない。素晴らしいシンポジウムだった。新しい時代の幕開けを感じた。」とおっしゃっていました。Roxはこのシンポジウムに89歳になられるレチノイン酸の発明者、Albert Kligman博士を引っ張り出されてきました。Up-dateな素晴らしい講演をされました。今も現役の研究者です。Roxは学会場でホールを歩こうとしてもすぐに質問に来る人たちの人だかりができて身動きが取れません。休日に研究室に行くと誰に邪魔されずに仕事ができてよい、とおっしゃいます。今日、松尾先生も、「日曜日の午前中は研究室にいます。誰にも邪魔されずに仕事ができますから。」とおっしゃっていました。有能な方はたいていお人柄も素晴らしい。有意義で心洗われる一日でした。
投稿者 biyou : 2005年06月25日 17:57